企業で相次ぐ“テレワーク”推奨

新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、企業の間で、職場に出勤せずに在宅などで働く“テレワーク”を推奨する動きが広がってきた。

リクルートホールディングスは2月18日から順次、従業員にテレワークの実施を推奨することを決めた。ソニーも同日、テレワークを推奨する通知を従業員に出している。

また、武田薬品工業は国内のグループの従業員約5500人に対し、可能な限り、テレワークをするよう指示。新生銀行もグループの約5400人の社員に可能な限り、テレワークを行うよう呼びかけている。

この他にも、NEC、富士通、日本たばこ産業(JT)などがテレワークを推奨する動きを見せているのだ。

先陣を切った企業のひとつがNTTで、グループ各社のおよそ20万人の従業員に2月17日からのテレワークを呼びかけた。

しかし、従業員の大多数がテレワークを希望した場合、業務に影響はないのか? また、NTTはこれまでにもテレワークを推進してきたが、その際にどのような課題が浮かび上がってきたのだろうか。NTTの広報担当者に話を聞いた。

「今のところ、影響は出ていない」

――今回、呼びかけたのはテレワークだけ?

テレワーク以外にも、主に以下のような呼びかけをしています。

・時差出勤の積極的な活用
・集合会議の自粛(電話・テレビ会議の活用)
・体調不良の場合については出社させず、必要に応じて医療機関の受診を勧める
・中国方面への渡航の原則禁止および中国方面への出向・出張者の早期帰国対応


――どのような考えがあって、このような呼びかけを行った?

2月13日に国内で初の死者が出るなど、新型コロナウイルスの感染が日本国内でも拡大してきており、感染予防対策の実施および強化、感染確認時の迅速かつ的確な対応をすることで、社員の安全確保に最大限、努めたいと考えております。


――対象となるのは正社員のみ?

一概にはお答えできかねます。


――従業員の大多数がテレワークを希望しても、業務には影響はない?

今回はあくまでも、テレワークの積極的活用となりますので、実際に活用してみて業務への影響を見ていこうと考えております。

また、テレビ会議システムの整備など、テレワークで業務を行う環境は整えています。

――呼びかけから4日ほど経つが、何か影響は出ている?

今のところ、影響が出ているという話はあがってきていません。


――今回の呼びかけは感染拡大が収束するまで続ける?

期限は特に定めておりません。安全確保に最大限努めるといった趣旨を鑑みて、判断する予定です。

「連絡を遠慮してしまう」が課題

――NTTではこれまでもテレワークを推進している。これまでの取り組みで気づいた課題は?

“テレワークを実施している従業員”とのコミュニケーションが、“出社している従業員”と比べると希薄になってしまうケースが多いという点が課題だと認識しています。

現在は、“テレワークを実施している従業員”との連絡は、メールおよび電話が主流になっているため、連絡をどうしても遠慮してしまうところがあります。

社内用のチャット導入も進めており、今回の呼びかけをきっかけに利用の促進を進めていきたいと考えております。

また、リモートワークをする際にも、仕事の計画、進捗、結果について、上司と部下が認識合わせをする場である「1on1ミーティング」も今後、積極的に実施していきたいと考えています。



今回、テレワークを呼び掛けているのは大企業が多い。中小企業では、テレビ会議システムの整備やセキュリティー対策などが必要なため、普及が進んでいないようだ。
働き方改革としてのテレワーク導入が当初の目的であったはずだが、今回のような非常時に、大企業に限らず、中小企業もテレワークを推奨できるよう、支援などで体制を整える必要があるのではないだろうか。


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