メルカリが無人ポスト設置…その狙いは

メルカリ・山田進太郎代表取締役CEO
サービス開始から6年半で急激に成長を遂げたメルカリ。現在、月間の利用者は1500万人を超えるまでになりました

メルカリ・山田進太郎代表取締役CEO
メルカリ・山田進太郎代表取締役CEO
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フリマアプリを運営するメルカリが2月20日発表したのは、売れた商品の発送を手軽にする無人ポスト。

QRコードをかざして出した伝票を箱に貼って、そのまま投函するだけで発送が完了する。

通常の郵便ポストには入らない厚さのものも投函可能だ。

これまでのコンビニでの発送作業と比べると…

これまで、売れた商品をコンビニで発送するときは、送り伝票の切り離しや伝票を入れる袋を荷物に貼り付けるなど、複数の作業を客が自ら行う必要があった。

メルカリ事業開発部・石川佑マネジャー
レジ待ちのお客さまを発生させてしまったりとか、そういったことが気になるお客さまに関しては、メルカリポストを使っていただくことで、気にせずに発送してもらえるのかなと。結果的には、より出品数やお客さまの数、裾野が広がると思っています

ヤマトグループと提携するこのサービス。

この夏から設置を始め、3年後までに駅構内やドラッグストアなど、全国5000カ所に広げる計画だ。

商品の保管・梱包・発送までおまかせする新サービスも予定

さらに、売りたい商品の保管、梱包、発送までをおまかせできるサービスも開始する予定。

家庭に眠る不要品の資産価値は、7.6兆円とも試算される中、発送にかかる手間を省くことでさらなる市場拡大を狙っている。

コンビニ発送が抱える問題点とは…

内田 嶺衣奈キャスター:
実際にコンビニでこういったメルカリのようなフリマの発送であったり、インターネット通販の受け取りをする人は多いのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
メルカリだと半数以上がコンビニで発送しています。私も首都圏コンビニでアルバイトしていて、駅前立地だと一日40件、住宅立地でも一日10~15件の受付が来るんですね。しかし通常の商品売買の約2倍以上の時間がかかるので商品購買の方が後ろで待っていると帰ってしまったり、人手不足も重なっているのでオーナーが悲鳴を上げる状況にもなっています

渡辺広明氏
渡辺広明氏

内田 嶺衣奈キャスター:
そういった背景があるということで、よりコンビニ側への無人ポストのメリットは大きくなっているのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね。問題はコンビニに入る手数料が少ないことなんです。経済産業省のコンビニのあり方の検討委員会でも指摘していますが、通常コンビニは商品を売ると1人当たり180円ぐらいの利益が入ってくるんです。でもインターネット通販メルカリのサービスの手数料は大体80円以下。2倍ぐらいの手間がかかるわりには半分の金額しか入ってこないということで、コンビニもこうしたサービス展開の是非を考えないといけなくなっているんですね。メルカリ側も半分以上がコンビニ発送なので、もしコンビニで受付できなくなると大きな影響が出るということで今回の無人ポストを積極的に展開する流れになっているのかなと思います

内田 嶺衣奈キャスター:
人手不足自体が今後も続いていくことが予想されます。今後無人ポストを見かける機会はますます増えていきそうです

(「Live News α」2月20日放送分)

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