新型コロナウイルス感染者の身にいったい何が?

新型コロナウイルスの感染症による重症者は全国で51人、死者は8人にのぼっている(2月27日午後2時時点)。

体調が急変し、死に至る可能性もある“新型コロナウイルス”。患者の身にいったい何が起きているのだろうか?

「直撃LIVEグッディ!」では、実際に日本人の感染者を診察した医師を独自に取材した!

 

新型コロナウイルスに感染した北海道七飯町の60代男性町議を診察したA医師。感染者を目の当たりにし、強く感じたのは“経験したことのない症状”だったという。

新型コロナウイルスには2つの大きな特徴がある。その1つが…

新型コロナウイルスの特徴① 判断しづらい初期症状

A医師:
症状が風邪気味だというお話で、2月7日に来院されました。その時点では喉の軽い違和感と、それから微熱。微熱と言っても37度ちょうどくらいですね。せきとたんが、その時点では全くなかった。その症状を3日前から自覚されていて、それが何日か続いているということで、7日にいらしたということです。通常の風邪よりも炎症反応が強かったというのがちょっと気になりましたので、一応抗生物質と炎症を抑える薬を5日分お出しした。それで結果を見ましょうと。

症状が出てから数日経過していたが、A医師は軽い風邪と診断。薬を処方した。

しかし最初の診断から6日後の2月13日に患者が再び来院。体調は改善するどころか体温が38度に上昇し、さらにせきとたんが少し出てきていると訴えたという。

A医師:
炎症反応を調べるための血液検査をやったんですけど、ほとんど改善されていないという状況がありましたし、せきとたんが出てきていた状況でしたので、肺炎・気管支炎の合併を疑い胸部のレントゲン写真を撮りました。

X線撮影の結果、A医師を驚かせたのは、今までにない“肺の異変”だった。

 

A医師:
両方の肺に、肺炎と思われる影があった。あまり両側の肺炎というのはなくて、例えばすごく免疫が低下しているとか、重症の肝臓や腎臓の病気があって抵抗力がないような方には、両方の肺炎を起こすこともあります。けれど、その方は67歳ですし、その時点でもふつうにお元気で。呼吸苦とかもないですし、まさか影があるという印象では全くなかったですね。そこでそういう影があったので、ふつうの肺炎、ふつうの病気ではないのかなと感じた。

グッディ!は、2度目の診察の前日にあたる2月12日に感染者と会議で一緒になったという知人に話をきくことができたが…「特別、具合が悪そうな感じはなかった」という。

わずか1日で体調が急変したということなのだろうか?

新型コロナウイルスの特徴② 急激な症状の変化

新型コロナウイルスの特徴の2つめが、“急激な症状の変化”だ。

感染が拡大する愛知県で感染者を診察したというB医師も、診断の難しさについて語っている。

 

B医師:
病院を訪れた最初の日軽い風邪のようだということで風邪薬を出しました。次に訪れた日は、せきがひどく熱も出てきて、軽い肺炎という診断をしました。新型コロナウイルス感染症の判断は難しいと思います。

B医師によると、2月8日に初めて患者を診察し、その4日後に電話で症状の確認をすると「熱は下がったけどせきは出る」という返事だったという。B医師は新型コロナウイルス感染を疑い、保健所へ相談することを勧め、その後感染が確認された。

さらにグッディ!では、中国・武漢市で多くの患者を診察し、自身も新型コロナウイルスに感染し克服した余昌平医師にも話を聞いた。

 

余昌平医師:
(自分は)発症当時は発熱だけでした。それに体温もそこまで高くありませんでした。熱が出ただけで、せきはありませんでした鼻水も出ていませんでしたし、くしゃみなどもありませんでした。2日間はコロナウイルスだとは気づきませんでした。

3日目も熱が続いたため検査した結果、新型コロナウイルス陽性、さらに肺炎だと診断されたという。

その後、入院した余医師。彼も新型コロナウイルスが“経験したことのない症状”だったと主張する医師の1人だ。

 

余昌平医師:
入院3日後に、突然体調が悪くなりました。呼吸困難にもなりました

数日、発熱が続くだけだった症状が一転、呼吸困難に陥る事態に…。その後、余医師は5日間立ち上がることができず、寝たきりの状態になったという。なぜ、突然 呼吸困難になったのだろうか?

 

余昌平医師:
一般的な肺炎は片側だけ炎症することが多いのですが、新型肺炎は両側が炎症することがほとんど。片側だけ炎症しても、最終的には両側になります。このようなレベルまでくると、非常にひどい病状で、呼吸をするのすら、つらくなってくることでしょう。

余医師によると、通常の肺炎の多くは片側の炎症のため、もう一つの肺で呼吸ができる。しかし新型コロナウイルスの場合、その炎症が急激に両側に及ぶため、呼吸困難に陥りやすいのだという。

症状のとっかかりを見つけることが重要

新型肺炎の重症化は回避できるのだろうか?

グッディ!のスタジオでは昭和大学医学部の二木芳人特任教授に解説してもらった。

大村正樹フィールドキャスター:
二木先生は「初期症状で入院などの処置がとられていれば、重症化のリスクを下げられる可能性はある」としています。しかしグッディ!が話を伺ったお医者さんは皆さん、初期症状は風邪と同じで、診察で判断するのは難しいという見解を示しています。

安藤優子:
まず、何をもってして重症化と言うんでしょうか?私は肺炎になったらとっくに重症じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏:
一つの目安として、例えば酸素投与が必要になるようなケース。これが1つのフェーズです。さらに酸素を投与しても肺炎の場合なかなか血液中の酸素が上がってこない。この場合は管を入れて人工呼吸器でしっかり息をしてもらうことになる。そんな状態になればもう1つフェーズが上がります。

 

安藤優子:
では、基本的には酸素投与などしなければ自力の呼吸が難しい場合に重症と言えるんですね。

昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏:
しかし、今のお話を聞いていると、一番最初はほとんど風邪と変わらない症状です。そういう人はいっぱい来るわけですから、その中から「この人だ」と見極めるのは、きわめて難しいでしょう。

田村勇人弁護士:
風邪と同じような症状のタイミングで肺を見ても、炎症は起きてないんでしょうか?

昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏:
レントゲン、あるいはCT検査があります。CTは、より細かく肺の中を見れるんですが、最初の段階ではそれで見ても(肺炎の影が)ないケースが多いようです。

安藤優子:
ある程度の症状が出てからじゃないと、こういう特徴的な所見は見られないんですね。

昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏:
そのようです。疑うのであれば、毎日毎日様子を見て、あるとき肺炎の影が一気に出るというより、はじめは少しずつ出てくる。そういうとっかかりを見つけて、そこから積極的に治療すれば(重症化を防げる可能性がある)…というところです。

安藤優子:
とは言っても「病床が足りないから重症化の人に空けましょう」と言われていますから、それはかなわないわけですよね…。

(「直撃LIVE グッディ!」2月27日放送分より)