支持率急落の原因は?

フジテレビの世論調査で安倍内閣の支持率が急落した。不思議な事に同じ日に実施したテレビ東京の調査では支持率は下がらなかった。これではコロナ肺炎と桜を見る会が支持率にどう影響しているのかわからない。国民も混乱しているのかもしれない。

FNN世論調査より

ただフジとテレ東の調査で共通しているデータもある。

例えば新型コロナへの政府の対応を「評価する」がフジでは46%で、「評価しない」の45%を上回っており、テレ東も「評価する」の40%に対し、「評価しない」は50%で、双方、思ったほど「評価しない」が高くないのだ。

ネット上では日本政府の対応は「全くダメ」で、世界中から「バカにされている」と日本をディスる投稿が蔓延しているのだが、国民は事態を冷静に見ているのだろう。

政府の情報提供に対する評価は?

支持率への影響をあえて考えれば、政府対応をある程度評価するにせよ、結果的にこれだけの感染が広がったことに対する「結果責任」が一つ。もう一つは、フジの「政府の情報提供は十分か」の問いに対し69%が「思わない」と答えていることだ。

未知の感染症に対して、その封じ込め対策がもちろん最も大事だが、同じくらい大事なのが国民への周知、啓もう活動だ。日本政府にその意識が足りなかったのではないか。

フジの調査ではさらに厳しい入国制限措置が「必要」だと76%が答えている。これについては訪日を控える習近平に安倍首相が「忖度」したのではないかとの見方があるが、
入管法では「日本の利益や公安を害する者」しか入国制限できない。

安全重視か人権尊重か

この法解釈をめぐって政府内で「安全重視」派と「人権尊重」派が対立し、結果的に湖北省だけ入国拒否という中途半端な対応になってしまったというのが真相ではないか。

おそらく強硬な措置に慎重になったのは官僚側と思われるが、それはこれまでもこのようなケースで行政訴訟になったことがあるからだ。

「安全」と「人権」の天秤問題は危機において常に表面化するが、今回の政府の対応の水際防止が甘かったと批判するならば、その前にまず憲法改正における非常事態条項の創設など、日本ではタブーとなっている「安全のための人権の制限」について踏み込んだ議論をすべきだと思う。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

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