フライト直前 規定値9倍のアルコールを検出

日本航空の副操縦士(42)が、乗務直前に規定を大幅に超えるアルコールを飲み、イギリスの警察に逮捕された事件。
副操縦士から検出されたアルコールは、実に規定値の9倍以上だったという。

10月28日、ロンドン発羽田行きの便に乗務予定だった副操縦士。
一度は日本航空が行った検査をクリアしたものの、航空機へ送迎するバスの運転手がアルコールのにおいに気付いたため、保安担当者にその旨を伝え、警察に通報。その後、警察が改めて検査したところ、アルコールが検出されたのだという。

イギリスは、1リットルあたり200mgのアルコール血中濃度を規定値としているが、この副操縦士から検出されたアルコールは1890mg。規定値の9倍以上という、驚愕の数値だったのだ。

「酒のトラブルはなかった」が…前日には大量の飲酒

逮捕された副操縦士の父親は取材に対し「会社にも一般市民にも不安を与えたみたいだから…申し訳ない気持ちがある。親はそういうものですよ」とコメント。普段から酒を大量に飲んでいるというわけではなく、酔ってトラブルを起こすこともなかったと語る。

しかし一方で、副操縦士はフライト前日に"大量の酒"を飲んでいたことがわかっている。

逮捕された副操縦士は、現地時間10月27日の午後6時から、乗務20時間前となる午前0時ごろまで飲酒。その間、赤ワイン1本強・ロゼのワイン1本・缶ビール(440ml)2本・小瓶のビール(330ml)3本を飲んでいたのだ。

アルコール健康医学協会によると、個人差はあるものの、アルコール度数14度の一般的なワインを体重60kgの男性が飲むことを想定した場合、ボトルの半分飲んだだけでもアルコールが抜け切るまでには6~7時間、まるごと1本分なら12~13時間はかかるのだという

なぜ検査をくぐり抜けられた?

では一体なぜ、これほど大量のアルコールを飲んでいながら、バスの運転手が「酒のにおい」に気付く前の段階、日本航空の検査ではアルコールが検知されなかったのだろうか?

元日本航空パイロット・山田不二昭氏は、検査方法について「3人並んで自分でチェックして、本来は大体そういうふうにやる。後で『問題ありません』って自己申告すれば、機長が飛行計画書にサインするという時もありますね」と語っている。

こうした自主チェック体制が敷かれている状況に、石井国交大臣は「今後、諸外国の飲酒に関する基準等をふまえて、飲酒に関する基準の強化を図るとともに、厳格に指導監督を行うことにより、運航の安全に万全を期してまいります」とコメント。

日本航空は、社内規則の見直しを行うまで滞在地での飲酒を禁止するなどの措置をとっており、逮捕された副操縦士はロンドンの裁判所に出廷し罪を認めていて、判決が言い渡される11月29日まで勾留されるという。


相次ぐ、空の不祥事。

乗客の命を守るためにも、改めてルールの徹底、安全への意識を高めてほしい。

(「プライムニュース イブニング」11月2日放送分より)