2019年に東京・池袋で起きた暴走事故で、東京地裁は、旧通産省幹部の飯塚幸三被告(90)に禁錮5年(求刑:禁錮7年)の実刑判決を言い渡した。

飯塚被告は、2019年4月19日午後、豊島区東池袋で、車を暴走させ、歩行者を次々とはねて、松永真菜さん(31)と娘の莉子(3)ちゃんを死亡させ、9人にケガをさせた、過失運転致死傷罪に問われている。裁判では「ブレーキとアクセルを踏み間違えていない。車に異常があった」などと一貫して無罪を主張していた。

暴走事故が起きた現場(2019年4月19日)
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2日の判決で、東京地裁は「飯塚被告がアクセルとブレーキの踏み間違えた」として過失を認定。量刑の理由として「亡くなった母子の無念は察するに余りある。遺族らは一様に、飯塚被告に対して峻烈な処罰感情を有している」と指摘した。さらに「飯塚被告が事故に真摯に向き合い、深い反省の念を有しているとは言えない」と断じた。

一方で、飯塚被告にとって有利に考慮すべき事情として「90歳と高齢で、体調も万全ではないこと。厳しい非難を受けるなど過度の社会的制裁が加えられている点」などを挙げた。

松永拓也さんは、遺族として、被害者参加制度を使い、裁判に参加していた

その上で、「飯塚被告に有利な事情を踏まえても、過失の重大さや結果の甚大さなどからすれば、実刑は免れない」として禁錮5年を言い渡した。

禁錮とは、懲役と違い、刑務所に収容されても刑務作業が強制されない。控訴するかどうか分からないが、飯塚被告は被告人質問で、有罪判決をうけても控訴しない意向を示していた