体長5mmの「キイロテントウ」とは?

とっても小さな昆虫の写真が、FNNビデオPostに届いた。

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指の腹に乗った“黄色の物体”の正体は…テントウムシ!
「キイロテントウ」という種類で、大きさは5mmほどの大きさしかないそう。

兵庫・神戸市在住の撮影者は、「ベランダの手すりをふいている時に、どこからか飛んできました。最初は『ゴミかな?』と思いましたが、よく見ると、テントウムシで驚きました。調べてみると、菌を食べるそうですね」と、話した。

菌を食べるテントウムシ?
どんな虫なのだろうか…大日本図書のデジタルコンテンツ「おおきくなあれ」で、昆虫の写真・解説を担当した、元教師の八木澤薫さんにお話を聞いた。

葉は食べず、表面の菌だけ食べる

ーー「キイロテントウ」って、どんな昆虫?

よく知られているナナホシテントウと比べると、面積は4分の1ほどしかない、小さなテントウムシです。
しかし、卵の大きさはそれほど変わらず…体が小さいので、たくさんの卵を産むことは困難なようです。
ナナホシテントウが1回に20~30個に対して、キイロテントウは数個だけしか産まないこともあります。

キイロテントウの卵  (写真提供:八木澤薫さん)
キイロテントウの卵 (写真提供:八木澤薫さん)

ーー菌を食べるというのは本当?

ナナホシテントウはアブラムシを食べますが、キイロテントウは「うどん粉病の菌」を食べます。
うどん粉病の菌とは、葉っぱの表面に白いカビが生える病気で、野菜や果物などの植物に発生します。
キイロテントウは、その菌が繁殖する葉に集まり、表面を削り取るような行為をしますが、葉自体には穴は開けず、菌だけ器用に食べます。


ーー農家の人には、ありがたい虫ですね!

観察で知り得た情報しかわかりませんが…キイロテントウは、人の役に立つ「益虫」と言えますが、うどん粉病を解決するまでの力を持っていないかもしれません。
農家さんにとっては、見かけると、「どこかで、うどん粉病が出ているかも!」と、気をつけるサインになる虫かもしれませんね。

うどん粉病を発症した葉とキイロテントウ   (写真提供:八木澤薫さん)
うどん粉病を発症した葉とキイロテントウ (写真提供:八木澤薫さん)

北海道以外の広い地域に分布してるキイロテントウ。
体は小さいけれど、光沢のある鮮やかな黄色い体は、草むらでよく目立つそう。
ぜひ春になったら、探してみてはいかがだろうか。

(執筆:清水智佳子)

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