急速な感染拡大で死者81人に「潜伏期間でも感染」

急速に感染が拡大する新型肺炎。中国政府は27日から新たな海外への団体旅行やパック旅行を禁止にした。

岩佐雄人記者:
北京の空港では団体旅行が禁止になって、人の数がみたところ4分の1程度に減っている印象です。

新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、中国本土の感染者は新たに769人増え、2744人に。亡くなった人も81人に増えた。

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中国国家衛生健康委は26日の会見で「感染力がやや強まっている。潜伏期間中も感染する、これがSARSとの大きな違いだ」と語ったが、これは何を意味するのか?

感染症に詳しい順天堂大学の堀賢教授はこう警鐘を鳴らす。

感染対策に詳しい順天堂大学・堀賢教授:
発病してからウイルスをばらまくのであれば、発病したことを早く見つけて患者さんをどんどん隔離すれば伝播を蔓延防止できますが、何ともない時(潜伏期間)にウィルスをばらまいていたら予測のしようがない

さらに気になるのが、感染の疑いのある人数。
1日で増えた数は実に約3800人。これで感染の疑いのある人は合わせて5794人となった。

もし全員が感染していれば、2003年のSARSの全世界の感染者8096人を超える計算だ。

日本政府 武漢に2機派遣へ

こうした中、日本政府は28日に武漢に全日空のチャーター機2機を送り、現地に滞在している日本人を帰国させる方向で調整していることが分かった。

武漢で足止めされている日本人男性は電話インタビューで「みんなで集まって大使館のHPから申請しました。ちょっと光が見えてきた感じで、みんなホッとしていました」と語った。
男性は1月20日から仕事で武漢に来ていて、同僚9人とホテルに滞在しているが、外出できない状態に。
「金曜まではデリバリーができたのですが、土曜の夜に見たらできなくなっていたのでどうしようかなという感じです。周りのお店も今閉まっているので…」と困っていた。

「指定感染症」指定へ 強制的な措置可能に

日本政府はこの新型肺炎を28日、「指定感染症」に指定する方針。
指定されれば、感染の疑いのある人を医療機関で受診させたり、入院勧告を行うことができ、従わない場合は強制的に入院させることができる。

感染者の急増とともに事態は新たな局面を迎えようとしている。

コメンテーター・佐々木かをり氏
潜伏期間中にどんどんウイルスをばらまいてしまう状況なので、私たち生活者は基本的に手洗いやうがいなどの対応しか仕方がない。一方で政府の情報を見ることだが、政府の情報は立場によって違うのでここをどんどん出して頂きたい。SNSで現地からの情報も個人から出てくるので、パニックになるとか考えないで、しっかりと情報を出して頂きたいと思う。

(Live News it! 1月27日放送分より)