記者のイチ押しネタを集めた「取材部ネタプレ」。

月曜日から木曜日まで、毎日4人の記者が、VTRでネタをプレゼンテーション。
そのうち1つをくわしくお伝えしてきたが、深掘りできなかった12本の中にも、もっと知りたいネタがあった。

17日は、“ネタプレMORE”として、加藤綾子キャスターが一番気になったネタをお伝えする。

加藤キャスターが選んだ「豪雨に弱いニューヨークの地下鉄」について、FNNニューヨーク支局・中川真理子記者がお伝えする。

24時間運行のニューヨークの地下鉄について、17日は深掘りしていく。

ニューヨークの地下鉄といえば、ある映像が記憶に新しい人もいるだろう。

地下鉄のホームに、水がすごい勢いであふれ出していたり、駅の階段から滝のように水が流れ込んできている。
目を疑うような映像。

日本でも、まさに今台風が接近しているが、ニューヨークでも9月、ハリケーン「アイダ」が熱帯低気圧に変わったあと、ニューヨークに猛烈な雨をもたらした。

およそ50もの駅で冠水したほか、市内ほぼすべての路線で運休となった。

平日の夜というこもあり、大勢の人が帰宅困難者となり、ホームに座り込んだりしていた。

その中では、「今はホテルを予約しようとしている。家が冠水しているので、タクシーでも帰れないんです」という声も聞かれた。

多くの駅で復旧に32時間ほどかかったということで、ダイヤの乱れは翌日、さらに翌々日まで続いた。

交通局の担当者は、「地下鉄は潜水艦じゃない。冠水したら止めるしかない」と言っている。

この時の雨は、1時間に80mmほどという短時間に大量の雨が降ったということもあるが、地下鉄の冠水、今回が初めてではなくて、結構たびたび起きている。

原因は、だいたいいつも同じ。

図を見てみると、まず、原因は地上の排水溝にある。
ここによく、ごみなどがたまってしまうという。

実際に、暮らしていても、雨が降ったあとの数日間は、水たまりが消えない光景をよく見かけるほど、非常に水はけが悪い。

そのため、排水溝が詰まってしまうことによって、地上の水があふれかえってしまって、地下鉄の階段から水が流れ込んでしまい、地下鉄の駅が冠水してしまうということが起きた。

ただ、地上に問題があるだけではなくて、地下鉄の排水システムも非常に古い。

この線路の下辺あたりに排水パイプがあるそうだが、ここに汚れが非常にたまっている。

これをきれいにする工事が行われてはいるが、そのペースがなかなか遅くて、「このままでは、15年かかってしまうのではないか」という批判を受けていたところに、今回の豪雨が起こったといわれている。

ニューヨークの地下鉄、運行開始が1904年ということで、100年以上の歴史があるが、なんと、1930年代の信号のシステムが現在も使われている場所があるというほど古い。

この老朽化によって遅れたり、止まったりということが、日常茶飯事で起きている。

これがニューヨーカーのイライラ、ストレスの原因となっている。

街の人「工事しているというけど、工事を見たことがない。私たちのお金は、どこに行ったんだろう? と思う」、「NYに引っ越してきた時に、とても汚くて動揺した。駅に冷房もないことにショックを受けた」、「地下鉄はひどい! 運行予定が勝手に変わる」

皆、イライラがたまっているのがわかると思う。

改良工事は行われてはいるが、中断がたびたび起こってしまっているということが現状。

なぜ、中断してしまうのかだが、24時間運行ということで、夜中に工事が進めづらいという背景はある。

また、非常に資金難にあえいでいる。
借金まみれ。

借金が現在、485億ドル、日本円にして、5兆円を超えている。

なぜ、最近借金が増えているのかだが、長引くコロナというのがある。

テレワークの人が非常に多いということなので、通勤客が減ってしまって、収入が落ちている。

さらに、意外な資金不足の原因がある。

無賃乗車が多発している。

ニューヨークの地下鉄だが、1回乗るのに300円くらいかかる。

紙のカードを通して中に入るが、ある現象が見られた。

ある男性、あたりをキョロキョロと見回したあと、バーをジャンプして飛び越えていっている。
別の人も、バーを飛び越えている。

さらに、ある女性は、ジャンプではなく、しゃがんで改札のバーをくぐって通っている。

降りる時には、カードは不要なので、堂々と無賃乗車をする人が横行しており、最近のデータでは8人に1人、1割以上の人が料金を未払いで地下鉄に乗っているということも背景にあるもよう。

お金がないから、改良工事が進まない。
老朽化しているから、豪雨に弱くなる。
そして、さらにお金がかさむということで、負のスパイラルに陥ってしまっている。

集中豪雨が続く日本も、ニューヨークのインフラ整備の遅さというのは、反面教師にした方がいいかもしれない。