感染はどこまで拡大? “医療の危機”も…

26日、新たに47人の感染が確認された東京都は4日連続で1日あたりの最多人数を更新した。

都内の感染はどこまで拡大するのか?
「直撃LIVEグッディ!」は、小池都知事と共に会見の場に立った東京都の新型コロナウイルス感染症対策有識者会議の中心人物、猪口正孝医師を独自取材。語られたのは、私たちの想像をはるかに上回る“恐るべき可能性”だった。

 
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猪口医師:
厚生労働省のクラスター対策班というところが、東京の患者の試算というものを出しているんですね。それによると、3月25日までに患者が51人くらい出るでしょうと。その次の1週間で159人、その次の1週間で320人、新たに患者が見つかるでしょうと…

 

猪口医師:
これぐらいのものだろうと予想していたんですが、それを上回る(ペース)、25日までに101人の陽性者が出たということで。この(厚労省試算)ストーリーよりは激しいんだということになったわけです。こういう形で増え続けますと、次の週は159人では済まなくて、200~300人くらいになったとすると、その次の1週間で増えてくるのは千人単位になってきそうだと。放っておくと、3000という数字になり得ます。


猪口医師によると、感染者数の増加は当初の予想を上回るペースで、このまま何もせずにいると4月の2週目には1週間の新たな患者数が3000人を超えるという。

そして、その驚くべき数字は医療の危機につながりうるという。


猪口医師:
オーバーシュートは、本当は“急激に、爆発的に患者さんが増加する”ことを表現しているんですが、それだけでは分かりづらいので、“医療がきちんと重症の患者に提供できないような状態になったことをオーバーシュートと言おう”と、我々の有識者会議に出ているメンバーの中では合意が取れています。今 一生懸命(病床を)増やしている最中ですが、重症の患者が200床から700床。それ以外の入院を必要とする患者が3000人くらいを目標として、ベッドを確保しているんです。それを超えてくるようであれば、オーバーシュートと言えるような状況だと思います。

 

猪口医師:
あきらかに予想よりも上回る形で患者が増えている。これはオーバーシュートにつながる話なので、ここで引き締めないと大変なことにつながるということで、(小池都知事の)そういう話になったんだと思います。


オーバーシュートを防ぐため、今がまさに重大局面だという。

そもそも、都内の感染者はなぜ急増しているのだろうか?
26日に新たに判明した47人のうち、半数以上の24人が、現時点で感染経路が不明だという。経路不明の感染者が、感染者数増加の要因となっているのだろうか。

しかし、猪口医師が最も大きな要因だと語ったのは「海外からの帰国者」だ。

感染してから発症するまでの潜伏期間は、長くて2週間程度といわれている。つまり、今の感染者数の増加は、およそ2週間前の動向に深くかかわっている。
今から2週間前に一体何があったのか?


猪口医師:
世界がパンデミックで、日本人が観光旅行だとか駐留しているというか、そういう向こうに住んでいる方たちが戻ってきましたよね。そこが2週間前なんですよ。


この2週間で、ヨーロッパの国々ではオーバーシュートが起きており、2週間前1万2462人だったイタリアの感染者数は、8万589人に。スペインは、2140人が5万7786人。フランスは2281人が2万9566人に増加した
2週間前に現地から帰国した日本人は、それだけ感染リスクが高い場所に滞在していたことになる。

猪口医師は、現在、経路不明となっている感染者も、海外からの帰国者との接触により感染した可能性が高いと見ているという。

「自分だけは、と思わないで」…今後注意すべきこと

2週間後には3000人という、恐るべき感染拡大の試算。
グッディ!のスタジオでは、愛知医科大学病院感染症科の三鴨廣繁教授に解説してもらった。

 

安藤優子:
東京都だけで1週間に3000人、というのは本当にショッキングなんですが、三鴨先生、これは現実的にありうると思われますか。

三鴨廣繁氏:
倍々ゲームですから、うなずけると思います。1人が2人に移し、その2人が4人に移す。そこから8、16、32、64、128…それを考えれば、1週間で3000人は簡単に到達すると思います。ただし、何もしなければですよ。

安藤優子:
そうですよね。こういう風にならないためにも、この週末の自粛要請があるんですよね。ここがこらえ時かなという感じがします。この週末、東京都、山梨、埼玉、神奈川、千葉とお互いに往来を自粛、外出を自粛しようということになっていますが、この効果はいつ出てくるんでしょうか?

三鴨廣繁氏:
潜伏期が2週間くらい長いといわれてきましたが、中央値といって、一番多いのが大体6日なんですよ。だから、ちょうどこの週末の効果というのは、来週の金曜日土曜日くらいには一定の効果が出てきます。もちろん潜伏期が長いものもありますから、2週間後にならないと正確な数字は分かりませんが、来週の週末には今週の効果は数字になって表れてくると思います。

安藤優子:
そうすると、さっきの1週間で3000人というところに歯止めがかかるかかからないか、というところは出てくるはずだということですね。


三鴨廣繁氏:
そう思います。「私は大丈夫」という気持ちが若い人にはあると思うんですが、でも、考えてみてください。例えば1000人感染者がいたとします。20%は重症化するんです。200人、病院に入院できますか?もうすでに入院されている方もいますから、病院がパンクしてしまうかもしれない。そして6%の人が亡くなると言われているんです。そうすると、60人くらいの方は運が悪いと亡くなってしまう。そういうことも考えてみて、「自分だけは」と思わないでほしい。これが、私たち医療関係者からの一番のメッセージなんです。

安藤優子:
そうですね。インタビューで「自分が動くのは自己責任だから」っていう言葉もよく聞くんですが、人にうつしたらどう責任取るのか?というのを、ぜひ今の三鴨先生の言葉に添えたいなと思います。外出などいろんな自粛ですごく不便な思いをされると思うんですが、今やっておかないと、今度さらに数が多くなった場合に、もっと厳しい制限につながっていくわけじゃないですか。今自粛することが、結局は自分たちのためになるということに、他ならないと思うんですよ。

大村正樹フィールドキャスター:
今週末、小池都知事が都民に要請した“NO!!3密”。東京都だけではなく全国的に言えることだと思いますので、みなさん十分に注意なさってください。

 

<小池都知事が都民に要請した“NO!!3密”>
(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人の密集する場所
(3)近距離での密接した会話


小池都知事は「都民の皆さまのご協力が何よりも重要でございます。お一人お一人危機意識を持って行動していただけますように改めてお願いを申し上げます」と話している。

(「直撃LIVE グッディ!」3月27日放送分より)