クルーズ船で新たな感染者...厚労省はある決断をする

2月13日、横浜湊に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに44人の感染者が確認された。これで船内の感染者は計218人にのぼった。

こうした中、厚生労働省は、乗客の中の持病がある人や、80歳以上の高齢者を対象に優先して下船させる方針を決め、14日にも下船を開始する見通しだと発表した。

加藤勝信厚労相:
「男性が111名、女性が107名。日本の方が110名、日本以外が108名です。船内ではご高齢で、基礎疾患を抱えている方もいらっしゃいます。年齢・基礎疾患などを含め、リスクが高いと考えられる方にPCR検査を逐次実施し、陰性が確認された方が希望すれば、下船をして政府が用意する宿泊施設で生活をするということになりました」

乗客「戻ってくるなという声も聞いている」

「ダイヤモンド・プリンセス」では2月3日から検疫が行われており、乗客は2月5日から起算して14日間は船にとどまってもらう予定だった。感染が拡大する中、予定通り19日に下船することは可能なのだろうか?

「直撃LIVEグッディ!」は船内に残っている乗客の70代男性に話を聞くことができた。

乗客の70代男性:
今のところ19日の下船を確実に、陰性の者は降ろしてもらいたい。陰性か陽性かの判断をどういうふうにするのかなと思っているのが不安材料ですね。

Q.下船した場合はどのように過ごす?

乗客の70代男性」:
人さまに迷惑かけないように、許されて下船しているけれど、できるだけの最低の用事で、それ以外不要な外出は避けたいと思っています。「自宅から数日間、ある程度の期間は出ない方がいいよ」「買い物は全部、我々身内がやって届けるから」という電話は前から入っているので。やっぱり世の中はそれだけわれわれのことを警戒している。そういう風潮になっているのかなと、一週間くらい前から覚悟はしています

男性は、クルーズ船の乗客に対する偏見や差別を、肌で感じているという。

乗客の70代男性:
自分が悪いことをしたようなんですけど、外部から連絡が入るとそういう雰囲気なんですよね、どう見ても。例を挙げると、私もいくつか予定が入っていたんですけど、“向こうからもう少し延期しよう”という形と、私の方から2つ会議を断りました


陰性の判定をうけて下船した後も、周囲に不安を与えないように予定をキャンセルしていると語った男性。

さらに、息子の成人を祝うために親子で乗船したという、50代女性にも話を聞いた。

乗客の50代女性:
あやふやな“希望者は下船してもいいですよ”と言われたら…、降りないですよね。本当に国が“この人たちは大丈夫です”っていうのをいただいてからじゃないと、帰るのも心苦しいですよね。もちろん早く帰りたい、帰れればと思うんですけど、やはり(新型ウイルスを)持って帰っちゃうわけにはいかないので

この女性も船で隔離生活を送る現在、船外からの厳しい視線を感じているという。

乗客の50代女性:
船が、2日に1回出るじゃないですか、沖に。また横浜港に戻ってくるときに「戻ってくるな」という声も聞いているんですよ。要は怖いですよね。“病原菌の塊”のように思っている方もいらっしゃるので、それはそうだなと客観的に見れば思いますし

Q.はっきりと証明してから降りたい?

乗客の50代女性:
そうですね。ご近所には小さい子供もたくさんいらっしゃるので。ぜひ笑顔で戻りたいです

「全員が病原菌扱いなのか」という悲しさも

乗客の50代女性には、グッディ!スタジオでも電話をつなぎ、話を聞かせてもらった。

倉田大誠アナウンサー:
現在、どのような環境で過ごされているのか教えていただけますか?

乗客の50代女性:
私は11階で、バルコニーのついているお部屋です。バルコニーに出ることができますので、外の空気を吸うこともできます。

安藤優子:
今のお気持ちや考えを聞かせてください。

乗客の50代女性:
船での生活自体は、おかげさまで、差し入れ等もどんどん届いています。スタッフの方も同じ立場なのに、本当に一生懸命、必死に対応してくださっていますので、船の中での生活は楽しむようにしています。

安藤優子:
そうなんですね。とは言え、部屋から出られない生活かと思います。どのように過ごされていますか?

乗客の50代女性:
映画とかを更新していただいたり、体操とかクイズとかをビデオで流していただいてます。あとは友人等と電話でお話したり、グループでLINEしたり。バルコニーに出た時はマスクを着用して、お隣の方とお話をしたりしています。

安藤優子:
みなさんと、どのような話をされているんですか?

乗客の50代女性:
今はですね、船が逆を向いたので「景色がいい」とか、前向きなお話が多いです。

安藤優子:
今回の新型コロナウイルスに関しては、お話されますか?

乗客の50代女性:
最初のころ、本当に下船させないと伺った時は「全員が病原菌扱いなのかな」と悲しさはありました。この人たちを降ろさなければ陸地に被害はない、降ろしたら被害がある、と1つに固められたような気がしていました。その話はしていました。

安藤優子:
自分たちが上陸することを阻止しようとしている、疎外感というんでしょうか。どのようなお気持ちでしたか?

乗客の50代女性:
ある意味、仕方ないのかなと思うんですけど。すぐに下船できなくても、どういう形にしろ対応していただけると思っていたんですが、かなり時間がたっております。きょうになって、ちょっとずつ高齢の方や持病をお持ちの方、(部屋が)内側の方から下船準備をするというお話をいただいたので、かなり安心はしております。

安藤優子:
下船準備の船内アナウンスなどはありましたか?

乗客の50代女性:
先ほどありました。ウイルス検査をする準備をしているということで。

絶対にウイルス検査をしてから帰りたい

安藤優子:
ご自身はウイルス検査はお受けになられましたか?

乗客の50代女性:
いえ、私たちはまだ毎日熱を測っている段階で、していません。けれど、やはり私たちも最後にはウイルス検査をしていただきたいと強く思います。

安藤優子:
ご自身の考えとしては、全員ウイルス検査をした上で下船したい?

乗客の50代女性:
そうです、それは絶対ですね。(検査しなければ)帰れないです。症状が出ないけど感染、というのも聞いていますので、その辺はしっかりやってから戻りたいです。

安藤優子:
ご家族がみなさんお待ちだと思います。どんな話をしてらっしゃいますか?

乗客の50代女性:
「早く戻って来て」という声も聞くんですけど、私も早く帰りたいんですけど、時間がかかっても仕方ないと思います。検査をして、陰性を確認してから戻りたいです。

安藤優子:
本当に一刻も早く検査を受けられて、笑顔で下船されることを心から祈りたいと思います。下船にあたって、みなさん、自分が悪者のように思われていることを不安に思っている。皆さんは被害者でいらっしゃる、また防疫体制に対しての協力者でいらっしゃるのに…。

尾木直樹(教育評論家):
体を張ってくれて感謝すべき対象の方であって、悪者でもなんでもない。勝浦の方はみんな(ホテル三日月の宿泊者を)応援したりしていましたね。ああいう映像はどんどん流してほしいなって思います。みんなに見えるようにしていけば、誰も悪者扱いしたりとか、子供たちの間でいじめが起きるとか、そういうこともないと思います。

(「直撃LIVE グッディ!」2月13日放送分より)

【関連記事】
ダイヤモンド・プリンセス、新たな感染者の中に検疫官も…誰がいつ感染するのか? グッディ!独自取材「船内の10人の証言」から見えた集団感染が増え続けるワケ