「上海の実家近くで発症者が!」

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、中国人社員がいる企業や、企業の中国等への出張を支援する企業では、関連情報の把握や発信を進めている。

WEBサイトの多言語化サービスを提供する企業「Wovn Technologies」。
日本の本社の中国人社員が、1月24日から毎朝、中国政府発表の最新データやリアルな現地の状況を、社内のメンバーに逐一シェアしているという。

社内向けにコミュニケーションツールで発信、共有されている内容は、
① 朝の時点での中国国内の感染者数・死者数・日本国内での感染者数など
② 予防のポイント
③ 関連ニュースのリンク
④ 中国国内の公共機関や施設の運営情報など

また、中国国内の高速道路での検温の様子を写真でシェアするなど、現地のリアルな状況を社員が共有している。
このほかにも、中国国内でマスクが本当に買えなくなっていたり、親戚が住む地域が閉鎖されたといった情報も共有し、新型コロナウイルスを“自分ごと”として感じられるよう工夫している。

今回の取り組みは、中国のWebサイトにアクセスできるメンバーが、リアルタイムに情報を共有しようと自発的に社内への発信を行ったのが始まり。
その背景には、新型コロナウイルス対策は、最新情報をリアルタイムで取得することが重要との認識がある。
中国人社員にとっては、家族が住む上海のマンション近くで発症者が出たり、物資が不足するなど、不安な状況が続いている。

中国の一般道の様子

こうした情報が、中国国内の家族や友人からもタイムラグなく送られてくるため、同じ情報を共有したメンバーの危機意識を高める効果が出ている。
また、さまざまな国籍の社員が働いているため、他国の情報や現地の“温度感”なども随時共有しているという。

「Wovn Technologies」広報 佐藤菜摘さん;
連日、憶測も含めさまざまな情報が飛び交う中で、シェアできている生の状況は、リアルな現状把握に役立っている。
今後、情報ソースを更に吟味し、対外的にも発信できる仕組みを整えるよう動いている。

高まる海外出張への不安…

出張支援サービスを提供する企業「ボーダー」。こちらでは、日本企業の海外出張に際して、飛行機や宿泊先を手配するサービスを行っている。

今回の事態を受け、中国向けの出張を控える企業が多くなったため、中国向けの手配が減ってきているという。
また、利便性の観点で手配していた中国経由の航空便チケットは運休などの影響を受け、利用が縮小している。
そうした中、出張手配の利用客から「どうやって出張に行ったらよいか」や、「出張先がどういう状況か、その情報をどう吸い上げたら良いか」といった問い合わせが最近になって多く寄せられた
そこで「ボーダー」では、中国への出張を予定している人に向けて、政府機関や現地大使館、WHOなど各機関の提供する情報が掲載されたホームページのURLを一覧にしたニュースリリースを発表した。

ボーダーHPより
出張支援クラウド「BORDER」出張管理権限者の管理画面

現在、利用客の問い合わせに対して、まとめた連絡先情報をもとに、適切な情報を得る方法などを案内している。

「ボーダー」広報担当 菅原絵美さん;
出張先についていろいろな情報が飛び交っている。
会社でまとめた各関係機関の連絡先情報を、いろいろな人に活用してもらい、出張にあたっての判断材料にしてほしい。

正確な情報を素早く手に入れることが、企業にとってますます重要となっている。

(フジテレビ報道局経済部 西村昌樹記者)