砂ぼこりをあげ転げ落ちてくる巨大な岩。「危ないよ、落石だよ」と何度も叫ぶ声が響きます。

これは28日午前、富士山の宝永火口で撮影された映像です。

目撃した人によると岩の大きさは軽自動車ほどあり、火口の中を通る登山道に向かって転げ落ちてきたということです。

映像では人の背丈ほどの巨大な岩が猛スピードで転がり落ち、数人の登山者が慌ててよけようとする様子も確認できます。

一歩間違えれば大惨事となっていた可能性もあり、近くにいた登山者は放心状態となり怖くなったのかすぐに下山した人もいたということです。

目撃した人は「寒気がするような出来事だったが皆さん無事でよかった。登山ではこうした落石の危険もあり登山者は十分に注意してほしい」と話していました。

同僚3人と登山をしていた富士市の吉田隆俊さん(49)は、急な上り坂で息を切らしていたところ、ゴロゴロと雷のような音が聞こえ、振り向くと砂ぼこりを上げながら岩が落ちてきました。

最初は珍しいものが見えたと楽観的に考えていましたが、落石は登山道に向かってきました。そこには何人も登山者が。気づいていないかもしれないと「落石ですよ」と必死で声をかけました。

吉田さんたちはケガ人がいないか確認するため、登山道を引き返しました。小学校低学年の男の子を連れた母親は、手の震えが止まらない様子でした。岩に座って休憩していた高齢の登山者は、リュックを持たずに逃げると、落石はその岩にぶつかったと話しました。幸いケガをした人は見かけませんでしたが、もう少し時間がずれていたら、自分が巻き込まれていたかもしれないと思ったそうです。

吉田さんは「登山のポジティブな面しか見ていませんでしたが、危険もあるという当たり前のことに気づかなければいけないと思いました」と話し、仲間が動画を公開することにしたということです。