国会冒頭から“問題”議員続々、波乱の予感

天皇陛下をお迎えする国会初日の開会式。院内は和服姿の議員も多く、いつもとは違う「華やかで厳か」な雰囲気となる。しかし今年の通常国会初日、いつもと違ったのは、去年政治とカネをめぐる問題で辞任、その後“雲隠れ”していた議員の姿に注目が集まったことだ。菅原前経産相と河井前法相だ。

河井夫妻と菅原前経産相
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菅原氏は辞任以来およそ3ヶ月雲隠れしていて、野党幹部は「捜索願を出そうか」と皮肉っていた。その菅原氏や河井氏らが久々に国会に登場したことで院内は騒然、両者は謝罪したものの、自らの疑惑については「告発状」や「刑事告発」を理由に説明しなかった。

また22日には、国民民主党の玉木代表が、選択的夫婦別姓について質問した際、若い男性が交際中の女性から、「姓を変えないといけないから結婚できない」と言われたとのエピソードを紹介。これに対して「だったら(結婚)しなければいいやん」というヤジが出たとして国会内は騒然とした。

国民民主党の玉木代表

近くにいた自民党議員によると、このヤジを飛ばしたのは自民党の杉田水脈議員だというが、杉田氏は事実関係に関する記者からの質問には一切答えなかった。また、河井前法相と妻の案里参院議員をめぐっては、去年の参院選に際して、それぞれの政党支部に自民党本部から、わずか3カ月で合計1億5,000万円が振り込まれていた問題がクローズアップされた。国会は冒頭から「政治とカネ」や不規則発言で波乱含みとなっている。

自民党の杉田水脈議員

序盤の国会攻防は…見どころは来週の予算委の“直接”対決

通常国会の冒頭1週間といえば首相の施政方針演説とそれに対する各党の代表質問だ。

立憲民主党の枝野代表は、政策に関する質問に先だって、「桜を見る会」や政治とカネの問題などについて多くの時間を費やした。安倍首相は「真摯に反省」と繰り返しつつもこれまでの主張を繰り返すなど強気の答弁が目立った。代表質問では質問者や首相の表情も見どころだが、安倍首相の枝野代表への答弁はやや早口で、桜を見る会の問題に関する答弁をなるべく早く終えるとともに、問題の早期幕引きを図りたいのではという印象も受けた。

ただし代表質問は一問一答形式ではなく、質問も答弁も1回でまとめて行うため、一方的に「言いっぱなし」できるという面があり、追及は難しく議論が深まるのも難しい。桜を見る会や政治とカネをめぐる問題で野党側が安倍首相らをどこまで追及できるかは、27日からの予算委員会での質疑が舞台となる。

立憲民主党の枝野代表の代表質問

野党合流は“絵に描いた餅”に…事前の“根回し”は十分だったのか

その野党にとっては、立憲民主・国民民主両党の合流が国会開会前に実現するかが焦点となっていたが、21日の幹事長会談で合流は事実上の“破談”になった。合流が決裂すれば国民民主党内で「集団離党」や「クーデター」もあるのではないかという見方もあったが、今のところ、そうした動きも出ていない。

“破談”の原因は「政党名」「政策」など重要な項目で合意できなかったことが直接的と見られているが、背景としては国民民主党内で「次期衆院選に危機感を持つ推進派議員ら」と「当面選挙がない参院を中心とする反対派」の溝が事前に埋められていなかったことが大きいだろう。また、一部の支持組織の反発や、早期の解散総選挙はないとの見方が強まったことも破談の要因としてある。両党は、次の衆院選に向けて合流協議を再開させる可能性があるが、仮に再開しても結局「組織」や「選挙区事情」といった抜本的な問題は残ったままだ。

かつてあるベテラン政治家が「政治とは結果がすべてだ。まず落としどころを決めてから、そのために何をすればまとまるか事前に十分根回しをすることだ。詰め将棋だ」と話していたことを思い出した。となると、年内の解散総選挙の可能性をにらんで、この通常国会のうちに事前に丁寧かつ十分な根回しを行えるかが、今後の合流の成否を決定づけるように思える。

あま~い対応を? 与野党の“陣中見舞い”

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国会には不思議に思える文化や習慣がある。開会2日目の21日、自民党の森山国対委員長は野党側に干し柿「あんぽ柿」を差し入れした。野党側によるとこれは、「甘いもの」を贈ることで「国会でも甘い対応を」という意味合いがあるそうだ。一方の野党側は「そうはいかぬ」と辛いせんべいなどをお返しすることが多いという。

しかし今年、野党側が翌22日に自民党側にお返ししたのは桜餅だった。確かに「甘い」が、今年も桜を見る会で徹底追及するという皮肉だ。野党幹部は「ぜひ安倍首相にも食べて頂きたい」と話していた。いよいよ始まる予算委員会で、果たして国民が聞きたい実のある議論が展開されるかどうか、さらに注目の1週間が始まる。

(フジテレビ政治部・柴木友和)