“豪華客船”ダイヤモンド・プリンセスで新たに10人の感染者

船内の狭い個室で待機を余儀なくされている、ダイヤモンド・プリンセスの乗客・乗員約3700人。

症状のあった人や濃厚接触者273人にウイルス検査を行い、5日までに検査結果が出た31人のうち、10人から新型コロナウイルスの陽性反応が出ていた。

そして6日、さらに71人の検査結果が判明し、新たに10人に陽性反応が出たという。

新たに陽性反応が出た10人は、神奈川県内の病院に搬送された。これで船内での感染者は20人にのぼる。これまでは乗客乗員102人のウイルス検査の結果が出ており、感染が疑われる残りの171人については、現在も検査が進められている。

乗客からは「自分は濃厚接触者ではないか」という不安も

「直撃LIVEグッディ!」は、今も検疫が続く船内の自室に待機している乗客のAさんを取材。

陽性と判断された女性と、船上でランチやディナーを共にしていたというAさん。「自分は濃厚接触者ではないか」という不安を募らせ、ウイルス検査を要請しているというが…。

Q.検疫官の方から、改めて検体採取などは?

Aさん「何もないです。検査はすぐに申し出たんですけど、全然対応していただけなくって…すごく不安です」

Q.体調に何か変化はありましたか?

Aさん「特にないんですけど、乾燥していて鼻水とかが出ます。何とか検査していただかないと、皆さんに下船してから迷惑がかかっちゃうので。必ず検査はしていただきたいと思うんです」

同乗するAさんの娘には微熱の症状が出たため検査を依頼したが、6日の時点で解熱剤が支給されただけだったという。

Aさんが待機する部屋は、5階海側の部屋。写真を見ると窓がついているように見えるのだが…

Q.窓は開くんですか?

Aさん「窓は開きません」

Q.換気はできない?

Aさん「換気はできないですけど、すごく強力な換気扇があります」

Q.何か、いま困っていることや不安なことなどはある?

Aさん「内側の、窓もない船室の方は、電波も悪いらしいんです。お一人の方もいらっしゃるし、電波も悪く窓もない中で暮らされているということで、多分すごくストレスがかかっているんじゃないかなと。私までつらくなってきます」

なぜ感染が広がっている?

グッディ!のスタジオでは、元国立感染症研究所研究員で白鴎大学教授の岡田晴恵さんに解説してもらった。

大村正樹フィールドキャスター:
日本国内での感染者は日に日に増えておりまして、現在は45人の感染が確認されています。特に「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客の感染者が多いです。

・乗客2666人、乗員1045人の計3711人が乗船
・そのうち、せきや発熱などの症状を訴える120人と濃厚接触者153人、計273人を検査
・5日に検査結果が判明した31人のうち10人に陽性反応
・6日は検査結果が判明した71人のうち10人に陽性反応
・残り171人は現在も検査結果待ち

安藤優子:
船という環境で、今のところ20人の感染者が出ました。この状況を岡田さんはどうご覧になりますか?

岡田晴恵氏(白鴎大学教授):
私びっくりしたんですけど、カジノとかシアターやショーを見るとか、共用部分がたくさんあるんですね。ああいうところで皆さん不特定多数で一緒におられる。その上、船で揺れますから、手すりがついていますね。ビュッフェでは、トングが皆さん共有されると思います。そういうところの、思いもよらないものが積み重なって、こういう感染率になるんだと思います。クルーズ船だとインフルエンザの集団感染などもありますから。

大村正樹フィールドキャスター:
船の状況ですが、この船にはバルコニーがついていて、外の空気が吸える部屋もあります。しかし取材に応じてくださったAさんの部屋は5階部分で、窓はありますが開かないそうです。外に出るようなデッキやバルコニーもついていないとのことです。

・船内の部屋には、窓のある「海側ツイン」の他、窓のない「内側ツイン」などの部屋もある
・全部屋にシャワー・トイレ完備
・部屋にはテレビもあるが、映るのはNHKワールドやBBCワールなど国際ニュースのみ

大村正樹フィールドキャスター:
お客さんが見られるテレビは国際放送だけで、外国のお客さんが見られるような英語のチャンネルが多いそうです。NHKワールドとかBSニュースなどはこの問題を報じる時間が短いので、情報が少なく困っているという声もあるようです。

安藤優子:
換気についてですが、窓が開かない部屋には強力な換気扇がついているそうですが、どうですか?

岡田晴恵氏:
換気はした方が絶対にいいです。それから、バスタオルでもなんでもいいので、ぬらして干して湿度を上げるべきですね。

安藤優子:
窓のない部屋で、電波も悪く一人きり。こういう方たちの精神的なストレスについてはどう考えますか?

岡田晴恵氏:
ストレスがたまると免疫力が下がると言われていますから、非常に心配です。

長谷川聖子(メディアプロデューサー):
私だったらふつうの精神ではいられないと思いますし、仮に健康だとしても病んでいく気がします。

岡田晴恵氏:
新聞や雑誌、本など、少しでも我慢する期間を癒せるようなものを入れてあげてほしいですね。

高橋克実:
今こうやって船内に留め置いているということは、陰性の人がどんどん陽性になる確率が上がりそうじゃないですか?

岡田晴恵氏:
ご指摘は痛いほど分かります。ただ、これだけの方々に陽性反応が出た以上、やはり下船させるわけにはいかないというのが厚労省の対応だと思います。

田村勇人弁護士:
いろんな考え方があると思うんですけど、船内の人を排除するんじゃなくて、もう少し違うやり方はできないんでしょうか。例えばこれがエボラ出血熱だったら、致死率も高いし正しい対応だと思うんです。一方で新型コロナウイルスは、軽症者が莫大に後ろにいると考えると、致死率は1%以下になるともいわれています。僕らは普段、インフルエンザだって排除せずに生きているじゃないですか。

岡田晴恵氏:
ご指摘のように、インフルエンザだって日本国内で1000万人くらいの人が感染します。0.1%の致死率ですから、高齢者を中心に1万人、少なくても数千人が亡くなります。ただ、この新型コロナウイルスはコントロールしにくいウイルスです。誰が感染しているか分からないくらい軽症の人もいるし、すごく重症な肺炎になって3日くらいで亡くなってしまう方もいます。そうなってしまう方は高齢者が多くて、50歳以上です。日本というのは高齢化社会で、御しにくいウイルスだけど広げない努力をしないと。みんなが軽症だからと言って若い人が運び屋をやってしまうと、ある一定の割合で高齢者にかかって亡くなっていくということになります。「2020年の冬は、例年のインフルエンザなどの死亡者よりも何万人だか多かったね」っていう、後に検証されるような時代になってほしくないんです。軽症者が多いからと言って、この日本の世の中で緩めていいのかと言ったら、議論があると思います。

(「直撃LIVE グッディ!」2月6日放送分より)