事件当日の朝 近所で目撃された“異変”

花森弘卓容疑者(25)は、8月24日、地下鉄の白金高輪駅で22歳の会社員男性に硫酸とみられる液体をかけ、全治約6カ月の重傷を負わせた疑いがもたれています。

花森容疑者は、被害男性と沖縄の琉球大学で先輩と後輩としてサークルで知り合っていました。
なぜ、後輩を硫酸とみられる液体で襲撃するという容疑で逮捕される事件に発展したのでしょうか?
めざまし8は、その足取りと容疑者の背景について取材を進めました。

花森容疑者の自宅は静岡市葵区にある一戸建てです。
近所の方の話では、両親はすでに他界していて、1人暮らしをしているといい、玄関周りにある植物も伸び放題の状態。全く手入れがされていないような状況になっていました。

現在は、静岡大学農学部に在籍。
慌てて家を出たのか。家の電気は、ついたまま。
事件当日の朝、容疑者を見たという住人は異変を口にします。

近隣住民:
24日朝9時半頃、整理整頓して駐車場というか、ガレージを綺麗にお掃除してたんですね。植木鉢が転んでるのを起こして、きちんと並べるとか綺麗にしてたんです。
いつも足の踏み場もないような、いろんな物が散らばっていたので、綺麗に整頓していたところでした。いつも日常の生活じゃないなって感じで。

警視庁によると、自宅から硫酸やその他の薬品、関連する書籍などは見つかっていないといいます。

近隣住民:
昔からずっと見てて、お母さんにずっと、とにかくべったりだから。一緒にずっといたからね、おとなしそうに見えました
お父さんがいて、お母さんが中国人かな。お父さんはマッサージというか、整体をやっていたんですよ。だけどあのうちを建てて、じきに亡くなっちゃったみたい。
奥さんも、いつのまにか亡くなったって聞いたんですよ。
ごく感じのいい普通の青年。

「昆虫好き」卒業文集の内容と一貫した進路

捜査員がガレージの中を調べ、特に冷蔵庫を開けて中まで確認。下の段のさらに奥のところを開けて写真を撮ります。
そこで発せられたのは「この中、カブトムシ」「カブトムシ?」
「カブトムシ」という言葉。

近所の昆虫ショップの店員:
(最後に来たのは)半年前の冬くらい。6,7年前から来ている。
カブトムシ・クワガタを飼っていたと思う。育てる話をした。どう生ませたらとか。

見えたのは「生物好き」の一面。
実は、これは少年時代から一貫したものでした。小学校の卒業文集にもその一端が綴られています。

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(小学校の卒業文集)
五年、六年とも担任は〇〇先生です。
ふだんは厳しく教えてくれますが、両親にはいつも僕の長所だけ伝える事をしてくれているので心から尊敬します。
小学校の二年間に一番尊敬していて親しく感じているのは校長先生です。
同じ昆虫好きでいつも親切に話して下さっています。

丁寧な字で理路整然と綴られた、担任の先生や校長先生への感謝の思い。
余白には、クワガタの絵が描かれています。
将来の夢は「生物学者」。それを実現しようと考えていたのか。
沖縄県にある琉球大学農学部に入学した花森容疑者。

大学時代の同じ学部学科の同級生を取材すると、容疑者に関する新たな証言が得られました。

琉球大学の同級生:
あまり人付き合いが得意というよりは、一人でなにかするようなことが得意なタイプだった。
印象に残っているエピソードは、よく生物系の話をしていたということです。生き物は好きだったイメージ。なんか生き物、家でいろいろ飼っているみたいな話はしていたと思います。
もともと生物が好きで農学部に入ったみたいだったのですけど、それでうちの学科が物理系だったので、生物系の学科に転科しようとして転科試験を受けてるって話を聞いてはいたんですけど、学年が上がってから見なくなって…

在学中、好きだった生き物をめぐり、ある問題があったと話します。

琉球大学の同級生:
なんかその沖縄県内の生物、沖縄県内にしか居ない生物を勝手にオークションで出して、それが問題になって。それって、常識的に考えてまずいことなんで、そこら辺の判断の基準が本人つかない部分があるのか、
もしくは、わかっていてもなにか抑えられないものがあったのか、というふうに僕は思いました。自分の価値観を優先してしまうところがあったのかと思います。

大学内ではサークルを転々としていたという花森容疑者。
その過程で、映画研究会に入り、被害男性と知り合っていました。

事件後は、アルバイトを通じて知り合った宜野湾市の知人宅に滞在していたとみられ、28日  中城村で歩いていて、ベンチに腰掛けたその時、警察に声をかけられ身柄を確保されていました。
周辺を取材すると、その前日  花森容疑者らしき人物を公園のベンチで目撃したという住民がいました。

近隣住民:
27日の夜、息子と買い物に行ったんですよ。その時に真っすぐ道を通っていくとベンチがあるんですけど、公民館の中に。
ベンチに座ってまして。そのとき肩を落とされたような感じで。ぼーっとしてたんですね。ちょっと変だよねって、息子と話してて…普通じゃなかった。
ちょっと怪しいかなって思いました。

それが花森容疑者だとすればどんな思いでベンチに腰掛けていたのでしょうか。

警視庁は、2人は親密な関係ではなく、一方的に花森容疑者が被害男性へ何か恨みを募らせた可能性もあるとみています。

生物に関して執着していた面と、今回の事件とつながる部分はあるのか。
調べに対し「今は話したくない」と認否を留保しているということで、まだ事件の背景は明らかになっていません。

(「めざまし8」8月30日)