仏大統領「韓国政府が新型コロナを克服していることに敬意」

収束の気配が見えない、新型コロナウイルスの感染拡大。
フランスでは、3月18日までに感染者7730人、死者175人と急速な感染拡大に見舞われている。
待ったなしの状況の中、フランス・マクロン大統領が救いを求めたのが、ある国だったという。

 

それが、韓国だ。
韓国メディアによると、マクロン大統領は「韓国政府が、透明かつ効率的に新型コロナを克服していることに敬意を表する」「フランスも韓国が取っている優秀な措置とその方式を学び、経験を共有したい」と話したという。

韓国では2月下旬から感染が拡大し、一時は中国に次いで感染者の多い国となったが、時間の経過と共に感染率は大幅に低下。現在も感染者は8413人に上るものの、死者数は84人にとどまっている。

フランスが注目する“韓国式防疫対策”とは、どのようなものなのか?
「直撃LIVEグッディ!」で紹介した。

韓国が導入する「ドライブスルー型」検査とは?

 

感染の拡大が始まって以降、韓国が国を挙げて取り組んでいるのが、無症状患者による感染拡大の抑止だ。
韓国では、これまでに29万5647件のPCR検査を実施。日本の15日時点の検査数1万3026件を大きく上回る数字だ。

韓国がいち早く導入した検査方法とは…

 

車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー型」検査だ。

「ドライブスルー型」の場合、検査を受ける側は車内に隔離されているため、他人との接触は最低限となる。
さらに、被験者が代わる度に病室を消毒する必要がある病室などの検査と比べ、時間を3分の1に短縮でき、検査数が飛躍的に増加したという。

この検査方式は、今やアメリカやドイツなど各地で実施されている。

さらに、おととい登場したのが…

 

「ウォーキングスルー型」検査だ。
検査会場に置かれた電話ボックスのような箱に被験者が入ると、箱の外にいる医師が箱に空いた穴に手を突っ込み、検体を採取する。
ボックスの形をした検査室は消毒の手間も少なく、車を持っていない人でも利用できるため、より多くの人が検査を受けられるようになったという。

こうして無症状の患者をいち早く発見することに成功した韓国。新たな感染者は2月29日の909人をピークに、その後大きく減少。きのうは84人にまで減少している。

日本で“韓国式”が難しい理由

グッディ!のスタジオでは、韓国の感染状況など、詳しく解説した。

大村正樹フィールドキャスター:
感染者が多いとネガティブなイメージを持たれがちですけど、韓国は世界から注目されている。それは、致死率が平均に比べると極端に低いため。

<韓国の感染状況>

 

・死者84人で、致死率は約1.0%
⇒致死率の世界平均3.4%より低い
・きょうまでの4日間の新規感染者は100人未満で、感染者は減少傾向にある

大村正樹フィールドキャスター:
きのう、WHOのテドロス事務局長が「検査して、検査して、検査してください。可能性のある人を全員検査してください」と言いました。この「検査、検査、検査」をいち早く取り入れたのは韓国と見ていいと思います。

<“韓国式感染対策法”①検査数>

 

・韓国ではこれまでに29万5647件の検査を実施している
⇒感染者は症状の重さによって入院、自宅療養などに振り分けて対応している。
・感染者との接触や症状がない場合でも、自費で検査を受けることができる
⇒無症状の感染者からの感染拡大を防止する効果もある。

大村正樹フィールドキャスター:
日本では、濃厚接触者でも熱などの症状がなければ、検査を受けたくても受けられません。ですが、韓国はお金を払えば検査を受けられるんです。

安藤優子:
ここで疑問なのは、これだけ検査を受ける方の人数が多くても、医療崩壊には至っていないこと。日本では、医療崩壊するから検査の数を抑えているわけですよね。どうしてでしょうか?

昭和大学医学部 特任教授 二木芳人氏:
一つは、日本では検査をする場所が病院・医療機関しかない。ドライブスルー方式ができるということは、検査体制が日本と根本的に違いますね。1日にこなせる検査の量がかなり多いと思うんです。以前MERSが韓国で流行った時の教訓で、韓国ではこういう体制がすぐ取れるようにしているということでしょう。さらに、陽性が出た患者さんを振り分けして、自宅待機もできるようにしているというのは、大変いい方式です。日本の場合は指定感染症ですから、基本的には自宅に帰っていただくわけにはいかない。この病気をどのような位置づけにするかということも、考えていかなくてはいけません。

高橋克実:
韓国は前の経験があって、そういう準備があるんですね。

昭和大学医学部 特任教授 二木芳人氏:
日本もPCR検査を頑張って増やしていますが、1日にできるキャパシティーが一気に2倍、3倍と増やせるようなものではありませんから。

専門家「“日本式”も早い段階からの姿勢としては悪くない」

大村正樹フィールドキャスター:
改めて、韓国がいち早く取り入れている検査方法を詳しく見ていきたいと思います。

<“韓国式感染対策法”②〇〇スルー検査>

 

・ドライブスルー検査
⇒車に乗ったまま検体を採取し、検査する。検査結果は1~2日後、電話やメールで受け取る。
・“ウォーキングスルー”検査
⇒外からブース内の患者の検体を採取する。検査時間は約20分。この検査場にはブースが複数あるため、1時間あたり最大10人程度の検査が可能。

安藤優子:
検査体制も医療体制も国によって違うということですが、今の日本がこれをやることは不可能なんでしょうか。

昭和大学医学部 特任教授 二木芳人氏:
検査の体制が整っていませんから、日本では難しいと思います。ただ、日本のように早い段階から国民みんなが予防に注意をして、大きな感染爆発を起こさないようにする。そして出てきたクラスターをつぶしていく。そういうやり方は、“韓国式”よりある意味では優れた方式だと思いますよ。“日本式”も早い段階から取り組む姿勢としては悪くないと思います。

日韓で協力してできることとは?

安藤優子:
しかしフランスとしては、おそらくもう手遅れなんでしょうね。生稲さん、“日本式”は胸を張るべきだということですが、どうですか?

生稲晃子:
爆発的に感染が広がっていないという点は、たしかにそうだなと思います。でも、私はこれを見て、私が韓国の市民だったら行きたいなって思っちゃいました。「37.5度以上熱があったら4日間家にいてね」と言われても、「自分がコロナなのか?違うのか?」と思いながら数日間過ごすのもすごく不安です。熱はあるけどコロナじゃないだろうと思って、ちょっとくらい買い物行っちゃってもいいかなと思う方もいらっしゃるでしょうし。こうやって「あなたはコロナに感染していますよ、自宅にいてくださいね」って言われたら、皆さん責任感を持って家にいると思うんです。そうしたら、コロナの封じ込めができるようになるんじゃないかなと。今の日本の状況だとポロポロと感染者が出て、完全に終息に向かうには時間がかかってしまうのかなと、これを見て思いました。

宮澤智アナウンサー:
ただ、感染していても陰性と出てしまうことがあると聞きます。陰性だから安心だと思っていろんな人と接して、感染が広がってしまうこともあるのかなと思うと怖いですね。

昭和大学医学部 特任教授 二木芳人氏:
そういう弊害もありますね。PCR検査は必ずしも100点満点の検査ではなく、ときどき見落としがあるんです。ですから、1回だけの検査で安心というのは、ちょっと気を付けなければいけませんね。

安藤優子:
でも、100%ではないけど、数%でも感染拡大の抑止に効果がある選択肢を、いま取るべきだと思います。今の日本では、決定的に具合が悪くならないと相手にしてもらえないところが、少し残念ですよね。

昭和大学医学部 特任教授 二木芳人氏:
韓国がかなりうまくいっているのであれば、韓国と協力して検査体制を少しお借りするとか。そうすれば、日本ももう少しキャパシティーを上げられると思います。

(「直撃LIVE グッディ!」3月18日放送分より)