専門医らが感染予防策を実践

「午後だけでマスクを10枚くらい使ってますね」と新型肺炎も含めた感染症対策について語るのは、内科や呼吸器内科などが専門のクリニックの院長。咳をする患者の診察が多く、マスクを頻繁に交換し、1日に、約20枚のマスクを使うという。

池袋大谷クリニック・大谷義夫院長:
マスクを外すときは、ゴムひもだけもって外したモノはゴミ箱に捨てちゃう。表面は絶対さわりません。

大谷義夫院長によると、「一般の人でも食事などで一度外したマスクは廃棄し、1日に3回程度の交換が望ましい」という。

では、私たちはどんな対策を行えばいいのか。医師を含む“感染症のプロ”5人に尋ねると…

東京慈恵会医科大学・浦島充佳教授:
こまめに患者さんを診る毎にちょっとずつ水やお茶を飲んで、うがいではないんですけど、ひょっとしたらのどについたかもしれないウイルスとかを胃の中に押し流すようにはしています。

東京慈恵会医科大学の浦島充佳教授の対策は、水分をこまめに取ること。のどなどに付着したウイルスを、胃酸の力で弱める狙いがあるという。

また、この時期、大勢の感染症患者が押し寄せる小児科の院長の対策は…

有明こどもクリニック・小暮裕之院長:
飛沫というのは目からも入ってきてしまうので、僕はメガネをしている学生時代はコンタクトをしていたんです。

小暮院長によると、メガネの着用も感染を防ぐ対策の1つだという。

街中に潜む感染のリスク

また、街の人たちが不安を口にするのは、不特定多数の人が触れる場所。

女性A:
つり革は嫌ですね。いろんな人が触るから。

女性B:
電車に乗るときに買う切符売り場とかのタッチパネルが凄い気になって。

女性C:
スーパーとかに行ったときにカゴですよね。ウイルスがどれくらい生き続けるかわからないし、それはすごく不安ですね。

では、こうした場所にウイルスが付着していた場合、感染するおそれは、どれほどあるのか。

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋 毅教授:
新型コロナウイルスの感染力は、おそらく4時間前後と考えております。インフルエンザウイルスの場合、感染力は2~8時間と言われているので…

寺嶋教授によると、人の体内から飛沫として出たウイルスは、一定時間、感染力を維持するという。

では、感染リスクが高いのは、どのような場所なのか。

名古屋市衛生研究所 柴田伸一郎 微生物部長:
感染した人が咳なんかをしたときに、手で口を押さえたとき、その手でつり革とか手すりとかはつかまる。
電車やバスのつり革っていうのは、けっこう感染のリスクが高い。

不特定多数の人が密室で一定時間過ごし、せき込む人もいる満員電車。柴田氏によると、素手で掴むことが多いつり革の危険度は“高い”という。
同様に、高齢者をはじめ、大勢の人が触れる手すりや、エスカレーターの手すりなども、ウイルスに感染する危険度大。

名古屋市衛生研究所 柴田伸一郎 微生物部長:
手のひら全体でつかまりますので、それで自分の手のひらが汚染されるリスクが高い。

また、柴田氏によると、触れる面積は狭いものの、エレベーターのボタンや、自動ドアの開閉ボタンも、ある程度、注意が必要な、危険度“中”。スーパーのカゴなども、危険度は“中”だという。

さらに、触れる場所の材質などによっても感染する危険度に違いがあると専門家は指摘する。

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋 毅教授:
ツルツルした素材や撥水性のある素材の上にウイルスがつくと、水分に囲まれたウイルスが長い間生存すると予想されます。

また、寺嶋教授によると、ウイルスはつばなどの水分が保持される状態ならば長く活動できるため、金属やプラスチックなど、表面がつるつるした場所は、特に注意が必要。
一方、衣服や座席といった布など、水分が吸収されやすい素材ならば、感染する危険性は低いという。

日常生活で気を付けるべき点

では、こうした場所に触れた場合、どうすればいいのか?

名古屋市衛生研究所 柴田伸一郎 微生物部長:
家に帰って手をよく洗うこと、もしくは途中でもいいが、除菌タイプのアルコールが入ったウェットティッシュなどで手を拭くのが有効かなと思っています。

柴田氏によると、除菌する場合は、アルコール入りのものがオススメだという。

ただし、こんな注意点もあると専門家は指摘する。

名古屋市衛生研究所 柴田伸一郎 微生物部長:
手を拭きすぎますと、脂分が落ちて、雑菌等が荒れたところについて 、他に感染をおこすということも考えられます。

他にも日常生活を送る上で、気を付けるべき点があるという。

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋 毅教授:
新型コロナウイルスの主な感染経路として、「口」、「鼻」、「目」が考えられます。

寺嶋教授によると、感染した手で目をこすったり、せきをしたときに手を口に当てたりするのは、アウト。
あくびをする際に手で口をおさえるのも、リスクが伴うという。

迫る東京オリンピックへの影響は…

そして、7月・8月まで新型肺炎の感染が収まらなかった場合、心配される東京オリンピック・パラリンピックについては…

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋 毅教授:
オリンピックは世界中から多くの人が集まりますから、競技場では声援やハイタッチなどで飛沫感染や接触感染の機会を増やすと思います。

厚生労働省は「過剰に心配することなく季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの感染症対策に努めていただくようお願いします」と注意を呼びかけている。

(「めざましテレビ」1月31日放送分より)