新型コロナウイルス感染拡大、酒の販売業者や宿泊施設と同様、苦境に立たされているのがバス、タクシー業界です。

新型コロナの感染拡大から1年半。廃業に追い込まれる企業も出てきています。

「どれだけ対策を徹底しても、収束を待つしかない」、そんな切実な声が上がっています。

県タクシー協会の土田英喜会長です。

1カ月前から続く飲食店の時短営業の影響は大きく、タクシー業界は壊滅的な状態だといいます。

*県タクシー協会 土田英喜会長「一昨年の同時期と比べるとおよそ4割の売り上げ。本当に壊滅的な状況。夜の飲食街が閉まったことが一番大きな原因。全国的に緊急事態宣言、まん防止の地域が多く出張や観光客は火が消えた状態」

県は9月補正予算で、保有するタクシー1台当たり6万円の車両維持費を補填するとしていますが、経営の悪化は止められず、土田会長が社長を務める富山交通では、この1年半で離職した従業員もいるということです。

*県タクシー協会 土田英喜会長「1台当たり数万円の援助では経営が成り立つという状況では全くない。仕事が少ないので、保有している車両を休ませてもらっている。25台休ませて、119台で運営している。経費の削減に務めている。従業員も現在160人ほどだが、コロナ禍で15人ほどがやめた」

富山交通では、車内の消毒や精算時にトレー上で現金を受け渡すなど、感染対策を徹底していますが、タクシー事業者にできることには限界があり、さらなるワクチンの普及や治療薬の開発が進まないことには、厳しい経営状況が続くとみています。

*県タクシー協会 土田英喜会長「ワクチン接種が進んで、経済活動を活発化させる動きが出てきていると思っていたが、第5波やデルタ株の登場で状況が厳しくなった。若年層を含めたワクチン接種の進展や飲み薬での治療などが早急に進むことを期待している」

一方、バス業界も厳しい状況が続いています。

*リポート「ズラッと並んでいるのが、貸し切りバスと高速バスです。コロナの感染拡大前は、ほとんど出払っていたとうことですが、今は休車中と書かれたバスもあります」

県西部を中心に路線バスや高速バス、それに貸切バスを運行している高岡市の加越能バスです。

秋の行楽シーズンは、バス会社にとってかきいれ時。

普段なら、貸切バスの予約表は埋めつくされていますが、今年はほとんど入っていません。

*加越能バス自動車部 松崎貴行課長「運動会や町内会の旅行、稲刈り後の旅行などが9、10月にあるが…。Q今年は? ほとんどゼロです」

感染が拡大する前は、東京オリンピックによるインバウンドの需要を見越して勢いづいていたバス業界。

加越能バスでも、新たに高山線を開通させましたが、すぐ運休に追い込まれました。

その後も、県をまたいだ移動の自粛が呼びかけられ、高速バスの利用者は、一昨年と比べて7割減、貸切バスは8割減となっています。

そのため、加越能バスでは、全体の半分ほどの車両を「休車」としたほか、従業員の配置も見直し、路線バスの応援や保険事業といった別の部署に異動した人もいるといいます。

*加越能バス自動車部 松崎貴行課長「路線バスで収支を合わせるのは無理。貸切、高速バスの売り上げで、毎年補填していた。Qそれがないと? 大変厳しい」

加越能バスでは、バス内に仕切りを設けるなど利用者を受け入れる準備をしていますが、「いくら対策を徹底しても、収束するのを待つしかない」といいます。

*加越能バス自動車部 松崎貴行課長「本当に不安、このまま収まっていけば期待をもてるが、(感染の)波があるのが不安。ワクチン接種で収まればいい」

県は、タクシー業界と同様、高速バスや貸切バスの事業者にも、車検や保険代などの維持費を支援する補正予算を計上しています。

しかし、それだけでは補い切れず、収束を待つしかないのが現状です。