「JTBに後輩がいるから旅行代金を安くできる」

詐欺の疑いで逮捕された職業不詳の石川直之容疑者・39歳。2018年7月、都内の会社社長の男性から、宮古島への家族旅行の代金名目で、現金16万円をだまし取った疑いがもたれている。石川容疑者は、知人を介して、被害者の会社社長と知り合った。

この会社社長から「社員旅行に行きたい」などと相談を持ちかけられると、石川容疑者は「JTBに後輩がいて、自分を経由すれば旅行代金を安くできる」「自分が間に入らないと安くできない」などと伝えた。そして石川容疑者の後輩で「カノウ」という名前のJTB社員が登場する。

逮捕された石川直之容疑者(39)
この記事の画像(4枚)

石川容疑者 後輩社員「カノウ」になりすます

「カノウ」は、会社社長に対して、JTBのロゴが入った”契約書”や、宿泊ホテルやプランが書かれたメモなどをLINEで送っていた。しかしJTBには「カノウ」という社員はいなかった。そう石川容疑者が、会社社長をだますために”自作自演”していたのだ。

石川容疑者は、「カノウ」になりすますため、自分のものとは別のLINEアカウントを作り、会社社長とやり取りをしていた。また、具体的な交渉は電話で済ませ、直接会わないようにしていた。きっと声色を変えるなどの工作をしていたに違いない。

石川容疑者は、「カノウ」という名前の架空のJTB社員になりすましていた。

会社社長に言い訳 「カノウが金を持ち逃げした」

一方で、石川容疑者本人は、「カノウ」の代理として、会社社長と面会を繰り返していた。わざわざ会社まで出向き、旅行の相談をしたり、実際に家族旅行のホテルを予約するなどしていた。”石川容疑者本人”と”カノウ”の一人二役を演じて、会社社長を信用させていたのだ。

こうした手口で最終的には、会社社長から、合わせて6回およそ460万円をだまし取ったとみられている。当然のことだが、申し込んだはずの旅行計画は実現せず。会社社長が不信感を募らせて「支払った金を返してほしい」と申し出るも、石川容疑者は「カノウが金を持ち逃げした」などと返答、ごまかし続けたという。

西新井署は、石川容疑者が、詐取金を別の詐欺被害者に対する弁済に充てていたとみている。

だまし取った金で まさかの“自転車操業”

実は石川容疑者には、複数回、詐欺罪で立件された過去があった。警視庁西新井警察署は、口座の金の動きから、会社社長からだまし取った金を、別の”詐欺”被害者に対する弁済に充てていたとみている。詐欺の“自転車操業”ということだ。

調べに対して石川容疑者は「旅行は予約しようと思っていた」と容疑を否認した上で、「詳しくは弁護士が来てから話します」と供述。未だに反省の弁は口にしていないという。

(フジテレビ社会部・警視庁担当 石竹爽馬)