漫画で若い世代に交通安全を呼びかけ

2019年11月、盛岡情報ビジネス専門学校のデザイン科に、盛岡東警察署・佐々木敏也交通第二課長が漫画制作を依頼した。

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盛岡東警察署管内では、2019年 自転車の人身事故が90件と、2018年より34件も増えてしまった。
特に若い人たちが事故にあうケースが目立っていて、若い世代に効果的な呼びかけとして4コマ漫画が考えられた。
警察が事故の傾向などアイデアを出して、デザイン科の学生がマンガにしていく。

デザイン科の学生:
少しでも役に立ちたいと思っているので、全力を尽くして描きたい

「事故を減らしたい」

学生に渡された原画を書いたのは、盛岡東警察署の青木崇交通第一課長。

デザイン好きが高じて、2019年は交通ルールを楽しく学べる「すごろく」を自分で作った。

「今度は学生とコラボしたい」とこの企画を立ち上げたが、警察庁での研修のため、10月から4カ月間、東京で暮らすことになった。
そこで、もう1人の交通課長が引き継いだ。

盛岡東警察署の交通課は、県内最大規模の署員を抱えるため、広報などを担当する一課と事件捜査を担当する二課に分かれている。
青木さんの代わりに、普段広報活動に携わらない佐々木敏也第二課長が担当することになった。
下書きを眺めながら、完成を心待ちにしていた佐々木交通第二課長。

盛岡東警察署・佐々木敏也交通第二課長:
(赴任した)交番の前で死亡事故があり、交通課の警察官の捜査を見てから交通を志望するようになった

交通分野で約15年。悲惨な現場に立ち会うたび、事故を減らしたいという気持ちは強くなった。
その気持ちに応えるかのように、学生たちも黙々と描き進めていく。

自転車通学の学生も多く、自身の体験も反映した。

学生:
スマホの画面を見ながら運転しているというテーマで描いている。自転車使いながらスマホとか見かける

作品は1月には完成し、あとは審査結果を待つばかりとなった。

「署長賞」として表彰

2月13日にあった表彰式。
28の作品の中から、3点が「署長賞」として表彰された。

これは、受賞した紺野有希さんの作品。

柳澤吉美さんは、一時停止の大切さを伝える。

力作ぞろいで佐々木課長もほっと一安心。

盛岡東警察署・佐々木敏也交通第二課長:
質が高い作品ができた。非常に感謝しています

しかし、企画した青木第一課長の姿はない。
表彰式の5日前、4コマ漫画が展示されているデザイン科の展覧会に、青木第一課長の姿があった。
研修と重なり、表彰式には出られなかったが、立ち上げた企画の行方をこの目で確かめた。

盛岡東警察署・青木崇交通第一課長:
原画をはるかに超えるクオリティーで素晴らしい。佐々木課長が事故現場の捜査をふまえて学生に伝えてくれた

事故防止へ、警察と学生のタッグ。
今後は、選ばれた10作品をまとめたチラシが管内の高校に配布される予定。

(岩手めんこいテレビ)

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