育児や家事…約3人に1人が2時間以下

育児休暇を取得した男性は、休暇中どれぐらい育児に時間を費やしているのか。
驚きの調査結果が発表された。

それによると、過ごし方が夫婦で練られていない、質の低い育休「とるだけ育休」になっている可能性がある。

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調査によると、子育てママ約4,000人のうち、パートナーが育休を取得したのは約13%の508人
では、育休を取得したパートナーは、1日のうち、どのくらいを育児や家事に費やしているのか。
回答では、8時間以上と答えた人が2割にのぼる一方で、およそ3人に1人は2時間以下となっている。

日本財団✕「変えよう、ママリと」調べ
日本財団✕「変えよう、ママリと」調べ

76%が満足…家事全般を手伝ってくれた、心の余裕につながった

また、育休の満足度については、76%がとても満足、まあまあ満足、と回答。
ママからは、「夫から『子どもだけに集中して平気だよ』と言われ、家事全般を全て手伝ってくれた」、「1人じゃないということが心の余裕につながった」と、育休を評価する声が上がった 。

日本財団✕「変えよう、ママリと」調べ
日本財団✕「変えよう、ママリと」調べ

24%が不満…育休中も家でだらだら、取得前に話し会えばよかった

一方、あまり満足していない、不満、と感じる人が24%。
「育休をとっても家でだらだら。結局家のことはわたしがやっていた」、「何をしてほしいのか、育休取得前に話し会えばよかったなと思う」と育休の質に疑問を感じるというママの声が。

日本財団✕「変えよう、ママリと」調べ
日本財団✕「変えよう、ママリと」調べ

育休は、その中身や質こそが大事なのかもしれない。
皆さんのご家庭ではどうなのか、街で聞いた。

「妻が言ってくれたら動きやすい」「面倒見てくれるとありがたい」

サービス業(30代)
夫が育休代わりに普通に有休をとった、2日間。ミルクをあげてくれたりとか、ちょっと子どもを見ていてくれたりとか。手伝ってくれたのは2時間くらいですかね。
すごくイラッとする。でも働いているので文句は言えないけどイラッとする。全然休まなくてもいい。お金も出ないし。

サービス業(30代)
サービス業(30代)

公務員(40代)
子ども6人いるので、上4人だけ育休をとった。少ないときは送り迎えとご飯だけなので、1~2時間というときもあった。本読んで終わっちゃうときもある。(奥さん怒るのでは?)どうだろうな、あきれたような顔していた。

公務員(40代)
公務員(40代)

金融関係(40代)
育児休暇はとっていない。月曜日から金曜日できない分、土日はなるべく参加するようにはしていた。「とるだけ育休」はきっと奥さんの反感がすごいだろうなと思うので、怖くて自分はできない。

金融関係(40代)
金融関係(40代)

アパレル関係(40代)
子どもが生まれたら頑張って半日ぐらいだと思う。
(それ以外は?)それ以外は自分の時間じゃないか。育児は自分から動きたいけど、そうなったときに自分から動けるかわからない。できれば妻が言ってくれた方が逆に男側としても動きやすい。

アパレル関係(40代)
アパレル関係(40代)

専業主婦(40代)
土日だと半日ぐらいは手伝ってほしい。夫は仕事がなければ手伝ってくれる。面倒見てくれたりすると絆というかありがたい、うれしいです。

専業主婦(40代)
専業主婦(40代)

日本の家事分担は欧米諸国に比べるとまだ歪

三田友梨佳キャスター
様々な意見がありましたが、崔さんは如何ですか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
こういうデータが出たということは男性の育休が当たり前になってきた証拠でもある。
そう言う意味ではとてもポジティブだと思いますし、アンケート調査の13%が取得していた、10人に1人が取っているという話なので、意外と浸透してきていると思います。

三田友梨佳キャスター
そうですね。ただ一方で、こういったデータもあります。
男女別の家事に関わる時間の国別比較なんですが、日本は女性が一日224分(4時間弱)に対して、男性はわずか41分なんです。

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
この統計は広い世代の人を対象に調査しているのでいろいろな解釈はあると思いますが、日本の家事分担はまだ歪(いびつ)です。お父さん達まだやれるんじゃないのと、欧米諸国を見ると思います。

三田友梨佳キャスター
どうしていくべきだと思いますか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
本や私自身の体験でもありますが、何をしてほしいかを具体的に指示してあげる。さらには「ゴミ出ししたよ」「偉い!」と褒めてあげるのも大事だと思います。

三田友梨佳キャスター
そばにいるだけでも1人で抱え込まずに精神的に安心できるというのももちろんあると思いますが、お手伝いのような意識ではなくて、主体的な姿勢で育児に取り組むのがより良いと思います。育児に時間がかかるのは出産直後だけではなく、子供が大きくなってからも柔軟に休めるような制度整備も求められているのではないでしょうか。

(「Live News α」1月23日放送分)