プラスティック製レジ袋の配布取りやめ
タイでは1月1日から大手スーパーやコンビニエンスストアなどでプラスチック製レジ袋の配布が取りやめとなった。プラスチックゴミによる海洋汚染が問題となる中、環境保護の一環としてタイ政府が各社に呼びかけ、国内の大手スーパーなど95社が応じたためだ。
記者がさっそく日用品を買いにバンコク市内の大手スーパーを訪れると、入り口にはレジ袋配布取りやめを伝える大きな看板が目立つように掲げられていた。レジコーナーを覗いてみると、袋は一切配布されていない。買い物客は皆、持参したバッグに自分で商品を詰めている。買い物のため店内を歩いていると、ある商品の特設コーナーができているのを見つけた。
巨大なビニール製ゴミ袋コーナーが登場
レジ袋配布取りやめと同時にできたのが、プラスチック製ゴミ袋の特設売り場である。さらに店の入口付近にもゴミ袋売り場が設置されていてニーズが高いようである。それもそのはず、多くの客はこれまで店でもらったレジ袋をゴミ袋として再活用しているためで、レジ袋がなくなるとゴミが捨てられないからだ。このゴミ袋を多くの客が購入していた。
記者もレジ袋をゴミ袋として再利用していたので、配布取りやめに伴い、新たにゴミ袋を購入した。これではレジ袋を廃止してもプラスチック削減にはつながらないのではないか、という疑問を抱かざるを得ない。
環境保護に向けた取り組みは難しい。
SNS上ではオモシロ「エコバッグ」が話題
1月1日のレジ袋配布取りやめに伴い、タイのSNS上ではユニークなエコバッグの写真が次々と登場した。買い物用エコバッグではなく、干し野菜を作るためのネットやバケツ、肥料用のビニール袋などを持参した買い物客の写真などが次々とアップロードされ、SNS上ではその奇抜さが話題となっている。
中にはスクーターでスーパー店内のレジまで侵入し、シート下スペースに商品を詰め込む人も登場。これにはやりすぎとの声が上がっている。
こうした動きを見ると、「万引」をどう見分けるのかといった問題も今後起きそうだ。
鳴り物入りで始まった環境対策は、タイ市民に浸透するのか。
今後の動きが注目される。