山尾議員の離党は長島細野以上に痛い

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今週の平井事典は「離党」。

立憲民主党の山尾志桜里議員が離党した。
一言で言うと「またか」。
つまり旧民主党から「また」一人脱落した。もう帰ってこないだろう。

旧民主が立憲民主と国民民主に分裂しているのはまだいいとして、保守系の長島昭久、細野豪志氏らが離党して、自民に行ってしまったのと同じくらい、リベラルの山尾さんが離党したのは痛い。

蓮舫氏と辻元氏に弾き飛ばされたか

離党される方にとっても困るが、する方も実は困る。

日本の国会は1人では政治を「やりにくい」システムになっている。
たとえば税金から払われる政党交付金は平均すると年間1人4400万円もらえるが、これは「政党」に払われるので、無所属の人はもらえない。国会での質問もなかなかできない。

山尾さんはこれまでのいきさつを見るに、蓮舫さんや辻元さんがいる立憲民主から弾き飛ばされたようでもある。
つまり山尾さんは被害者なのかも。

でも本当の被害者は「また一人出て行ってしまった」立憲民主だ。
野党が分裂し、さらに縮小するのは自民の思うつぼ。
安倍さんの高笑いが聞こえるようだ。

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【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。