児童虐待事件で相次ぐ無罪判決

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オオシバくん:
児童虐待事件で無罪判決が相次いでるみたいだね?

平松デスク:
先日、東京地裁立川支部で審理された虐待事件では、傷害致死の罪に問われた父親に無罪判決が言い渡された。
また、大阪高裁では母親に対して逆転無罪判決が言い渡された。
いずれも、乳幼児揺さぶられ症候群の理論が争点になっていた。

乳幼児揺さぶられ症候群とは、赤ちゃんの頭を激しく揺さぶるなどして脳に損傷を負わせること。
もともと、アメリカから入ってきた児童虐待の考え方。
だからSBSとも呼ばれている。
シェークン・ベイビー・シンドロームの略称さ。

赤ちゃんの脳は、とても柔らかくて、ダメージを受けやすいでしょ。
それなのに、イライラした親が赤ちゃんを激しく揺さぶるなどした結果、赤ちゃんが亡くなったり重い障害が残ったりするんだ。
日本国内では、少なくとも10年以上前からこのSBSによる児童虐待が事件化されていたと思う。

かつて、このSBS事件を取材した記者に『とても、赤ちゃんをあやしたり、高い高いでは、そんな風にならないような脳の状態になるそうです』と聞いたことがある。
当時は、赤ちゃんを揺さぶって虐待になるんだ~と不思議に思ったが、その後、このSBSによる虐待は、全国各地で事件化され始め、児童虐待の類型の一つとして定着した感があった。
ところが、近年はSBSによる虐待で無罪判決が相次いでいるんだ。

専門家の間でも意見が分かれる

オオシバくん:
それは、なぜ?

平松デスク:
そもそも、SBSの理論とは、赤ちゃんの頭の中で3つの症状が確認されたら児童虐待を疑いましょうね。という考え方なんだ。
その3つとは、急性硬膜下血腫、眼底出血、脳浮遊のこと。
この3つの症状が見られたら、交通事故に遭ったり、高いところから落っこちたような状況がないんだったら、それは、児童虐待以外に考えられないですよね、というのがSBS理論なのさ。

ところが、近年相次いでいる無罪判決では、SBSだけで児童虐待を推認するのは、『無理があるでしょう』という判断が出されているんだ。
専門家の間でも意見が分かれているから、その辺も無罪判決の背景にあるんだと思う。
とは言え、警察・検察当局には、決して捜査に及び腰にならず児童虐待と立ち向かってもらいたい。

【解説:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】