仮設団地での生活続く大切畑地区

熊本地震で、住民が家を失うなどの被害を受けた熊本県西原村大切畑地区。地震後、最も多い時には800人以上が身を寄せていた西原村の小森仮設団地。

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熊本地震から3年9カ月。入居者の集約も進み、空き家となった東側のプレハブ仮設の解体が1月から始まった。

その一方で、西側の団地には今も約150人が暮らしていて、生活の復興はほど遠いという住民も多くいる。

山本恵一郎さん:
時間がかかる、復興するのには。4年~5年はかかる

山本恵一郎さんもその1人。妻と2人の子どもと共に仮設住宅で暮らしている。

妻・美香さん:
子どもの声も大きいので、いつも“うるさい”って怒ったり...

地震直後に生まれた次男の陽翔くんは、仮設以外で暮らしたことがない。山本さんのふるさと・大切畑地区は、熊本地震で大きな被害を受けた。

傾斜地に建てられた家屋のほとんどが、震度7の激しい揺れと地滑りによって倒壊。築3年ほどだった山本さんの自宅も基礎がやられ、全壊だった。

妻・美香さん:
(地震直後は)大切畑には、もう住む人はいないのではないかと思って、集団移転しようと思った。

山本恵一郎さん:
一大決心ですよね。人生で短期間に2軒も家を建てるとは思わなかったからですね

山本さんは2019年、ふるさとでの生活再建を決断。現在、自宅の建設を進めていて、完成する2020年5月までは仮設での暮らしが続く。

長男・大翔くん:
家が建つのが楽しみ

区長「帰る家があることは力強い」 集落の再建へ

新年3日、仮設団地で開かれた集落の話し合い。

区長・大谷幸一さん:
今年1年よろしくお願いします

地震当時の区長・大谷幸一さんが、今年再び区長になった。

地震で家を失った大谷さんは、集落内に自宅を再建し、2019年10月から両親と暮らしている。

区長・大谷幸一さん:
(集落に)帰る家があることは力強い。やりがい、頑張りがいがある

集落では、被災した宅地の復旧と道路の拡幅工事が現在も進められていて、ふるさとの様子は日々変わり続けている。

区長・大谷幸一さん:
ハード面(復旧工事)は今年中に完了するので、今からどう集落を作っていくかが大事。昔のいいところは残していかないと、引き継いでいかないといけない

欠かさず続けてきた恒例行事“どんどや” 受け継がれるふるさとへの思い

久しぶりに多くの住民がふるさとに集まった。地震後も欠かさず続けてきた新年の恒例行事「どんどや」。

坂田哲也さん:
どんどやの櫓の組み方も、先輩たちから全部習ってきた。それを今度は若い人たちに受け継いでいかないといけない

年配の住民から手ほどきを受けながら、若手が中心となって櫓をつくった。

完成した櫓の前で、横断幕を掲げた住民たち。ふるさとへの思いはみな同じ。

どんどやの炎が集落をやさしく照らす。

山本恵一郎さん:
1日でも早く集落に戻りたい。やっぱり大切畑はいいところだとあらためて感じますよね

それぞれの生活再建が本格化する一方で、ふるさと・大切畑に戻ってくる住民は、地震前の半分程度。

区長・大谷幸一さん
10年先、20年先はどうなっているんだろう。ずっと存続するためには、若い人など移住者を呼び込まないといけない

熊本地震から3年9カ月、復興へと歩みを進める大切畑地区。中山間地域が抱える集落存続の問題についても、今後、向き合っていかなければならない。

(テレビ熊本)

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