東北の奇祭! 伝統の小正月行事「やや祭り」

1月12日、山形・庄内町千河原地区の公民館に、幼稚園の年長から中学1年までの地区の男の子が集まっていた。
伝統の小正月行事「やや祭り」に参加するため。
「やや祭り」は、腰みのを付けた上半身裸の男の子が真冬に冷たい水を浴び、安産や無病息災などを願うもので、「東北の奇祭」とも言われている。

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2020年、参加するのは8人。
最年少は、町内の幼稚園に通う佐藤志軌(しき)くん(6)。

志軌くん:
早く水をかぶりたい!

今回が初めての参加で、早くもやる気は満々。
そんな志軌くんの隣で「ケンダイ」と呼ばれる腰みのを付けていたのは、小学2年生のはとこ・渡會虎徹くん。

虎徹くんは2019年も祭りに参加していて、その水を被る姿に志軌くんは憧れ、「自分も出たい」と言い出した。

志軌くんの父・克則さん:
まだ小さいのに、自分から「やる」と言ってくれて誇らしい。(祭りを通し)何事にもチャレンジしていくように育ってほしい

着替えが終わると、虎徹くんは志軌くんに、祭りに参加する際の心構えを「楽しくやるといいよ」とアドバイス。

アマチュアカメラマンも多く集まり、いよいよ、2020年のやや祭りが始まった。
屋外に設けられた舞台は「みそぎ台」と呼ばれ、男の子たちは、両側の大人から冷たい水をかけられていく。

いつもなら雪が降る中で行われる厳冬の風物詩だが、半世紀以上祭りを見てきた地元の人も初めてと話すほど、2020年は全く雪がない。
とはいえ、水の冷たさは、男の子たちの表情から一目瞭然。
今回が3回目という虎徹くんも、冷たさに必死に耐えていた。

そして、いよいよ志軌くんの番。
少し緊張しているようにも見えたが、両手を掲げて冷たい水を浴びる。
体を震わせながらも、見事に2回、これを繰り返した。

このあと志軌くんたちは、神社までの約400mをそのままの格好で歩いた。
大人たちは、男の子たちの頑張りを、もちろん知っている。

志軌くん:
寒かった…

近所の女性:
がんばれ、がんばれ

近所の人の応援に誇らしさを感じながら、男の子たちは神社に到着。
志軌くんの初めてのやや祭りも、これで終わり。

志軌くん:
楽しかった。水かぶるところ

虎徹くん:
初めてなのにちゃんとできていて、すごかった

志軌くんの父・克則さん:
本当にかっこ良かった。誇らしい。我慢強く、たくましく育ってほしい

家へと帰った志軌くんが虎徹くんと向かったのは、お風呂場。
冷えた体が温まり、ほっとした志軌くん。
4月からの小学校でも、心も体も丈夫に過ごしていけそう。

志軌くん:
大人になりました!

(さくらんぼテレビ)

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