武漢市の病院が医療物資提供を呼びかけ
ますます感染が拡大している新型コロナウィルスだが、感染者が最も集中している中国・武漢市の病院が医療物資不足で医療物資の提供と寄付を呼びかけている。
この記事の画像(5枚)武漢市第一医院が1月23日に出した呼びかけでは、治療活動のために「N95マスク、医療用防護服、医療用使い捨て手袋、医療用ゴーグル、外科用マスク、医療用帽子」などの提供を「緊急に寄贈を求める」としている。通知では、必要な医療用品の基準なども明示している。
武漢以外の病院でも物資提供を相次いで呼びかけ
そしてここにきて、武漢市だけではなく、中国国内の他の地域の病院でも相次いで医療物資の提供と寄付を呼びかける異例な事態となっている。
武漢市より北1000キロ以上離れた遼寧省大連市の大連市中心医院が1月29日に出した通知では、医療用防護服や医療用外科マスクなど必要物資をリストアップし、購入あるいは寄贈を受け付けるとしている。また武漢より南約600キロの浙江省杭州市の病院でも28日に医療用マスクや消毒液などの寄贈を受け付けるとの通知を出した。いずれも500万人を超える中国の大都市である。
大連の医療関係者に話を聞いたところ、こうした病院からの呼びかけは非常に異例であることを認めた上で、中国全土で医療物資が不足し、今回の新型肺炎の感染率が高いため防護用マスクなどの物資の消耗が激しいという。自分たちの病院は現段階では足りているが今後長期化に備え一定の備蓄をしたいため今回の通知を出したという。
日本国内でも防護服など品薄状態
今回の感染拡大で日本国内でも医療用防護関連用品の購入が難しくなっている。本来インターネットで購入できる防護服キットなどはどこも品切れ状態。東京にある防護服メーカーに聞いたところ、中国などからの注文が殺到し生産が追いつかない状態で今はすべての注文を受け付けていないという。
1月29日16時50分時点で、新型コロナウィルスの感染者は中国全土で6077人、そのうち死亡者は132人になっている。