「おもてなし」という言葉が独り歩きしないための心得

観光がその国の大きな財源となる国に、たとえばイタリアやスペインがあります。

観光客の増減がその土地の人々の暮らしに大きく影響するため、その国のニュースでは気候や景気の動向と共に観光客の動向が報道されます。
日本ではどうでしょうか?私たちの意識は外国人観光客の受け入れを可能としているでしょうか。「おもてなし」という言葉が独り歩きしないためにも心得たい点をお伝えします。

1.「外国人が来ると汚れる」という意識の払拭

商品の陳列をごちゃごちゃにしてしまう。トイレの使い方がひどい。騒いで結局買わない。は代表例ですが、陳列商品は陳列を減らす・固定するなどの工夫、トイレの使い方は適切な表示、騒いで結局買わないという場合は商品の説明を詳細に記載した説明書きを付けるなどの工夫をしましょう。

2.「英語対応が面倒」という意識の払拭

一度英語のマニュアルを作ってしまえばお客さまの範囲はぐっと広がると考え、やってみることです。日本の人口が減り続けることを考えると外国人への対応を考えることは自然と言えるかもしれません。

3.「外国人は要求が多い」という意識の払拭

旅行に来たら、たとえできなくてもやってみたい、食べ物も食べられるかどうか試してみたいと思うものですよね。
もちろん無理な要求であれば断るべきですが、好奇心も強く、素直に表現する文化の人々であるということも加味すると決して滅茶苦茶な要求ではないのかもしれません。

4.「わかってない人が来る」という意識の払拭

「一見さんお断り」という言葉がありますが、常連さんを大事にする意図でない限り、わかっていない人に来られて困るというのはサービス業としては「おもてなし」と相反しています。どんな分野であれ、わかっていない人が来ることを厄介に思うことは機会損失です。わかっていない人が来てこそ、その分野(店、技術、芸術、文化)が広まる・盛り上がるという意識を持ちたいものです。ビジネスチャンスの拡大、雇用創出につながる可能性があるのです。

5.「日本人客は二の次にされる」という意識の払拭

外国人への対応が一生懸命で日本人への対応はそっちのけだった、という声を聞きます。対応する側はそんな気持ちは毛頭なかったはずですが、お客の側としてそのような印象を受けてしまったのは事実で、残念なことです。このような誤解で外国人へのイメージが悪くならないよう対応する側は工夫や配慮が必要です。

6.「外国人の方が得をしてる」という意識の払拭

日本国内を旅行する場合に欠かせない交通機関や、買い物の免税、海外クレジットカード利用における割引きなどで外国人の方が得だという意識がありますが、短期旅行者向けの優待であり、それが国内消費に一役買っていることを理解したいです。

7.「爆買いしてくれる人こそお客様」という意識の払拭

より高額の物、より多くの物を購入してくれる人が上客という意識ではなく、より滞在に時間をかけ、より当地で消費してくれる人こそ上客という意識をもちたいものです。数より量に目を向けると、日帰りの観光客より宿泊の観光客の方が有り難いことは一目瞭然です。

地元の人の観光に関する高い意識が観光地の価値を上げる

イタリアでは、大型客船が立ち寄ることで入島制限せざるを得なくなった小島があります。観光客が訪れるのは良いけれど、観光客が押し寄せることでマナー違反や混雑など困る点も発生するわけです。自治体をはじめとする島の人々は、観光客にとっても満足いく旅にするために、コントロールすることはやむを得ないとしています。

観光立国になるためには、現地の人の観光に関する高い意識がその観光地の価値を上げることにつながると理解することが不可欠なのです。