「学校防災の見直し」検討会議 専門家集まり初会合

津波で児童と教職員84人が犠牲となった石巻市立大川小学校をめぐる裁判は、2019年10月、学校側の防災態勢の不備を認める判決が確定した。
これを受け、文部科学省は全国の教育委員会に「学校防災の見直し」を求めた。
宮城県教育委員会は、学校防災のあり方を見直す検討会議を新たに立ち上げ、2月5日初会合を開いた。
この会議は、これまでの学校防災の取り組みの検証と、今後の改善点などを話し合うもの。
この日は防災や教育、法律の専門家など、6人の委員が集まり、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長が委員長に選ばれた。

東北大学災害科学国際研究所 今村文彦 所長;
南海トラフ・首都直下、さまざまな災害がある。風水害もある。そういうものに対して学校・生徒をきちんと守る方法を固めていただきたい

会議では、宮城県が震災後に取り組んできた学校防災の様々な取り組みが紹介され、成果をあげてきたと説明があった。
これに対し委員からは、「たくさんの資料や授業は子供たち一人一人の力に結びついているのか」といった疑問や、「震災に関する裁判資料をあらためて検証し、学ぶ点を探すべき」などの意見などが出された。
県教委では、この会議を今後5回程度開き、来年度中に検討内容を取りまとめる方針。

教師でもある遺族が求めるものとは

震災の津波で当時、大川小学校6年生だった娘のみずほさんを亡くした、佐藤敏郎さん。
これまで28年間、学校の教師として子供たちと直接関わってきた佐藤さんが、この学校防災の在り方を考える検討会議に求めるものは…

佐藤敏郎さん;
いろんな学校事故とか事件・問題の度にいろんな会議が立ち上がって、提言を出したり指針が発表されたり、調査・研修が増えたりということで終わって…机の上で終わってしまって。
学校現場が窮屈になって、忙しくなるということが少なくなかったのでそうならないでほしい

震災後、学校防災についての会議や検証委員会が数多く設置された。
しかし佐藤さんは、その多くが遺族が求める内容ではなく、ぶ厚い資料やマニュアルが作られただけだったと感じたという。
佐藤さんは教育現場の現状を知っているからこそ、「先生たちの視点に立った会議にしてほしい」と話す。

佐藤敏郎さん;
学校に教材・副読本、(作文などさまざまな)コンクールなんて100個以上来るんですよ。多分さばくので精一杯。
さばき切れていないと思いますよ。
『防災対策をして子供の命を守れ』というと、負担にしか思えない。本末転倒ですよね。
忙しくて子供の命が守れないって言ってはダメでしょ。優先順位をしっかり決めて、そうじゃないところは思い切って見直す。(やめるものは)やめる

74人もの子供の命が奪われた大川小学校。
二度と繰り返さないために必要なことは何か、考え抜いてほしいと佐藤さんは訴える。

佐藤敏郎さん;
方向性、結論ありきではなくて、結果まとまったものにならなくてもいいので、学校現場に子供たちの命に、未来の方向性が示せるようなものにしてほしい

(仙台放送)