五輪の前の解散はない

東京五輪の話から始まった安倍首相の施政方針演説を聞いていたら、「五輪の前の解散はないな」と思った。

「喧嘩は相手が嫌がることをやれ」という鉄則が正しいなら、今回、立憲民主と国民民主は当面解散がないと思って無理に合流しなかったみたいなので、逆に安倍さんは相手が嫌がる解散を今すぐした方がいい、ということになる。

一方野党がバラバラな限り選挙に勝つのは難しいので、野党は無理しても合流したら安倍さんは嫌がったはずだ。

立憲民主党の枝野代表(左)と国民民主党の玉木代表(右)

「数合わせ」と「大義がない」ことへの批判

しかし野党は「数合わせ」批判を恐れて合流せず、安倍さんも「大義がない」批判を恐れて今はまだ解散しないようだ。

五輪が終われば衆議院の任期はあと一年。解散にはいい「頃合い」である。そしてこの場合の大義は「憲法改正の是非」くらいしか思いつかない。

施政方針で憲法改正について安倍さんは「憲法審査会の場で共にその責任を果たしていこうではありませんか」と随分控えめな表現だった。しかしこれは野党が審議に応じなければ「国民に信を問うべき時が来た!」と自分が豹変するための伏線ではないか。

施政方針演説をする安倍首相

ちなみにフジテレビの11月の世論調査では6割近くが「憲法改正の是非を争点に解散するのは問題ない」と答えている。

与党が勝てばその後1年間で憲法改正がスムーズに行われ、安倍さんは総裁任期満了で退陣。ただし負けたらその時点で退陣。

もしこのスケジュールだと野党はどうすべきか。やはり合流を急いだほうがいい。一番のネックと思われる原発にしても折り合えない話ではない。「数合わせ」批判はどう転んでもやってくる。むしろ相手の嫌がることをやるのが喧嘩に勝つ鉄則である。

もう一つ大事なのは、今回みたいにダラダラダラダラ何回も何時間も会うのはダメ。安倍さんがまたすぐ「解散するのしないの」と解散カードをちらつかせて介入してくる。やるなら秘密交渉で、党首会談はセレモニーという形にしなくちゃダメです。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

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