コンビーフフリークに激震!?

みなさんは「コンビーフ」を食べたことがあるだろうか。

塩漬けにした牛肉のことで、料理に加えるだけでアクセントになり、おつまみとしても食べられる便利な食品だ。国内では中でも、ほぐし肉を缶詰にした「ノザキのコンビーフ」が愛されてきた。

このペリペリとした感覚が好きな人もいるはず

「ノザキのコンビーフ」といえば味もさることながら、その開け方が特徴的。
缶詰に付属した細い棒(正式名称:巻き取り鍵)を缶の表面に差し込み、缶の表面をペリペリと剥がしていくというもの。缶にぎっしりとつまった肉が見えるだけでテンションが上がったものだ。

この「ノザキのコンビーフ」について1月15日、驚くべき発表が。

公式Twitterアカウントが、この形状の缶詰を販売終了すると投稿したのだ。



アカウントでは、「この春、台形の枕缶に入ったコンビーフの販売を終了いたします。枕缶での販売開始から70年、製缶等製造ラインが限界に来ており、このような決断となりました。長年のご愛顧、誠にありがとうございました。あと少しの間枕缶をどうぞよろしくお願いします」と紹介。

合わせて、70年ぶりにパッケージをリニューアルした新商品を、3月16日に発売するとしている。

3月16日に発売される新パッケージ

この投稿に、Twitterユーザーからはさまざまな反応が。思い出や感謝をつづる人もいれば、「あの特殊な開け方の缶がコンビーフの醍醐味だったのに」などと、落胆する声も目立った。

しかしなぜ、枕缶での販売を終了することになったのだろう。新パッケージでは何が変わるのだろうか。

「ノザキのコンビーフ」の販売元である、「川商フーズ」の担当者に理由を聞いた。

製缶ラインの設備老朽化が原因

――枕缶での製造をやめてしまうというのは本当?

本当です。約70年にわたり枕缶での販売を続けてきましたが、缶を製造する製缶ラインの機能が限界を迎えたこともあり、パッケージリニューアルさせていただくことになりました。


――もう少し詳しく教えて

さまざまな要因がありますが、一番は製缶ラインの設備老朽化です。当社の枕缶は、熱したスズを金属の結合部に流し込む特殊製法で作られてきました。また、缶の内容量は100グラムで、これは世界的に見ても珍しいサイズです。そのため、設備更新に多額の費用がかかる現状がありました。このこともあり、新包装でのリニューアルという判断となりました。

私の知る限りでは、当社の枕缶がなくなると世界から100グラム缶が消えることになりますね。

枕缶と巻き取り鍵の秘密

――そもそも、なぜ枕缶や巻き取り鍵が採用されてきた?

保存に適していたためです。枕缶の形は台形になっていますが、底辺の面積が小さいほうを下にして肉を詰めると機密性が高くなり、保存状態を長く保てる長所がありました。そこで、1950年から枕缶で販売することになり、その開封に適した方法として、巻き取り鍵も採用されました。

新パッケージでの変化とは?

――パッケージはどのようにリニューアルされる? メリットは?

新パッケージには、昭和電工の「アルミック缶」という容器を採用しています。これはアルミ箔と樹脂フィルムを貼り合わせたもので、食品の劣化を防ぐ、優れたバリア性を備えています。ふた部分には開けやすいシールふたを使い、その上からさらにプラスチックふたも採用しています。

メリットは賞味期限が伸びました。常温保存した場合、従来の枕缶だと製造日から3年でしたが、新パッケージですと製造日から3年6カ月まで召し上がれます。非常用の食品としても役立つと思います。

――製品で変わったところはある?

基本的な原材料や品質は、従来と変わりありません。ただ、内容量は100グラムから80グラムとなり、価格はその分、従来の410円(税抜)から395円(同)となりました。グラム単価は上がりましたが、原材料や加工賃・物流費が大幅に上昇しているところで、このような価格設定となりました。


――内容量を減らした理由は?

マーケティング調査の結果、購入者から「量が多い」「一人で食べるには少し多い」などの意見をいただきました。そこで食べきり、使い切りサイズにしようと80グラムを採用しました。

アルミック缶が採用される4製品

――新パッケージとなるのは、「ノザキのコンビーフ」だけ?

枕缶で製造されていた5製品、「ノザキのコンビーフ」「熟成コンビーフ」「山形県産コンビーフ」「脂肪分50%カットコンビーフ」「ニューコンミート」がリニューアルされます。

アルミック缶のパッケージなるのは、「ノザキのコンビーフ」「脂肪分50%カットコンビーフ」「ニューコンミート」の3製品と新製品の「和風コンビーフしぐれ煮風」です。「熟成コンビーフ」「山形県産コンビーフ」については、アルミック缶ではなく、通常の丸缶での販売となります。

枕缶は在庫がなくなり次第販売終了へ

――枕缶の「ノザキのコンビーフ」はもう手に入らない?

枕缶での製造は2019年末ごろで終了しているので、なくなり次第販売終了となります。当社に在庫はありますが、リニューアルが話題となったこともあり、いつまで購入できるかは確約できません。直接販売はしていませんので、ご希望の方は小売店などでお求めいただければと思います。


――枕缶での販売終了を惜しむ反応もあるが、このことについて思うことはある?

皆さまには長年ご愛顧いただいたこと、誠に感謝申し上げます。私個人としては、枕缶や巻き取り鍵がなくなることに悲しみを覚えてもおりますが、新しいパッケージも開けやすく、使いやすくなっております。引き続き、当社の製品をご愛顧いただければと願います。


枕缶を開ける体験ができなくなるのは残念だが、新パッケージには賞味期限が伸びるなどのメリットもあるようだ。枕缶が店頭に並ぶ期間は残りわずかだが、気になる方は最後にぜひ買ってみてはいかがだろうか。

(画像:川商フーズ)