原油価格の上昇により苦境に立たされているのがクリーニング業界。2022年春にはハンガーや衣類用のカバーなどプラスチック製品について有料化や再利用などが義務付けられる方針で更なる対応が求められている。秋田市のクリーニング会社を訪ねた。

 14日の会見で、小泉進次郎 環境大臣は「これからも引き続きプラスチック新法の政省令の整備や海洋プラスチックごみの交渉など、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を積極的に進めていきたい」と語った。

 2021年6月に成立したプラスチック資源循環促進法。いわゆる「プラスチック新法」の措置として、環境省と経済産業省は、小売店や飲食店などで無料で提供される使い捨てのプラスチック製品に対する有料化や再利用などを、2022年4月から義務付ける方針だ。

 対象となるのは、コンビニエンスストアのストローやスプーン、ホテルの歯ブラシやカミソリ、さらにクリーニング店のハンガーなど12製品。法律に基づき、有料化やリサイクルしやすい資材への転換、対象の製品を受け取らなかった客にはポイントを還元して、プラスチック製品を利用しないよう促すといった取り組みが求められる。

 秋田市飯島にある粂川クリーニング工場。1911年の創業で、現在は、秋田市に5店舗を展開している。

 クリーニングしたワイシャツなどは、プラスチック製のハンガーに掛けて客に渡していて、その数は多い時で1カ月に1万5000枚にもなる。新たな法律では、ハンガーや衣類を包むポリプロピレン製の袋が対象になり、対応を模索している。

 粂川クリーニング工場の崎山大輔社長は「時代の流れなので取り組んでいかなければならないが、極力 お客さんの負担感がないように我々としてもやっていかなければいけないのと思っているが、何らかの形で還元できる方法を模索していきたいと思っている」と頭を悩ませる。

 粂川クリーニングでは、客が使用済みのプラスチックハンガー5本を店に返すとポイントを付け、ポイントが貯まると無料でクリーニングのサービスを提供するなど、環境に配慮した取り組みを進めている。崎山社長は「少しでもリサイクルが促せるように努力している」と話す。

 クリーニング業は、石油製品への依存度が高く衣類のシワをとるアイロンの蒸気などに重油が使われる。また、ハンガーや袋なども石油製品だ。新たな法律に加え、2021年に入っての原油高によるコスト増大の二重苦に対応していかなければならない。

 崎山社長は「一時の非常に重油が安い時期と比べると、倍近く単価は上がっているので、我々の業界としては非常に厳しい。それを改善するためには、生産性を限られた時間の中で、いかに1点でも多くきれいに仕上げるか、それに尽きると私は思っている」と話した。

 確実に訪れる大きな変革期を前に、クリーニング業界の模索は続く。