「社会通念上、適切な範囲で…」メルカリが呼びかけ

日本国内でも感染が拡大している新型コロナウイルス。

感染した香港の男性が一時乗船していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では新たに判明した乗客10人を含め、20人の感染が確認されている(2月6日現在)。

新型コロナウイルスへの対策として手洗いなどが推奨されているが、深刻な問題となっているのが、全国的なマスク不足だ。
(関連記事:「マスクどこに行ってもない…絶望的」各地で悲鳴…新型コロナウイルスでマスク不足が深刻化

そのような中、メルカリが公式サイトで「マスクの取引に関するご協力のお願い」を発表した。

出典:メルカリ公式サイト
出典:メルカリ公式サイト
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「昨今、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクの需要が急激に高まり、日本全国でマスクが品薄状態になっております。

それに伴い、メルカリ上でもマスクの出品数・購入数が増加しております。

マスクは禁止出品物には該当しませんが、利用者の皆さまにおかれましては、社会通念上適切な範囲での出品・購入にご協力をお願いいたします。

また、お客さまのお取引の状況によっては、事務局から入手経路を確認させていただく場合や、商品の削除・利用制限等を行わせていただく場合もございます。

お客さまにメルカリを安心・安全にご利用いただくため、ご理解とご協力をお願いできますと幸いです」


ドラッグストアやコンビニなどでマスクの売り切れが続出している中、大量のマスクが売買されているのが、フリマアプリ。

実際にメルカリの出品ページを見てみると、たとえば30枚入りで定価110円(税込)の箱入りマスクが500箱、5万5000円相当のはずの商品に24万円の値がついているなど、大量かつ非常に高額な出品が確認できた。(6日現在)

さらに、似た写真がずらりと並び同じユーザーが大量の出品をしているように見えるものや、マスク本体を取り出した空箱のみの出品など、紛らわしい商品もある。

この現状に、SNSでは「近所で買えなかったのに、フリマアプリにはたくさんある…」「本当に使いたい人が正しい価格で購入できるようにしてほしい」という声のほか、「マスクの出品自体を止めることはできないの?」といった疑問の声も挙がっている。

メルカリでは、以前より使用ガイドの中で「通常の経済的価値と著しくかい離した販売価格により商品を出品すること」を禁止している。

今回改めて「適切な範囲での出品・購入」を呼びかけ、違反者にはペナルティが科される可能性もあるとのことだが…今後も増える可能性のあるマスクの大量出品について、どのように対処していくのだろうか。

株式会社メルカリの広報担当者にお話を伺った。

今後もマスクの取引は可能

――マスクに関する取引への注意を掲載したきっかけについて、改めて教えて

社会情勢と、マスクの出品・購入の増加から、対応を検討し掲載に至りました。


――どのような行為を禁止している?

マスクは禁止出品物には該当しませんが、社会通念上適切な範囲での出品・購入に
ご協力をお願いしています。


――「商品の削除や制限」が行われる目安は?

具体的な数字や基準については、悪用防止の基準から非開示とさせていただきます。


――今後、マスクの出品自体が禁止される可能性はある?

現状「マスクが出品禁止物になる」予定はございません。

――高額転売の可能性のある商品はどのように監視している?

メルカリは自由なマーケットプレイスの提供を目指しており、基本的にはお客さま同士が価値を決めるプラットフォームなため、価格に関する規定はございませんが、365日24時間体制で当社の利用規約に違反する商品の自動検知システム及びカスタマーサービスの目視により、出品や取引を常時監視しております。


――除菌グッズや消毒液など、マスク以外にも注視しているものは?

現時点ではマスクのみ対応しております。今後状況をみて検討する可能性はありま
す。


――違反出品を見つけた際、ユーザーはどうするべき?

利用規約に違反した商品の場合には、通報いただいた商品を事務局が確認いたします。



今回お話を伺った中では、今後もマスク自体の出品が禁止になる可能性は低く、また、たとえば「100箱以上まとめての出品」「定価の10倍以上の値段設定」など、違反の基準となる具体的な内容はユーザーに提示されていない。

メルカリは今後マスクの取引をしたいユーザーに対して「利用者の皆さまにおかれましては、社会通念上適切な範囲での出品・購入にご協力をお願いいたします」と繰り返しており、つまりは我々のモラルが問われているということだ。

また、現段階ではマスク以外の商品に関しては特別な注意を払っていないとのことだが、編集部が検索したところ、すでに手指用の消毒ジェルや除菌シートなどが高額で取引されている例もある。

今後、さらなる感染拡大も危ぶまれる新型コロナウイルスだが、むやみな買い占めや転売によって、本当に必要な人の所へ商品が届かない、という事態が起きてしまうのは避けるべきだろう。

「メルカリ」以外にも、あるオークションサイトでは3枚入りの不織布マスクが60万円で出品されるなどの高額転売も一時確認できたが、マスク不足については2月3日に国会でも取り上げられ、業界全体への増産要請がされている。緊急事態だからこそ、高額転売に振り回されず、冷静で正しい取引を心がけたい。

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プライムオンライン編集部
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