世界と戦う若きアスリートには、家族のサポートが欠かせない。

11月4日に放送された『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系列)には、家族で競技に挑むスポーツ一家が大集合。世界で活躍する若き女子アスリートと家族の関係に迫った。

「どっか痛い」と嘘で日本代表辞退

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サッカー元日本代表の久保竜彦さん。
日本人離れした圧倒的身体能力でどんな体勢からも繰り出す豪快なボレーと、その左足から放たれる強烈シュートでゴールを量産した男だ。当時、『日本代表史上最強のストライカー』と言われ、サッカーの神様ジーコも惚れ込んだ。

そんな彼の身体能力を受け継いでいるのが久保家の次女で、14歳の久保杏夏(きょうか)選手。3歳でテニスを始め、小学校6年の時に全国大会で優勝。現在は世界を舞台に好成績を残す注目の若手テニスプレーヤーだ。
若き日の錦織圭選手を育てた、米沢徹コーチが杏夏選手を指導していて「彼女の良いところは怖いもの知らず。攻めすぎるくらいに攻める。錦織も杏夏も、練習より本番のほうが優れたプレーを出す。チャンピオンの特性ですよね。世界のトップまで行く能力があることは確かです」と太鼓判を押す。

テニスを始めた理由について「お姉ちゃんが最初にやってて、気が付いたらやっていたので、よくわからないです」と話す杏夏選手は、父親の現役時代を知っているか聞かれると「全然知らないです。一回小さい頃に見た試合で、PKを外したことは覚えています」と、父としては悲しい一言。

そして話は久保さんが現役時代に、なんと嘘をついて日本代表を辞退したという話に。
「ワールドカップじゃないんですけど、日本代表にはあんまり行きたくなかったんですよね。色々言い訳はあったんですけど、その当時はトルシエ監督で、監督が大嫌いだったので」
辞退した理由を、当時の日本代表トルシエ監督が嫌いだったからと明かした久保さん。さらに「どっか痛い」との言い訳をしていたという驚きの事実を告白した。

まだまだ出てくる久保伝説

規格外のプレーで強烈なインパクトを残した久保さんには、プレー以外でも強くファンの印象に残っていることがある。それは、試合後の全くやる気のないインタビューだ。

自らの決勝点で試合を決め、選手として最も高揚感がある時のインタビューで、試合での出来について聞かれると「しんどかったです…」と絞り出す。「というのは?」と聞かれると「きつかった」と、インタビュワー泣かせの二言のみ。それを見た浜田さんは爆笑だ。
続いて、ハットトリックを決めFWとして最高の結果を出した時には、「ハットトリックはこれまでなかったんじゃないですか?」と聞かれ、「あー、わかんないっす」と驚きの答え。
更には2試合連続ゴールを決め、試合中は満面の笑顔を見せていたのにもかかわらず、インタビューになると、苦虫を潰したような顔をして無言で頷くばかりだった久保さん。

久保さんは、『クラブから改善のためにインタビュー講座を受けさせられた』という噂に対して、「インタビューじゃなくて話し方教室でした。喋れなかったんですよ。18歳で田舎から出てきて、カメラに囲まれるじゃないですか…。ずっと喋れなかったんですね」と明かし、当時の映像を今見てどう思うか聞かれると「う〜ん………」とまた何も答えられず、スタジオが沸いていた。

さらに、かつてサンフレッチェ広島で同僚だった日本代表の槙野智章選手が久保さんの規格外伝説を暴露。

「練習前に鏡の前でひたすらジャンプをしていて、どれくらいジャンプしてるのかずっと数えたことがあって。練習30分前くらいから小刻みにずっとジャンプしていたんですけど、1500回までは数えられたんですけど…」
「外から色々な形をした石を拾い集めて並べて、その上を裸足で踏んでそれに耐えるということをやっていました」
「これも久保伝説の1つですけど、『山に籠もって鹿を倒す』。山に籠もって生活をしていたらしいんですけど、そこで出くわした鹿を、お腹が減ったということで、素手でねじ伏せて倒して、それを食事にしたという話も伺っています」

そんな久保さんの様子から、同僚からの呼ばれ方が「タツさん」から「仙人」に変わったという。そして現在は、山口県で日々船で離島に渡り、塩を作っている久保さん。
全てのVTRを見た杏夏選手は感想を聞かれると、「いや…なんか変だなって(笑)」と漏らしていた。

スポーツ一家の食事事情

塩作りについては「一回見せてもらったら、なんか凄い楽しそうだったので、ちょっとやりたいなと思って」と答えた久保さん。「“食”へのこだわりがあるんですかね?」と聞かれると「“しょく”ってなんっすか?」と相変わらずの答え。しかし子供の食事には気を使っているようで、杏夏選手は「お父ちゃんは、揚げ物とか脂っこいものとかは食べちゃいけないと言うので、世界一を目指し始めてからは食べないようにしています」と告白。

そこでMC浜田雅功さんが「久保さんは揚げ物とか食べなかったんですか?」と聞くと「いや、食べていましたね」と驚きの答えで、「久保ちょっと前に出ろー!」と笑いながら怒られていた。

一方、高校1年でリオデジャネイロ五輪に女子200m個人メドレー代表として出場した今井月(るな)選手。小学校で才能は開花、中学1年のときには日本選手権に初出場し、五輪メダリストと互角に競い200m平泳ぎで3位入賞した。

8歳の時に母が他界してからは、兄と月選手の2人を父・博美さんが男手1つで育て上げてきたという今井一家。
調理師免許を持っている博美さんは、アスリートとしての体作りのため、練習後30分以内にご飯を作り上げ、栄養管理にも気を使っている。しかし月選手は「野菜が大嫌いなのに、最初に野菜を食べないと他のご飯が食べられないんです」と不満を漏らす。
その野菜もお皿に盛る時に上から押さえつけ、更に野菜を盛り押さえつけ、大量の野菜を日々摂取させられているそうだ。嫌そうに話した月選手に、MC浜田さんは「食べろよ!作ってくれてるんだから!」と博美さんの味方だった。

女子アスリートの親だからこその結婚観

同じ様に練習後30分以内にご飯を食べさせることを心がけ、「夜のお弁当を作って、帰りの車の中で食べています」と話す金戸家。
長女・華選手、長男・快選手、次女・凛選手の飛び込みを指導するのは、父・恵太さんと母・幸さんだ。両親は共にソウル・バルセロナ・アトランタと3大会連続で五輪に出場していて、さらに祖父・俊介さん、祖母・久美子さんは共にローマ・東京と2大会連続で五輪に出場している飛び込み一家だ。

スタジオに出演した凛選手は、昨年行われた大会で、リオオリンピックの日本代表選手を破り13歳で史上最年少優勝を果たした、金戸家期待のホープ。金戸家が最初に出場したローマ五輪から60年の節目となる東京五輪で、両親がなし得なかったメダル獲得を目指し、日々練習に励んでいる。

そんな金戸家、両親も祖父母も五輪初出場後に交際を始め、最後の出場後に結婚していて、母・幸さんは「祖父母とも一緒なんですが、狭い世界で遠征も合宿もずっと一緒なのでいつの間にか…」と明かす。
凛選手もこの流れで行くと東京五輪で出会った人と結婚するのか聞かれると、「飛び込みは、している人しかルールがわからないことがあるので、理解してもらいたいんだったら飛び込み選手が…」と、選手同士の結婚にまんざらでもなさそうに話していた。

スタジオで、娘の結婚相手の話で盛り上がると、今井月選手の父・博美さんは「プロスポーツの世界とか良いですよね」と笑顔で語る。
月選手が「ずっと小さい頃からプロ野球選手と結婚しろとか言ってきて…」と漏らすと、博美さんはお金のジェスチャーを手で示し笑わせていた。

さらにクレー射撃の折原梨花選手の父・研二選手も、娘の結婚について聞かれると「やっぱりプロ野球選手…」と同じ様にお金のジェスチャーをしてスタジオを沸かせた。

そんな冗談で返した折原研二選手は、全日本選手権で7連覇したクレー射撃界のレジェンドで、娘と共にクレー射撃競技の日本代表だ。梨花選手もしっかりと父の血を受け継いでいて、18歳で競技を始めると2年で国際ジュニアグランプリで日本人初優勝を果たした。
そんな折原一家は親子でもあり、師弟でもあり、ライバルでもある。東京五輪で日本人初の親子同時出場を目指し、日々一緒に自宅の射撃場での練習に励んでいる。

一方、8月のOA(洗濯地獄にタンパク質天国!アスリート家族の驚きの生活)にも登場した柔道一家の谷口家の父・隆志さんは「恋愛禁止です」と厳しい一言。
しかし「もし娘が好きな人が出来たとか言って連れてきたら、僕も一回家内と距離を置いて、彼とお風呂も入るし一緒に寝るし、3ヶ月位僕がその子とお付き合いさせてもらって、僕と彼が愛し合えたらいいかな」と独特の考えを明かした。するとMC浜田さんは「めんどくさいおやじやで!娘さんからしたら」とツッコミ。

最後に久保さんに娘の結婚相手について聞くと、「俺はもうどうでも良いですね」と驚きの答えが…。ちなみに杏夏選手のタイプは長渕剛さん。それについても聞くと「でも歌がうまいし、聞いてみたいですね」ととんちんかんな答えでスタジオが爆笑に包まれていた。

家族で競技に挑むスポーツ一家の絆があるからこそ、若きアスリートは世界で戦える。
彼らが東京五輪で輝く姿が楽しみだ。

『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~7:57放送