農薬や化学肥料を抑えて栽培

皮まで食べられるレモン」として、広島レモンの中でも最高峰ブランドに認定されているレモンが、瀬戸内海に浮かぶ島で収穫の最盛期を迎えている。

広島・尾道市瀬戸田町のレモン農家・原田悟さん(66)の畑では、広島レモンの中でも、農薬などを半分に減らして栽培された「せとだエコレモン」が、1つずつ丁寧に摘み取られている。

降水量が少なく、柑橘類の栽培に適している温暖な気候の瀬戸田町では、古くからレモンを栽培してきた。
しかし、1964年のレモンの輸入自由化で壊滅的な打撃を受けた。

一方で、輸入レモンの農薬問題も指摘されるようになった。
そこでJA三原では2003年ごろから、農薬や化学肥料を抑えたレモンを「せとだエコレモン」としてブランド化。
2008年には、広島県から特別栽培農産物の認定を受け、現在は原田さんなど約200人の農家が栽培に取り組んでいる。

2018年の西日本豪雨では、この瀬戸田町も畑などが被害を受けた。
寒波とも重なって、2018年シーズンのレモンの出荷は、811トンで、前年の3~4割減となった。
しかし、2019年シーズンは気候にも恵まれ、昨シーズンよりも5割多い1,217トンの出荷を見込んでいる。

レモン農家・原田悟さん:
レモンの実は、ここにきてかなり大きくなりまして、良いものができました。輪切りにしてレモン鍋や、くし切りにして、から揚げなどに添えて貰ったら良いと思います

断面がかわいい「ハートレモン」

畑で、プラスチックの型枠をつけて育てているのは、スライスすると切り口がハート型になる「ハートレモン」だ。

20年ほど前から型枠の形などを試行錯誤して作り、現在は年間3万個が栽培されているが、生産が追い付かないほどの人気だという。
飲食店などへ販売されるほか、ハートレモンを乾燥させて浮かべる紅茶のセットも商品化されている。

原田さんの娘・瑞穂さんの結婚式でも、ハートレモンが登場!
原田さんが丹精込めて育てた自慢のハートレモンがウエディングケーキを彩り、幸せムード満点の結婚式となった。
瑞穂さんは、仕事に誇りを持ってレモンを育てる父の背中をずっと見てきて、家族が囲む食卓にもレモンが並んでいた。

町自慢のレモンは次の世代へ

さらにもう1つ、原田さんにとって嬉しいことがあった。
2019年4月、新たに息子の充明さん(36)が就農した。
働いていた東広島市から瀬戸田町へと帰ってきて、原田さんと一緒にレモンの栽培をしている。

充明さんは、東広島市にある県の農業技術センターで柑橘の研究をしていたということで、慣れた手つきでレモンを収穫していく。
原田さんにとって、頼もしい跡継ぎだ。

時代に合わせて試行錯誤しながら繋いできた、町の自慢のレモンが、次の世代へと受け継がれる。

(テレビ新広島)