例年9月は台風が多い季節。現在も台風14号が東シナ海に停滞し、17日ごろから速度を上げながら東へ進む予想となっている。

そのような時期の今、特に注意が必要なのは台風による強風対策だろう。ベランダなど家の周りにある植木鉢などを固定したり、室内にしまったりというのは一般的だと思うが、「台風前にエアコンの室外機については9割が対策不足」という調査を取材した編集部が、次に着目したのが「網戸」だ。
もし台風で外れてしまったら、自宅への被害だけでなく近隣の住宅まで飛んでいく可能性だってあるだろう。

(関連記事:台風接近時に9割がエアコン「室外機」の対策不足 漏電や故障も…今からできる備えを聞いた

網戸はどのような台風対策がいいのだろうか? 台風通過後の網戸のチェックポイントと合わせて、住宅建材などを手がける三協立山株式会社三協アルミ社の担当者に話を聞いた。

「はずれ止め部品」で固定されていれば基本的にはOK

――台風が迫ってきたら、網戸はどのようにしたらいい?

網戸上部に「はずれ止め部品」がセットされていることを確認してください。しっかり固定していないと強風ではずれ、網戸が飛ばされるおそれがあります。また、それでも心配な方は、収納できる網戸は取り外して室内にしまってください。ただし、2階などユーザー様では外せない場所は安全のためプロへのご依頼が必要となります。

※外国製やメーカーによっては「はずれ止め部品」のない網戸もある。

「はずれ止め」がセットされているか確認(画像提供:三協立山株式会社三協アルミ社)
「はずれ止め」がセットされているか確認(画像提供:三協立山株式会社三協アルミ社)
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――住宅の種類によって、対応は変わってくる?

マンションなどの高層住宅においては網戸に「自走防止部品」がついている場合があります(自走防止は網戸が強風時に左右に動かないようにする機能)。「自走防止部品」がついている場合はそちらで網戸をロックしていただくことで、強風により網戸が自走してサッシや網戸が破損することを防ぐことができます。

一般的な戸建て住宅においては、はずれ止めが付いた網戸であれば台風時でも特に注意する必要はありませんが、窓の近くに置いてあるものは全て片づけてください。庭やバルコニーなどに置いてある物干し竿や植木鉢などは、屋内に入れるかしっかり固定をして飛ばないようにしてください。

「自走防止部品」がついている場合はこちらもロック(画像提供:三協立山株式会社三協アルミ社)
「自走防止部品」がついている場合はこちらもロック(画像提供:三協立山株式会社三協アルミ社)

――台風対策として、「やってはいけない」ということはある?「養生テープ」で固定するのはダメ?

養生テープで網戸を固定して網戸の自走を防止することはできるかもしれませんがメーカーとしては推奨しておりません。風雨が直接当たる屋外では養生テープの粘着力が弱まり、テープが剥がれてどこかへ飛んでいくおそれがあります。一方で粘着力の強い防水テープなどの場合はサッシや網戸にテープの糊が残るおそれがあります。

はずれ止めがセットされていることをご確認いただき、不安な場合は網戸を取り外して屋内にしまっておくことをおすすめします。

網戸があることで窓ガラスが割れるのを防げる?

――その他、台風時に網戸で注意しておく点や対策を教えて。

【台風が来たら】網戸の開閉を控えてください。
強風の中で網戸を開閉するとはずれたり、破損するおそれがあります。

なお網戸を含めた建材商品の自然災害対応について、内容をホームページにご用意しています。是非ともご確認お願いいたします。 

植木鉢などは屋内に入れるかしっかり固定を(画像はイメージ)
植木鉢などは屋内に入れるかしっかり固定を(画像はイメージ)

――ちなみに「網戸があることで窓ガラスが割れるのを防ぐ」といった台風対策にはならない?

網戸には飛来物からガラスを守る程の強度はないため、台風対策になるとは言えません。ガラスに対しては室内側からビニールテープなどを×字に貼り付け、ガラスの飛散防止を行ってください。

飛来物に対して最も有効となるのはシャッターです。シャッターがある場合にはシャッターを最後まで閉めて施錠し、窓も閉めて施錠を行ってください。なお、三協アルミではリフォーム用の後付けシャッターも商品としてラインナップしております。


――台風が過ぎ去った後は、どのような点に注意して網戸をチェックしたらいいの?

部材の曲がりや変形、はずれ止めにゆるみがないか、開閉して異常がないか点検してください。商品に異常や破損などがあった場合は、建築会社様、工務店様、販売店様へ連絡してください。高所での作業、点検は危険ですので専門業者に依頼してください。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

基本的には「はずれ止め部品」がしっかり固定されていれば、台風対策として有効だということが分かった。それでも心配な場合は、自分で取り外せる範囲で1階などの網戸は室内にしまってほしい。

なお同社の戸建て住宅向けサッシには自走防止引違い網戸をラインナップしたものもあるという。自分でできる範囲で行いつつ、足りない箇所はこのような台風対策を強化した商品を活用するのも良いだろう。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

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