働く世代が選ぶ老後
人生100年時代。
働く世代が選ぶ老後は生涯現役か、それとも悠々自適か、夫と妻で、意識のズレが浮かび上がってきた。
人材総合サービスを展開するスタッフサービスが、20代から40代の共働き世帯およそ1,200人に行った、夫婦の働き方と定年に関する意識調査。
65歳以上を定年とした場合、まず、何歳まで働きたいか尋ねたところ「定年を過ぎても働きたい」人が25.1%にのぼることがわかった。
また、妻だけを見ると「定年後も働きたい」と考えている人は21.9%で、5人に1人は定年後の就労に意欲的という結果に。
一方、「妻に定年後も働いてほしい」と考える夫は12%にとどまっており、調査では、定年後も働きたいと考えている妻の気持ちに気付いていない夫が一定数いるのではと分析している。
さらに、定年後も働きたいと思う理由について尋ねると、男女ともに「金銭的にゆとりある暮らしのため」が69.8%でトップに。
一方で、「健康のため」(女性:46.3% 男性:30.3%)や、「社会とのつながりを維持するため」(女性:42.6% 男性:34.3%)と回答したのは、男性より女性の方が多く、ここでも男女間のギャップが浮き彫りとなっている。
街の人の声は…
三田友梨佳キャスター
定年後はゆっくりしたいでしょうか、それとも働く予定でしょうか。街で聞いてみました。
情報系(20代・独身)
できるなら働きたくない。
働かざるを得ないという部分は多少なりともあると思う。金銭的な面だったり、食べていかなくちゃいけないという思いがあるので継続的に収入を得る方法は自分ではなかなか思いつかない。
IT系(50代・結婚25年目)
(奥様には働き続けてほしい?)
そう思います。金銭的にも厳しいので。
家のローンもあるので働かなきゃいけないからなと思いますけどね。
IT系(30代・結婚5年目)
働かなくなったら病みそう。夫は常に仕事を辞めたがっている。定年後も働いてほしいかな。
金銭的にちょっと不安がある、年金もらえないかもしれないとか。宝くじ当たったらやめちゃうかもしれない。
経営者(70代・結婚43年目)
生きることが何かといったらハッピーであり続けたいと思うわけでしょ。それは社会に参画して心から燃焼することが一番良い。「今日は何をしようか」と毎日毎日思うのはきついと思うよ。
(夫婦で働いていていいことは?)
やっぱり充実しています、毎日がそれなりに。
再雇用後の報酬制度の見直しも
三田友梨佳キャスター
最後の男性は充実されているのが表情からも伝わってきましたけど、石倉さんはどうお考えですか?
(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
高齢者になって再雇用される場合、元々の給与の2割から多い方だと5割ほど給与が減って働いているケースがある。これは再雇用された後稼ぎすぎると老齢年金や給付金が減ったりもらえなくなるということがあるのでそういう働き方をされている方が多い。
しかし、これはもともと年金が潤沢に出てくるということありきでできている制度で、年金自体が危ぶまれ、厳しくなっている中、再雇用された後の報酬制度もあわせて見直されてくるということが出てくると思います。
三田友梨佳キャスター
制度を作り直す際には何がポイントとなってくるんでしょうか?
(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
いくつになっても新しいスキルを身につけたり、チャレンジをして稼ぎたいという方もいると思いますし、そうじゃなくて自分のペースにあわせて働きたいという方もどんどん出てくると思います。年齢に限らずそういった方達が自分にあった働き方ができる、そういった選択肢を社会としてどう作っていくかというのがこれからのテーマだと思います。
三田友梨佳キャスター
定年後の働き方は人それぞれですが、できるだけ早い段階で考えておくことも大切なのかもしれません。
(「Live News α」2月25日放送分)