お年寄りの機転 「だまされたフリ作戦」で逮捕 

特殊詐欺事件では『だまされたフリ作戦』がキッカケで逮捕される容疑者は少なくない。だまされるはずのお年寄りが、逆に、詐欺グループをだます側に回る。電話口で『詐欺だ』と気づき、その後、だまされたフリを続けて、警察に通報。受け子を自宅に誘い込んで、逮捕に貢献する。なかなかマネができない勇敢な行動だ。

(イット!9月16日放送より)
この記事の画像(4枚)

最近だと、例えば、80代の男性が、孫を名乗る男から「郵便局から連絡がなかった?」との電話を受けた。男性が、とっさに「ユウタか?」と実在しない孫の名前を呼び、相手が「そうだ」と答えたことで、詐欺電話を見抜いたケース。

また、不審な電話がかかってきたら、「夫の名前」を合い言葉にしようと決めていた女性は、見事、受け子逮捕に貢献した。さらに、だまされたフリをしていた夫が、不在の間にかかってきた電話に対して「今、お父さんは、お金をかき集めに行ってるよ」とウソをついて、機転を利かせた妻など。その例は幾多もあるだろう。ところが東京・杉並区には、もっとスゴイ女性がいた。

”詐欺電話”の3分後 すでに110番通報 「値下げ交渉」も

9月1日、杉並区に住む80代の女性が家事をしていたところに、男から電話がかかってきた。男は、息子の本名を名乗った上で「カバンを落として交番にいる」「カバンには財布も入っていて、大変だ」などと告げて電話を切ったという。

80代の女性は、詐欺電話のわずか3分後には110番通報をしていた。

この電話からわずか3分後、女性は110番通報し、「詐欺の電話が入りました」「また後で電話をすると言っていました」などと報告。それから、女性の「だまされたフリ作戦」がスタート。「200~300万円、何とかならないか」との電話に対しては「100万円ぐらいならば何とかなるわ」と”値引き交渉”までする余裕の対応ぶり。

特殊詐欺犯の逮捕は4回目 だまされたフリの超ベテラン

受け子として女性宅の近くに現れた佐藤信也容疑者(48)が、あっさり逮捕されたのは想像に難くないだろう。佐藤容疑者は「ガールズバーに通い詰めて借金があった」「高収入の仕事をツイッターなどで探して見つけた。他にもやった」と供述。警視庁杉並警察署は余罪も追及している。

佐藤信也容疑者(48)は「ガールズバーに通い詰めて借金があった」と供述している(9月4日 杉並署)

さて、この捕り物劇の主役である女性。実は容疑者逮捕に貢献したのは、今回で4回目。この日は、息子本人が自宅にいたとのことだが、女性は「過去にも、だまされたフリで協力していたので、すぐに詐欺だと分かりました」と話しているとのこと。杉並署では、今後3回目となる感謝状を贈呈する予定だ。是非、女性本人に「だまされたフリ」の極意を聞いてみたいものだ。

(フジテレビ社会部・警視庁担当 神谷佳宏)