3年前にUターン…立ち上げた会社でJAと業務提携

宮崎・延岡市の伝統野菜と赤味噌で味付けした、純国産の「延岡メンマ」が開発された。
放置された竹林の解消をめざす取り組みのひとつで、このメンマには規格外のタケノコが使われている。

「延岡メンマ」は、規格外の大きくなったタケノコを原料に、地元のトウガラシと赤味噌で味付けされている。福岡県のメンマ工場で製造、2020年11月から本格的に販売されている。

規格外のタケノコが原料の「延岡メンマ」 地元のトウガラシと赤味噌で味付け
規格外のタケノコが原料の「延岡メンマ」 地元のトウガラシと赤味噌で味付け
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「延岡メンマ」を開発したのは、延岡市の江原太郎さんが立ち上げた会社・LOCALBAMBOO(ローカルバンブー)。江原さんは、3年前にUターンした。

LOCALBAMBOO 江原太郎代表:
東京から延岡に帰ってきた時に、実家の山と畑を見に行った。そこで以前の姿と違っていて、竹が邪魔だった。その竹をどうにかしたいと調べていたら、メンマにいきついて作るきっかけになった。

LOCALBAMBOO 江原太郎代表
LOCALBAMBOO 江原太郎代表

規格外タケノコがピリ辛メンマに…新たな食べ方も提案

LOCALBAMBOOの江原さんは、タケノコを安定的に確保するため、2021年、JA延岡と業務提携した。

育ち過ぎの規格外のタケノコは、これまで捨てられていたが、来シーズンからは「延岡メンマ」の原料として本格的に出荷される。

JA延岡たけのこ部会 小野幸男さん:
今まで廃棄されていたタケノコを使うので、メリットがあると思います。収益につながるということであれば、なおさらですね。

延岡メンマは、食べるメンマとして開発された。
味付けには、地元延岡市の醸造所が製造している赤味噌が使われている。

渡辺味噌醤油醸造 渡邊源工場長:
若い人が地元のことを考えて、しかも延岡の材料を集めて作っていることに感銘を受けました。ちょっとでも手伝いができたことをうれしく思います。

また、伝統野菜「内藤とうがらし」の粉末が使われ、ピリ辛に仕上げられている。

伝統野菜「内藤とうがらし」。粉末が使われ、ピリ辛の「延岡メンマ」に使用される
伝統野菜「内藤とうがらし」。粉末が使われ、ピリ辛の「延岡メンマ」に使用される

内藤とうがらし生産者 松田宗史さん:
国産メンマを作ろうという動きはあちこちであるが、国産のオーガニックで育てたトウガラシを使っていて、ヒットするのではないかなと思っている。

国産メンマの一大産地に…放置竹林の解消に一役

江原さんは延岡メンマの消費拡大のため、メンマトーストやメンマカルボナーラなど、新たな食べ方も提案。
国産メンマの一大産地を目指している。

延岡メンマの消費拡大のため、メンマカルボナーラなど新たな食べ方を提案
延岡メンマの消費拡大のため、メンマカルボナーラなど新たな食べ方を提案

LOCALBAMBOO 江原太郎代表:
延岡メンマを知ってもらうことで、放置竹林問題を知ってもらうこともできると思っているので。放置竹林の問題は延岡だけではないので、困っている人と一緒に(ご当地メンマの)プロジェクトを、例えば味付けを変えたりして、できればなと思っています。

LOCALBAMBOO 江原太郎代表
LOCALBAMBOO 江原太郎代表

「延岡メンマ」の缶入りは、100グラム1,500円で販売されている。

「延岡メンマ」缶入りは100グラム1,500円で販売されている
「延岡メンマ」缶入りは100グラム1,500円で販売されている

タケノコ生産量の5年ごとの推移をあらわした資料によると、1989年(平成元年)から極端に生産量が減少。
ここから、タケノコを出荷する竹林を整備できる担い手が大きく減少していることがうかがえる。

そんな中、地元延岡市の食材にこだわった「延岡メンマ」は、放置竹林の減少にもつながる新たな街おこしの取り組みとして注目されている。

(テレビ宮崎)

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