感染拡大の影響は東南アジアにも

2019年は年間160万人もの日本人が訪れた、観光大国・タイ。新型コロナウイルスの感染者は3月19日までの直近4日間で連続30人以上に上っている。

こうした中、タイ政府は日本人観光客にも人気があるマッサージ店の閉鎖に踏み切った

 
 
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街中のあちこちにある店舗は閉店していて、ズラリと並んだマッサージチェアには日本人客の姿はない。そこにいたのは、タイ料理を食べる女性スタッフのみだった。

そこで店員に話を聞くと...。

マッサージ店の店員:
仕事がないので気分が悪い。感染するのはマッサージ店じゃないと聞いているのに...

 
 

また、影響は市民の足となる3輪タクシー「トゥクトゥク」にも。運転手に話を聞くと...

トゥクトゥクの運転手:
普段は1日1000バーツ(約3300円)以上稼げたけど、今は200バーツから300バーツ(670~1000円)も稼ぐのが難しい

 
 

タイでは“新型コロナ保険”の加入者が急増

タイ政府はマッサージ店のほか、バーやパブなども14日間の閉鎖対象としている。

世界中からバックパッカーが集まる「カオサン通り」には3月18日夜、警察車両が登場した。

警察官:
18日から3月31日までサービスの提供を止めてください!

 
 

警察の指導を受け、慌てて閉店する店が相次いだ。

そのタイでは、いわゆる“新型コロナ保険”の加入者が急増している。

タイでは、社会保障が日本のように整備されていないことから、医療保険が“転ばぬ先の杖”としての備えとなっている。現地の「サイアム商業銀行」では、2週間で約10万人が“新型コロナ保険”に加入したという。

 
 

その加入者に話を聞くと...。

“新型コロナ保険”に加入した女性:
何かあったとき、医療費をまかなうために加入しました

タイ政府は3月21日から、日本からの渡航者に健康診断所(ウイルス検査陰性証明含む)の提出を義務付けるという。

外出禁止令のフィリピンでは、出国者が相次ぐ事態に

一方、同じく東南アジアのフィリピンでは、3月16日から首都・マニラを含むルソン島全域を原則として外出禁止に。これを受け、空港は出国する人々で混雑し続けているという。

 
 

マニラからの帰国者:
フィリピン政府の発表があってからみなさんドタバタされて、街もがらんとした感じでした。不安に思われて急きょ一時帰国する人も多かったですし、空港はかなり混雑しました

急きょ帰国したという、別の帰国者にも聞いてみると...

マニラからの帰国者:
日曜日(22日)のチケット取ってあったんですけど、それはキャンセルして急きょ、きょう(19日)のチケットを取って帰ってきて...夜逃げみたいな感じで帰ってきた

マレーシアでは、宗教行事で集団感染が発生

このほか東南アジアでは、感染者が急増している国もある。

人口約3100万人のマレーシアでは、2月、首都・クアラルンプールのモスクでイスラム教の宗教行事が行われ、大規模な集団感染が発生。国内の感染者は790人に急増している。

これは2019年12月のクリスマスに撮影された、クアラルンプール市内の様子。

 
 

この賑わいから約3カ月...原則外出禁止となった街は、静けさに包まれている。

 
 

そして、現地在住歴7年の日本人女性によると、日本への帰国者が増えているという。

現地在住の女性:
私も日本に戻る予定だったんですけれども、日本に帰ると2週間、マレーシアでは「子どもを学校に来させないでください」みたいな状況になったので、今回は延期しました

(Live News it! 3月19日放送分より)

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