父・勇一郎被告「深く後悔しています」

傍聴希望者が400人以上並んだ千葉地裁。去年1月、小学4年の栗原心愛(くりはら・みあ)さん(当時10)が虐待を受けた末に死亡した事件で2月21日、父親である勇一郎被告の初公判が開かれた。

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心愛さんに十分な食事を与えず浴室でシャワーを浴びせるなどの虐待の末に死亡させた傷害致死などの罪に問われている。

「未来のあなたを見たいです」

心愛さんは亡くなる3カ月前に自分へ宛てて書いた手紙には「未来のあなたを見たいです。あきらめないでください。」と書いていた。

21日午前11時始まった初公判。黒いスーツ青いネクタイ姿で入廷した勇一郎被告の髪は短く、法廷に入る際に5秒ほど深く頭を下げた。

心愛さんは小学校のアンケートで「お父さんに暴力を受けています。先生どうにかできませんか。」とSOSを出していた。

勇一郎被告は冒頭、涙を流しながら「娘にしてしまったものはしつけを超えたもので深く後悔しています。未来のみーちゃんを見たかったです。本当にごめんなさい」と述べた。

しかし、「罪は争わない」と述べたものの、「食事を与えなかったことは一度もなく、冷水を浴びせ続けたこともしていません」と起訴内容の一部を否認した。

一方、検察側は冒頭陳述で「被告人は頑固で自己主張の強い性格で、ストレスのはけ口として心愛さんを繰り返し虐待していた。日常的、継続的虐待の末、死亡させた事件だ」と指摘した。

検察側はさらに「勇一郎被告が心愛さんの母親と一度離婚し、再婚した後、次女が生まれたことから心愛さんを疎ましく感じるようになった」とも指摘した。

勇一郎被告は検察側の陳述を時折白いハンカチで涙をぬぐいながら聞いていた。

続いて行われた弁護側の冒頭陳述。起訴内容をおおむね認めるとした一方で「教育と考えていたが結果として行き過ぎたものだった。日常的に暴行があったわけではない。」と主張した。

21日の裁判で証拠として、勇一郎被告の携帯電話に保存されていた心愛さんが大声で泣き叫ぶ動画の一部が流されると女性裁判員が泣き出し、休廷となる場面もあった。

裁判は来週以降も行われ、3月19日に判決が言い渡される見通し。

(「Live News it!」2月21日放送分より)