25日、千葉県で新型コロナウイルス感染者の3人が、同じ「スポーツジム」を利用していたことがわかった。
このジムは3月3日まで臨時休館を決定。同ジムを使う約600人は、濃厚接触者として今後 健康観察などを行うという。
24日に緊急会見を開いた政府の専門家会議は、感染を広げないために一般の人ができる対応として、感染を防ぐためのポイントとして、食事会や飲み会など他人と「近距離で接触すること」や「一定以上続く会話」、それらを「多くの人と交わす環境」を避けるよう求めた。
そう考えると、不特定多数の人が通う「スポーツジム」は同じ器具を使ったり、利用者が近距離で汗をかいていたりと感染の可能性を注意しなければならない環境ではないだろうか。
各社がどんな感染対策をしているか調べてみた。
ティップネスの場合
169店舗を展開するティップネスは、19日に公式サイトで新型コロナウイルスの対策を発表している。
そこには、従業員がマスク着用で接客する場合があることと、体調がすぐれない時は利用を控えて欲しいということが書かれている。
コナミスポーツの場合
「エグザス」などのスポーツクラブを展開するコナミスポーツは、2月18日に公式サイトで新型コロナウイルスの対策を発表している。
それによると、施設ではアルコール除菌剤を増設し、合わせて除菌清掃も強化。
会員には、せきや発熱などが見られた場合は施設の利用を控えるようお願いしている。
セントラルスポーツの場合
次に、全国に231店舗を展開するセントラルスポーツの担当者に聞いてみた。
――感染拡大を受けて始めた対策は？
厚生労働省の基本方針を参考にしながら、まず各クラブでアルコール消毒の設置を増やしています。
さらに館内の掲示物で、体調不良や異変を感じているお客様はご利用をお控えくださいとお願いしています。
また、お子様向けにはいつも以上に体調確認と声掛けを行い、何かあれば保護者様にご説明をしたうえで様子を見ていただいています。
――利用者の増減は？
特に日中のご高齢の方はご利用時間が減っているという報告を受けていますが、具体的な人数などは調査が進んでいません。
――従業員のマスクは励行したり義務化はしない？
社会の動きや報道などでは、マスクの効果について疑問視する声もあり、いま悩んでいる状況です。
今朝も検討の動きがあったのですが、まだまとまっていないません。
ルネサンスの場合
全国で約100ヶ所の総合型スポーツクラブを展開するルネサンスの担当者にも聞いてみた。
――感染拡大を受けて始めた対策は？
従業員については、出勤前には検温して、せきや熱などの症状がみられる場合は自宅待機を勧めています。
また交通機関を利用する場合はできるだけマスクを着用、勤務中の着用も推奨しています。
お客様についても、アルコール消毒使用を推奨し、体調がすぐれない場合は施設利用を控えていただくよう、ホームページと館内掲示でご案内しています。
また、消毒液の設置を増やすとともに、館内の消毒も強化しております。
――利用者の増減は？
具体的な数は申し上げることはできませんが、「利用を自粛されている方（会員）もいらっしゃる」という従業員からの声を聞いています。
――他にはどんな対策をしているの？
通常の場合、スタジオレッスンが終わるとインストラクターとお客様がハイタッチを行っていますが、現在はそのような接触動作を禁止をしております。
これらは26日の取材時点の情報だが、スポーツジムが感染の可能性の場所として取り沙汰されたことで、さらなる対策をすべきか各社頭を悩ませているようでもあった。
自粛ムードの中で、体を動かしたくなる気持ちもわかるが、利用者の人はトレーニング器具を使用する前後の消毒など、自衛策も心掛けるといいのではないだろうか。
