「涙が止まらなくて…」ようやくの下船に喜びの声

2月18日、新型コロナウイルスの感染者が新たに88人確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。
しかし、隔離開始から14日経過した19日、「陰性」と確認された乗客約500人が下船した。

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下船後は、港からタクシーで帰宅する人や、市営バスで横浜駅に向かう人などが見られた。
「直撃LIVEグッディ!」はバスが到着した横浜駅で、下船した乗客を取材した。

下船した乗客:
ほっとしましたよ!約1カ月乗りっぱなしで、しかも部屋に隔離されて。監視がいて一歩も外に出られなかったですから。足が地についたら、本当に涙が止まらなくて…本当にほっとしました。

Q.陰性と聞いたときは?

下船した乗客:

とにかく外にも出ないようにしたり、手すりだとかエレベーターに絶対乗らないようにして、人ともかなり離れて。そういうふうに自分で気を付けていたので、多分大丈夫だろうと思っていて。証明書を頂いたら、本当によかったと娘と孫も喜んでいた。自分も非常に安心した

下船する乗客・乗員には、日常生活に戻れることを保証する「上陸許可証」が渡されたという。

Q.陰性と聞いたときは?

下船した乗客:
これが一つの証になりますので、本当によかったということで、家内とも涙を流して喜んだ。

しかし、今後の生活については不安が消えないと話す。

下船した乗客:
陰性ということであっても、しばらくは外出だとか控えて、家でも中でも手洗いだとか。今まで以上に養生したいなと思っています

他にも「下船前にもう一度検査を行いたいと希望したが、なしのつぶてだった」「“感染源だ”って皆さんにみられるんじゃないかと心配」と、下船に心の底から喜べない乗客の姿も見られた。


「グッディ!」では、スタジオでも中継や生電話をつなぎ、下船した乗客の方から話を聞いた。

「下船して、もっと感動すると思ったが…」

広瀬修一フィールドキャスター:
きょう正午すぎに下船されたばかりのAさんにお越しいただいております。大変な中、お疲れの中、お時間いただいて本当にありがとうございます。下船されまして、今のお気持ちいかがでしょうか

Aさん:
ほっとしました

広瀬修一フィールドキャスター:
緊張感の続く2週間だったと思います。この2週間いかがでしたか

Aさん:
緊張の中の2週間だったんですが、なんとか14日間を夫婦二人で乗り切ろうという気持ちが初めから強かったので乗り切れたのではないかと思います

広瀬修一フィールドキャスター:
下船されて、アスファルトを踏んだ感触はいかがでしたか

Aさん:
もっと感動すると思いましたが、下船した感情どうのより、ほっとした方が最優先でした

乗船客が「一番イライラしたこと」とは?

広瀬修一フィールドキャスター:
陰性が確認されての下船となりました。検査は何度受けられて、そして陰性とわかったのはいつだったんですか?

Aさん:
検査は2回受けまして、2回目の検査を受けたのが2月14日だったと思います。結果が分かったのが昨日の夜。今まで14日間拘束されていたのと、その前のクルージングと合わせると約1カ月だったんですけど、その中で一番感動しましたね

安藤優子:
お部屋に隔離状態だったと思うんですが、船内の様子でお気づきになったこと、問題じゃないかと思ったことなどはありましたか?

Aさん:
まず、正確な情報が非常に遅く伝わってきました。我々は閉じ込められていたので、周りの様子がどうなっているか常に知りたいんですが、情報が遅く伝わってきたのが一番イライラしたことでした

安藤優子:
Aさんたちのお気持ち、情報を知りたいということはどなたかに伝えることはできましたか?

Aさん:
要望としてはかなり伝えることができたんですが、日本の厚労省の許可を得ないと発表できないと。この船は外国船なので本国とやりとりをして、船長の独断の情報だけでは流せないという回答がきました。そういうことで手間がかかって、我々に正確な情報をくれるのは時間がかかったんだなと理解をしておりました。最初のうちはイライラしていましたが、遅れてもしょうがないんだなと観念しておりました

「刃物類に不便」…予想だにしない規制も

安藤優子:
船側の対応で、食事等やシーツの交換など、自分たちの居住空間を衛生的に保つために船側が提供してくれたこと、こんなことがあればよかったなと思われることがあったら教えてください

Aさん:
船側はかなり気をつかっていろんなものを提供していただいたんですが、我々が希望した中でかなえられなかったもの、まずはハサミやカッター。というのも、袋に入ったものがかなり支給されるんですけど、我々年寄りは爪で開くことが出来ないので、ハサミやカッターがあればすっと開けることができたので…、なかなか苦労しましたね。一度カッターがどうしても必要なことがあったので借りたいと頼んだら、目の前で使って返さなければいけないということでした。それから船内で友達ができたので、その方に聞いた話では、「爪切りがどうしても欲しい」と言ったら、「衛生上の問題があるのでお貸しできない」ということを言われたそうです。刃物類は非常に不便しました

安藤優子:
私共が想像だにしないことが規制されていたんですね。お薬など、体調を崩されたりはしませんでしたか?

Aさん:
おかげさまで、血圧が高かったんですが、その薬は切らすことなく提供されておりましたので、安心はしておりました

安藤優子:
ご家族がお待ちかねだと思うんですが、ご家族との連絡は取れていましたか?

Aさん:
孫、せがれと嫁、メールや電話でやり取りしていました。こちらの状況も先方は分かっていましたし、孫たちの状況も常時入ってきてましたので、そういった心配はあまりなかったです

「当分の間は外出を控えて、自宅にいようと」

カンニング竹山:
後半にはクルーズ船で散歩などの時間もできたと思うんですけど、どうでしたか? いろんなお客さんとすれ違ったりされるわけですよね?

Aさん:
外出の時間は決められて1時間ほどなんですが、その時間は皆さん、対話よりは自分の体を動かすということで、歩いている姿がずっと目立ちました。夫婦であっても2mほど離れて近づかないように、という形で外出許可が出ておりましたので、ほとんどの方が会話はしていなかったと思います

安藤優子:
狭い船内の中で、外出といってもお散歩程度、だけど食事はどんどん来るという状況で、体調管理はとても大変だったんじゃないかと思います

Aさん:
運動不足にならないように、ラジオ体操だけは第1第2というのを、一日2回必ず欠かさずにやっていました。それで運動不足を補っておりました

安藤優子:
そうなんですね。今後についての不安などは感じられていらっしゃいますか?

Aさん:
我々はできるだけ皆さんに迷惑をかけたくないし、周りの方は我々をどう思っているか分かりませんが、あまり近寄りたがらないと思うので、当分の間は特別な用事がない限りは外出を控えて、自宅にいようと思っております。その方が、体が休まるんじゃないかなと、前向きに考えております

カンニング竹山:
今後の指示などは出ているんですか?

Aさん:
何かあった場合にはここに連絡してくださいと、電話番号を書いた用紙をいただきました。それからできるだけ、外出した場合には手を洗ったり、咳等をした時にはマスクやティッシュペーパーで保護してくださいという注意書きの書面はいただきました

「ワインをもらって気分をほんわかと」

下船した乗客のBさんにも話を聞いた。

安藤優子:
今どんなお気持ちですか?

Bさん:
結構あっちこっち旅に行くからね。だからこういうこともあるんだろうなと思って。ただ16日間の旅だったけど気持ちを切り替えて、1カ月の旅に切り替えました。そうなるとどうせ早く下船できないから、やっぱりその中で楽しむことを考えないと。ただ下船、下船って考えたってどうしようもないから、それなりに楽しむことを心掛けました

安藤優子:
船に乗ってらっしゃる間にどんどん感染者が出ました。こういう状況を聞くにつれ、どのようなお気持ちでしたか?

Bさん:
気持ちいいことではないけども、でもやっぱり最善の対策をとっているだろうと思うから、大丈夫だろうなって。私たちの船室はバルコニーもちゃんとあるところだから、気分転換は容易にできましたからね。閉じ込められているという感覚はなかったですね。

安藤優子:
そうですか。楽しむように気持ちを切り替えられたとおっしゃいましたが、具体的にはどのようなことをされていたんでしょうか?

Bさん:
まず時間を決めてストレッチをやるとかね。テレビもそれなりにNHKしか見られないけども、テレビをちょこちょこ見たりとか。あとは夕方にはワインを貰ってお酒を飲むと。お酒を飲むと気分がほんわかとなりますから。退屈は退屈だけど、そんなにストレスが溜まるということは考えなかったですね

安藤:
いまワインとおっしゃいましたが、お酒は出たんですか?

Bさん:
ワインは言うとちゃんと持ってきてくれましたよ。毎日一本くらいワインは貰えますよ

ポジティブな態度にスタジオから称賛の声

安藤:
そうだったんですか。Bさんのお話を伺っていると、積極的に1カ月の旅を楽しもうと切り替えられたというご様子が伝わりますが、一方でお困りになったことはなかったでしょうか?

Bさん:
特別、困るということは無かったですよ、私は。強いて言えば、食事の量が多いんですよね。食事の量が多くて食べきれなくて。だから翌日の食事を頼むときには「オンリーワンで、一食分でいいよ」って言うんだけど、なかなか言葉が通じなくて同じように持ってくるんだけど。だけど食事が合わないっていうのはしょうがないですよね。自分の家で作っているようにはいかないので。量を減らして、体重が増えないように食事調整も自分でして。私は女房と一緒に乗っていたんですけど、女房にも同じようなことを言って、女房を引っ張り出してストレッチをするとかね。だからやっぱり楽しむということに切り替えないと。つらい、つらいと思っていたら、乗っていても楽しくないですよ

安藤優子:
本当に素晴らしいお考えだと思います。どうぞご無事にご帰宅されますよう。お疲れも出ると思いますので、くれぐれもお大事にしていただきたいと思います。ありがとうございました

安藤優子:
Bさんは、楽しむという方向に切り替えたと

高橋克実:
すごいポジティブで、素晴らしい方ですね

生稲晃子:
ネガティブなことをポジティブに考えると行動も変わってくるっていう、認知行動療法っていう療法があるんですよね。それから心が疲弊してしまった時にそういったカウンセリングの方法もあります。まさにそれを実践されてらっしゃるというのは、素晴らしいなと思いました

(「直撃LIVE グッディ!」2月19日放送分より)