新型コロナウイルスの感染拡大で就職活動にも影響が…

新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、さまざまなイベントの延期や自粛が相次ぐ中、就職活動にも影響が出ている。

第一生命は、2月下旬に東京と大阪で、あわせて3000人規模で実施を予定していた就活イベントの中止を決め、日本生命も学生向けのインターンシップを取りやめる。

メルカリは、採用面接をインターネットを介して遠隔で実施するほか、ユニクロを展開するファーストリテイリングは、説明会をネット上だけで行う。

3月から企業の説明会などが開催され、就職活動も本格化してくるが、多くの企業が一堂に集まる合同説明会はこれまではいろんな企業を知るいい機会だった。

しかし、学生のための就職情報サイトを運営するマイナビは3月1日~3月15日までに開催予定であった合同企業説明会を中止・延期するとした。
リクルートキャリアも新型コロナウイルスの感染が国内で広がっている現状を鑑みて、44都道府県で開催を予定していた就職情報サイト「リクナビ2021」の合同企業説明会を3月1日から31日まで、すべて中止することを決定している。


生の情報を得る機会が減る就活生はどうしたらいい?

では、合同企業説明会の中止が相次ぎ、就職という大事な選択において、生の情報を得る機会が減りそうな就活生はどうしたらいいのか。

マイナビは合同企業説明会の中止・延期が就活生の企業・職業選択においての機会損失とならないために、出展予定だった企業に協力を呼びかけ、各社の情報提供をWEBセミナー形式で実現できるよう、準備を進めているという。

また、リクルートキャリアは3月1日の「リクナビ2021」オープンと同時に「リクナビ」上で個社の説明会を動画で視聴できる「リクナビ FaceMovie」を開始する。

「リクナビ FaceMoive」の動画説明会のイメージ

これは、新型コロナの感染拡大前から予定していたものだが、「説明会に参加したいけれど、時間が合わない」「移動時間や交通費を考えると、参加する企業を絞らざるを得ない」といった悩みを口にする就活生が毎年いる中で、いつでもどこでも視聴できるため、就活生は説明会のために使う時間や労力などを抑えられるというものだ。

約330社が導入しており、動画は「リクナビ 2021」上の個社ごとのページにアップされる。ページ上で「リクナビ FaceMovie」の予約をすると、完了後すぐに視聴画面に移り、企業によっては、就活生は動画説明会を視聴した後に、面接など次の選考ステップの予約もできる

動画を見た後、就活生も企業に質問したいことが出てくると思うが、質問がある場合は、面接や現地説明会など次のステップで質問の時間を設定して企業に回答してもらうか、問い合わせ窓口に就活生が問い合わせをし、企業が質問に答えることを想定しているという。

「Webシューカツ推進委員会」立ち上げ

収束が見えない中、まずは就活生にこうした情報をうまく活用してもらうしかないが、新たな動きもある。

就職支援などをしているi-plugは新型コロナウイルスの国内での感染拡⼤を受け、Webでの採⽤選考を推進するためのプロジェクト「Webシューカツ推進委員会」を⽴ち上げた。

「Webシューカツ推進委員会」ではWeb⾯談、⾯接、説明会実施企業を募集し、特設サイトで公開したり、Web⾯談、⾯接、説明会ツールの⼀部無料提供をする取り組みなどを始める。

就活生は特設サイトで具体的にどのようなことができるのだろうか。i-plugにお話を伺った。

ーー特設サイトにはどれくらいの企業が集まっていて、いつ開設される?

現状127社です。27日、各企業さまに案内を開始する予定となっておりますので、賛同数の増加を見込んでいます。 サイトのオープンは3月4日を予定しておりますが、Webサイトの構築状況によっては多少前後する可能性がございます。


ーー就活生は特設サイトをどのように活用できる?

現状検討しているのは、学生は閲覧のみとなります。プロジェクトの反響によっては、学生たちが能動的に参加できるような施策を実施できないか検討いたします。


ーーWeb面談・面接・説明会ツール提供とはどういうこと?何を提供してくれる?

Web面談ツール「HARUTAKA」、Web説明会ツール「コクリポ」のサービスを、一部無料でご提供します。無料範囲に関しましては現在提供会社と相談中の箇所もあります。

Web就活は都市部と地方の学生の格差解消にもなる

ーー就活におけるコロナウイルス対策はやはりWebでの就活が一番最適?

私たちの取り組みは、新型コロナウイルスによる影響を必要以上に誇張し、不安を煽るのではなく、正しく予防に取り組むためのプロジェクトとして考えております。 時期に限りがある就職活動だからこそ、この期間「就職活動をしない」という選択肢を学生は取りにくいと思います。 現状の発表された情報においては多くの人と閉鎖空間において接点を持つ説明会、近距離で会話する面接・面談等においては、直接話すだけではなく、遠隔で情報コミュニケーションをとる方が、リスクを低減できると考えています。

ーーWebでの就活は移動面や情報面で、都市部と地方の学生の格差みたいなものも解消できる?

軽減につながると考えています。就活における都市部と地方部の学生では「情報量」、「情報取得の容易さ」、「就活にかかるコスト」に差が生じます。具体的には、情報収集経路、説明会をはじめとする選考への参加の移動にかかるコスト(宿泊費含む)・時間的コストがあげられます。Webでそれらのコストを解消することにより、いわゆる「格差」と呼ばれているものの一部は軽減されると考えています。

企業と学生の「出会い」を支援

ーー他にはどのような取り組みを考えている?

Webでの説明会や面談に至る前の段階に、学生との「出会い」があげられます。この出会いは、学生により説明会や自分で情報収集するなど様々ですが、地方の学生においては合同説明会等で生じるケースが多いものです。しかし、今回の合説取りやめやイベント見送りにより、「出会い」の損失が生じかねないと考えています。 そこで、「出会い」を支援するために「OfferBox」においては企業の利用を促進します。具体的には今プロジェクトに参加いただいた企業には3月2日から6日の1週間で送ったオファーから選考に進み内定につながった学生は、成功報酬料金をいただかず、無料となります。

※OfferBoxとは企業が学生にオファーを送り選考に進む、オファー型の採用サービス。システム利用料は無料で、内定承諾時に料金が発生する成功報酬型となる。今回の取り組みでは、その成功報酬が期間限定で無料となる。


ーー就活生には特設サイトを利用してどのような就職活動をしてほしい?

一番は、少しでも不安が軽減されることを祈っております。 就活という大事な時期に今回の状況をうけて、学生のなかには不安でいっぱいの方もいらっしゃると思います。実際、各企業の対応も未定となっているケースもあり、今後どのように進めていくべきか悩むなど、精神的な負担を危惧しております。

Web面接・面談・説明会を実施する企業情報が可視化されることでその手助けとなり、他に導入を検討している企業の後押しとなり、少しでもWeb面談等に切り替える企業が増加すると良いなと考えております。それが、新型コロナウ イルス感染を危惧する学生さんや企業のみなさまを守ることに繋がると考えているためです。 テクノロジーを活用することで、少しでも不安を取り除き、学生さん自身が納得のできる就活に取り組めるよう、支援してまいりたく思います。

担当者によると、プロジェクトの知名度を上げるために企業にメールを送っているということなので、今後賛同企業がさらに増えるかもしれない。

就活生は不安も多いだろうが、各企業が就活支援でどういった対応をしていくかもこれからだと思うので、さまざまな方法で情報収集をして悔いのない就職活動にしてほしい。

【関連記事】
「マスクは失礼」新型肺炎が就活にも影響…感染リスク避けて“ウェブ面談”にする企業も

「感染拡大…新型コロナウイルス」特集をすべて見る!