日銀の突然の発表から約3時間後に開催

3月16日(月)午前8時50分、日銀から「12時より金融政策決定会合を行う」との突然の発表があった。
2日後の18日~19日に予定されていた決定会合を前倒し、1日に短縮して開催するとのこと。
過去には時間を前倒したことや1日に短縮したことはあったものの、日程を前倒ししての開催は初めてのことだった。
その約3時間前には、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が緊急利下げを発表したばかり。
これを受けての“緊急前倒し会合”となったのか?
発表の通り12時ジャストより決定会合は開催され、通常2日間かけて行われる会合は約2時間で終了。
午後2時6分に3年半ぶりとなる追加緩和策が発表された。

「週末は床屋と本屋に…」

黒田総裁は午後4時から記者会見を開き、史上初の“前倒し決定会合”について以下のように説明した。

Q.金融政策決定会合を初めて前倒しした狙いは?
日銀 黒田総裁;
世界経済の不透明感が急速に高まっている中で、内外金融資本市場では不安定な動きが続いています。金融政策面から必要な措置を早急に検討して実施していくことが必要と判断しました。こうした対応は、国民心理の安定や金融市場の安定を確保する上でも重要であると思います

Q.なぜ前倒し会合の招集をしたのが今朝だったか?先週以前からわかっていたことでは?
日銀 黒田総裁;
一つは、新型コロナウイルス感染症が世界的に急速に拡がっていることによる不透明性から来る市場の不安定性の増大です。また、特に中小企業を中心に企業金融が引き締まってきていることを判断し、通常の予定されている金融政策決定会合を待つことなく、前倒しして本日行うことを決めたわけです」

Q.総裁が前倒し会合を決めたのは今朝か?もう少し前か?
日銀 黒田総裁;
今朝、前倒し会合をしますと公表しましたが、政府の出席者の方や政策委員全員が出席できるようにしなければなりませんので、そういう方々に通知すると同時に公表したということです。私どもは開催するときは事前に公表しますので、まさに基本的に、前倒しが決まったのは今日ということになると思います

Q.総裁はこの週末どのように過ごされたか?例えば、中銀総裁との連絡などは?
日銀 黒田総裁;
内部での打合せとか色々あり得たということはそうなのですが、基本的に最近あまり土日に外を出歩かないようにしていますが、床屋に行って、それから本屋で本をたくさん買ってきて、家で読んでいました。仕事については当然、色々な打合せというものは電話でもパソコンでもできますので、それは自宅にいてもできるということだと思います

黒田総裁の会見によると、「前倒しが決まったのは今日」。出席者への通知も公表と同時の当日の朝だったという。
事務的な準備などを考えれば、正式決定は当日の朝だったとしても、それより前から浮上していた話だったことは確かだろう。
あまり外を出歩かないという週末に、理髪店や書店を訪れていたという黒田総裁。“前倒し決定会合”に備えての束の間のリフレッシュだったのかー。

『影響は甚大になる可能性』意見書

翌週25日(水)には、決定会合で話し合われた「主な意見」が公表された。
「リーマン・ショック、東日本大震災と性質は異なるが、影響は一時的なものにとどまらず、甚大なものになる可能性を意識しておく必要がある」
「企業が直面している業績悪化は急激で、極めて深刻に受け止めている」
「新型感染症危機の収束後に経済が力強く回復するとのシナリオには懐疑的である」
など、経済情勢について厳しい認識が示されていた。
また、金融政策については、「金融市場の安定を維持し、企業や家計のコンフィデンス悪化を防止する観点から、金融緩和を強化することが適当である」など、やはり追加緩和を求める声が多かった。
そして、「経済・物価情勢によっては臨時会合開催も含めた機動的な対応が可能である」との声が上がったことも明らかになった。

次回の金融政策決定会合は、4月27日~28日に予定されている。
大幅な悪化が予想されている「短観」(4月1日発表)の数字を踏まえた上で、追加緩和の是非が改めて議論されることになる。
もしくは、再び“前倒し決定会合”もあり得るのかー。
しばらく目が離せない状況が続く。

(フジテレビ報道局経済部 土門健太郎記者)