独房で音を出してはダメ…生出演で“拘束生活”語る

シリアで武装勢力に拘束されたジャーナリストの安田純平さんが、フジテレビ「プライムニュース イブニング」に生出演し、約3年4カ月に及ぶ拘束生活の実態について語った。

倉田大誠キャスター:
本日は安田さんにいくつかの疑問について伺っていこうと思います。
まずは、1つ目なんですが、拷問はどれだけ地獄だったのか。
一番きつかった、苦しかったのは?

安田純平さん:
やっぱり24時間、音を立ててはいけないというのは、ほぼ不可能ですよね、これは。
寝ている間もだめなので。これはもう不可能だったので…。

倉田キャスター
今回、実際に安田さんが入れられていた独房をイメージしやすいように、実寸大の模型を用意しました。
この独房の横の幅がおよそ1mです。奥行きが2mというもので、安田さん、ここに1日何時間くらい入っていた?

安田純平さん:
1日中ですね。
時々、屋上に上がって日に当たることが許されるときがあって。
数か月に1回くらいなんですけど。それ以外はなかなか出ることはないですね。

倉田キャスター
夏場などは、かなり暑い?

安田純平さん:
扇風機が上にあってずっと回っていて。これを止められるとかなり暑かったですね。

反町理キャスター:
拷問というのは普通、口を割らせるためにするじゃないですか。
安田さんを拷問して情報を取りたいだとか、何か目的はあったんですか?

安田純平さん:
拷問と呼ぶのは私はこれを拷問とは言ってないんですけど…。
彼らは私がスパイ行為をしていると、言っているんですね。
彼らが私のいる部屋の周りで、何か作業をしているとか話をしているとかいう直後に音を立てると、それは盗み聞きをして身動きしたんだと。
(通信手段は)ないです。だからほとんど、意味ないんですけど。言いがかり。
単なるいやがらせですよね。

反町キャスター:

ほかの収容されている人質が、別の物理的に激しい拷問とか暴力を受けている可能性はありますか?

安田純平さん:
アサド政権の兵士と思われる兵士がいました。
彼らはかなり激しく殴られる音がして、大きな叫び声を上げる。こういうもので引っかかると連れてきてここで拷問するとか、わざと見せしめを。

島田彩夏キャスター:
安田さんご自身が暴力をされるということも?

安田純平さん:
殴る蹴るということはされていないんですけど。

「日本側から“対価”渡ることを望んでない」

倉田キャスター
解放のされ方に不満があったのではないかということなんですが…。

安田純平さん:
まず、日本側から彼らに対して何かしらの対価が渡るということは、望んでいませんので、今回、引き渡しをされたということで、何か対価が渡ったか渡っていないか分かりませんけども、身柄を引き渡すという形の解放だと、そう見えますよね。
事実関係は分かりませんけど。
そういった形で、とにかく何か対価が渡ったという事実があったとしても、それは望まない形で、対価が渡ることを望んでませんし、そうじゃないのに引き渡されたとなると、そのように見えてしまうということで、やはり、そういう形でないほうがよかったなと思っていまして。

更に、機材も全部奪われたんですね。
機材があれば自らまた入り直してでも、彼らの正体を暴くか、もしくは、つながるものを見つけて帰りたいと思っていたので、それができない形での解放だったので、不満があるとすれば、彼らに対する不満です。
日本政府については、可能な範囲での情報収集なり、対策をとっていただいたと思っていますので、その点について全く不満はありませんし、外務省に対しても申し訳ないということと、感謝しているということは直接、伝えています。

島田キャスター
今日の会見の中で、「拘束中に日本側から金を払う用意があると聞いた」と。こういうことは、安田さんご自身にとっては、されたくないというような思いで、おっしゃったんでしょうか?

安田純平さん:
あくまで彼らが言ったこと。「イスラム国」に拘束された後藤さん、湯川さん。
彼らに対しては、身代金は払ってないわけですね。
身代金は絶対に払わないという立場をとっているわけで、金を払う用意があるという表現は払うと思わせて、時間稼ぎをする。
「イスラム国」については後藤さんが、拘束されたのが11月の頭ですね。
それから11月の下旬か、12月の頭辺りで家族側に脅迫があったわけですね。
それに対して日本側は基本的に無視をした。1月の終わりにはもう脅迫ビデオが出てどうにもならない状況になってしまったわけで。

完全に無視してしまうと、すぐに殺害されてしまうかもしれない。
だから、これが本当に日本政府だったとしたら、刺激はせず、でも払うとも言わず、時間を稼ぐということをやったんじゃないかと私は現地では思っていたので、可能な範囲でやれることをやってもらっているんだなという認識をしていました。

“自己責任論”に対して「そのとおりだと思う」

倉田キャスター
安田さんの解放が報じられますと、「自己責任論」という言葉がSNSなどで浮上したんですね。
改めて、この言葉、どう受け止めていらっしゃいますか。

安田純平さん:
そのとおりだと思います。自分自身の行動によって日本政府が当事者になってますし、大変な迷惑をおかけすることになっています。
そうならないために技術論ですよね。
どう対策をとるかということは検証しなければいけない。


一方で、日本が直接関わる紛争、イラク戦争だけでなく、世界中のいろんなところで、紛争なりが起きているわけですが、そういうところの影響はめぐりめぐって日本にも影響はしてくるわけですし。
日本政府として何かしらの支援をしていたりするわけですから。
そういった現場で本当に起きていることは、どういうことなのかという情報が必要になるわけですね。
私自身がやるだけの技術があるかとは別に一般論として、そういうものが必要ですので。

「現時点で(また現場に)行くという選択肢は考えてない」

倉田キャスター
またシリアに行く、内戦が起きている、そういった地域に行くのか、それとも行かないのか。

安田純平さん:
現時点では全く白紙です。分からないです。将来どう考えるかは。
非常に間違いのない安全対策というものが取れるなら、行くかもしれませんけど、そんなものは存在しないので。
100%の安全というのはありませんから。
そういう部分もありますし、家族のこともありますし。
現時点では行くという選択肢は今現在、考えていないです。


(「プライムニュースイブニング」11月2日放送より)