東京・池袋の暴走事故などをきっかけに、北海道内でも免許の自主返納、いわゆる「卒免」をする高齢ドライバーが増えている。一方で、車に頼らざるを得ない人も。
高齢社会で、車との付き合い方はどうしたらいいのだろうか。

2021年で3回の交通事故…93歳男性ドライバー

警察官:
若い時よりも、もっと注意しないといけない

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男性(93):
慎重にならなければいけないことは、今は覚悟してます

札幌市東区の北海道警東署の一室で、警察官と向き合う93歳の男性だ。

2021年だけで3回、交通事故を起こしてしまった。

警察官:
どうしたら事故防げたと思う?

男性(93):
やっぱり私の不注意だった。メガネを外していて、左から来た車の距離を誤算した

"死亡事故"の3割超に増加 高齢ドライバー割合

相次ぐ高齢者による事故。北海道内では、交通事故による死者数は減少しているが、高齢ドライバーがからんだ事故の死者数は増加傾向で、全体の3割を超えている。

警察官は安全運転の徹底を求めたうえで、免許の返納について男性の意見を聞いた。

警察官:
免許が切れる前に返納はどう思う?

男性(93):
それは考えている。ただ、"終活"の整理が完全に出来ていないから、それができたら自主返納します

"終活"を終えるまで、運転を続けたいという男性。
しかし、家族は反対している。

男性の娘:
私はすぐにでも返納してほしい。免許いりません

北海道内では、ここ数年で運転免許の自主返納が大幅に増加している。2019年、東京・池袋で当時88歳だった飯塚幸三元被告の運転する車が暴走した事故も影響しているとみられる。

「免許は手放せない」と語る"高齢ドライバー"も

一方、免許は手放せないと考える人もいる。遠藤 彰さん(80)。

遠藤 彰さん(80):
でも、例えば誰かの車に乗っていて、(運転者が)おなか痛くなったとき、免許持っていないと運転できない。そういうときもあるのではないかなって

視力などは若い時に比べて衰えたと感じている。ただ、買い物や趣味などでも車は必要だと感じる。

遠藤 彰さん(80):
車やめろと言われて、やめたら何が残る? 

これまで以上に注意しながら、あと3年ほど運転を続けたいと言う。

高齢の親を持つ人たちは。

親を心配する子どもの声も…

80代の父親を持つ男性:
(父親は)プライドが高いから、『まだできる、まだできる』と言っている

70代の父親を持つ男性:
(車は)地方だと"足"になってしまっている。(年齢で)自動的に運転できなくなる仕掛けの方が、多分求められるのかなと思います

高齢者の"免許更新制度"厳格化求める声も

北海道交通事故被害者の会の前田代表は、高齢者の免許更新制度の厳格化を求めている。

北海道交通事故被害者の会・前田敏章さん:
免許更新期間を1年に短縮する必要がある。70歳で免許資格は基本はないんですよと。健康状態に問題がなかったり、仕事で必要な場合には再取得するような規制が必要ではないか

北海道警は、不安な時は家族や警察に相談してほしいと呼びかける。

北海道警察本部交通部・木下清人管理官:
自分の運転に少しでも自信がなくなった時、返納も検討してもらいたい。不安を感じたら家族含めて警察に相談していただきたい

運転免許を"自返返納"する手続きは…

1.免許証を持参し、免許試験場・各警察署へ
2.「運転免許取消申込書」を記入(代理人申請も可)

すると「運転経歴証明書」の交付を有料で受けられる(任意)。同証明書は公的な身分証明書として利用可能だ。

一歩間違えれば大きな事故につながりかねない自動車の運転。超高齢社会に突入したいま、ドライバー本人の自主的な判断とは別に、返納したドライバーを支えられるような社会の仕組みづくりを考える時期に来ているのではないだろうか。

(北海道文化放送)