首都封鎖ロックダウンの可能性を示唆

「世界中のほとんど全ての国で、合わせて30万人以上の感染者が確認されました。パンデミックが加速している
日本時間の3月24日、WHO世界保健機関のテドロス事務局長が危機感を示した。感染者が初めて確認されてから10万人に増えるまで67日間、20万人に増えるまで11日間かかったが、その後、わずか4日で30万人に増えたという。

世界で「パンデミックが加速」する中、日本では新たな問題が起こっている。それが…

“海外からの帰国者たち”の感染だ。4月23日、国内で新たに感染が確認された40人のうち12人が、感染が拡大する海外からの帰国者だったことがわかっている。3月23日、過去最多である16人の感染が確認された東京都の小池百合子知事も危機感をあらわにした。

小池百合子都知事:
世界各地で都市が封鎖されている、いわゆる“ロックダウン”をされているところで、海外から在留邦人が多く帰ってくるという状況がある。こうした方々を起点とするクラスターが形成される恐れがある。そのクラスターがつながったり、大規模なメガクラスターになったときには、爆発的な増加、いわゆる“オーバーシュート”が発生しかねない。この3週間は、オーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ道である。

小池都知事:
事態の今後の推移によりましては、ロックダウンなど、強力な措置を取らざるを得ない状況が出てくる可能性があります。

“ロックダウン”とは、公共機関や学校、お店などを閉鎖し、国民の行動を制限する「都市封鎖」のこと。イタリアやフランス、アメリカの都市などですでに実施され、大都市から人が消える事態となっている。さらに小池都知事は会見で、若者たちに向けて「危機意識を共有してほしい」と訴えた。

小池都知事:
発見が困難な若年層のクラスターが発生する恐れがある。無自覚のうちにウイルスを拡散させてしまうことが懸念されるわけであります。

もしロックダウンが起こるとどうなるのか

実際に、感染者が8000人を超えた韓国では、感染者のおよそ30%が20代の若者で、年代別でみると最も多くなっているという。社会活動が活発で感染する機会が多いと見られており、政府は注意を呼びかけている。もし、東京が“ロックダウン”された場合、何が起こるのだろうか?「直撃LIVEグッディ!」のスタジオで解説した。

大村正樹フィールドキャスター:
小池都知事は会見で「オーバーシュート」や「ロックダウン」など、強い言葉を使って訴えました。東京都のホームページには、このような試算が公表されています。

<都内の新たな感染者数試算 専門家対策班による>
・(何も手を打たなければ)4月8日までの3週間で、感染者数が530人、うち重篤者数が41人増える可能性がある

大村正樹フィールドキャスター:
これは4月8日までの試算ですが、学校などが始まったらもっと増える可能性も考えられますよね。ただ、この試算では明日までの一週間で51人となっているんですが、きのうまでの日ごとの感染者数を見てください。

<東京都の日別の感染者数>
3月17日…12人、18日 9人、19日 7人、20日 11人、21日 7人、22日 2人、23日 16人…合計64人

大村正樹フィールドキャスター:
3月23日までの7日間を足すと、全部で64人。すでに試算の51人という数字は超えているんです。もしかしたら4月8日までの感染者数も試算の530人を超えてくるかもしれません。

安藤優子:
二木さん、これはどれくらい現実味のある数字なんでしょうか。

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
先週、兵庫・大阪で「このまま何も手を打たなければ3週間で3000人以上感染者数が増える」と試算を出しましたが、それと同じ厚生労働省のクラスター班がこの(東京都の)数字を試算しています。大阪・兵庫と比べると少ない数字ですが、実際には人口がはるかに多い東京の首都圏でこういうことが起これば、とんでもない“オーバーシュート”の状況になるだろうということで、小池都知事はかなり強いメッセージ・警告を出したのではないかと。

大村正樹フィールドキャスター:
小池知事が懸念するのはこの16人の人数だけじゃなくて、この方々の経路なんですよ。3月23日の16人のうち海外渡航歴のある人が5人ですが、感染源不明者の方が9人と多かったんです。これがとても大きなポイントで小池知事も昨日の会見でポイントを挙げて説明していました。最近の東京の感染者は3つに分類されるそうです。①海外から帰国した感染者の増加 ②感染源が特定されない人の増加 ③発見が困難な若年層クラスターの発生。このあたりの混沌とした状況に対して、小池知事は警鐘を鳴らしたという風に見ていいと思います。

安藤優子:
二木さんこの辺りが非常に不透明な部分なんでしょうか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
そうですね、特に一番最後の「発見が困難な」っていうのがまさにその通りで感染していてもあまり症状が出ませんし、検査もしませんから若い人たちの間にそういう人たちがたくさんいますとね、そういう人たちが感染源になって周辺に散らしていくと、そういう感染源が特定されない人を今までクラスターで見つけ、その周辺で患者さんを発見してはそれを監督下に置けたのですが、感染源が分からない人が突然出てきたと。さらにその水面下で多く感染者がいる可能性があるということで警戒感を高めていくということになりますね。

安藤優子:
つまり追跡できないってことはその先に他にもっといるということを示唆しているわけですよね。

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
そういうことですね。

大村正樹フィールドキャスター:
本当に都市封鎖が起こったら、どうなるのか?まず、東京にはどれくらいの人が日常的に集まってくるのか見てみましょう。

・東京都HPによると…1日あたりの東京への流入人数は約290万6000人
・JR HPによると…東海道新幹線の東京・品川駅の1日乗降人数は27万5000人
・羽田空港HPによると…羽田空港1日平均旅客数は23万3000人
・封鎖の可能性が高い施設は、デパートやレストラン、遊園地やスポーツジムなどが考えられる

大村正樹フィールドキャスター:
最近は新幹線や空港の数字は減っていると思われますが、それでも東京には毎日およそ300万人の人が流入していると考えていいわけです。ロックダウンするとなると、どこまで制限できるんでしょうか。

安藤優子:
これだけの人たちを現実問題として「入ってくるな」とすることが、本当に可能なのかどうか…。

サバンナ高橋:
これを聞くだけだと現実味がないような気がしますけど、実際に世界の都市は止まってる。そういうこともあるんだろうな、と思って見なければいけないんだろうなって思います。

安藤優子:
ロンドンや、フランスの全土、ニューヨークもロックダウンしています。飲食店では、テイクアウトのみ可能などの対応をしているようですね。あと、通勤していいのは医療従事者や福祉関係者、警察や消防などの限られた職種。東京でも、どうしても続けなければいけない職種の人は通勤可能ということになるんじゃないでしょうか。

大村正樹フィールドキャスター:
本当に都市封鎖が起こるとしたら、そういった取り決めも整備されるでしょう。そのほかに、どんな影響が起こるのか?関西大学の宮本勝浩名誉教授に伺うと、まず皆さんが巣ごもるために物を買いに走り小売店から物がなくなる。そして小規模の店舗などはわずか1週間で倒産する店も出てくる。都市封鎖から2週間経過すると経済は大打撃を受ける。さらに各家庭の備蓄食料がなくなり、食料品の不足や値上がりが発生する可能性があるということです。

安藤優子:
二木さん、実際に東京を封鎖することは、感染拡大の阻止に効果があるんでしょうか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
仮に東京で大きなオーバーシュートが起こった場合は、外に散らさないという意味で東京を封鎖する。おそらく東京だけではなく、神奈川や千葉、埼玉あたりも含めて封じ込めることを考えると思います。それは他の日本国内に散らしていくことを止めるためには効果がありますが、封鎖してしまうと、いわゆる武漢のように、医療崩壊にもつながりかねない。日本のいいところは、周辺からサポートができること。例えば患者さんをよその地域に少しずつ移すなど、完全に封鎖ということではなく、可能な限りそういった連携をすることが大事かもしれません。

安藤優子:
万が一、首都圏封鎖ということになった場合は、周りからのサポートを受ける方式をとると。

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
ただ、うっかりするとよそでも同時にクラスターが出る可能性がありますので、そうならないように…。イタリアなどのヨーロッパの国はそうなってしまっています。

(「直撃LIVE グッディ!」3月24日放送分より)