高校生がパソコンに向かい、何かに真剣に取り組んでいる。実はこれ、eスポーツの授業風景だ。

1月21日、NTT東日本はeスポーツの新会社を設立することを発表。さらに、日本サッカー協会も「eサッカー日本代表」の創設を発表するなど、今、eスポーツに注目が集まっている。

そもそもeスポーツとは、対戦型ゲームをスポーツ感覚で競う競技のこと。そのeスポーツが今、学校やお年寄りのコミュニティなど、さまざまな分野で活用され始めている。

そこで今回の「ココ調」は、ただゲームをするだけではない、eスポーツの新しい活用法を調査する。

高校で導入「eスポーツ講座」ってどんな授業?

まずは、先ほど紹介した仙台市宮城野区の仙台育英学園高等学校へ。情報科学コースの選択授業「eスポーツ講座」を見学すると…

ココ調取材班:
授業中なんですよね?

男子生徒A:
授業中ですね。eスポーツ、ゲームを通して学ぶという。

指導しているのは、普段はプログラミングの授業を担当している日野彰先生。
生徒たちがやっているのは、『リーグ・オブ・レジェンド』という1チーム5人で相手の陣地を攻める対戦型ゲームだ。

しかし、ゲームと授業がどう結びついているのか?

男子生徒B:
誰かわからないけど、ワードありがとう!

女子生徒A:
私です

男子生徒B:
おお、ナイス~

このように、生徒同士でコミュニケーションを取り合う姿や先生が生徒に指導する姿が見られた。

情報科学コース 日野彰先生:
良かったこと、反省点、今後に生かすことをまとめてください

男子生徒C:
途中からの味方の動きがちゃんとできていたので、多分この試合に勝てたんだと思います

情報科学コース 日野彰先生:
チームワークですね、拍手

eスポーツの授業を受講している生徒はどう思っているのか?

男子生徒D:
声を掛け合えるようになったことですかね。前よりはコミュニケーションを取れるようになったかなと思います。

女子生徒A:
学校の授業という形でeスポーツができるっていうのは、やっぱりチームワークとかも身につくし、すごい楽しいです。

情報科学コース 日野彰先生:
楽しみつつもチームスポーツなので、協調性やリーダーシップなどを身につけて、将来社会に出たときに役立たせていってもらえればと思います。

身近なゲームを使って、社会で役立つ能力を育んで欲しいという学校の狙いがあった。

午前はゲーム・午後は製造業務 会社実業団のプロeスポーツ選手

続いて訪ねたのは、愛知県扶桑町にある三笠製作所。機械を動かすのに欠かせない「制御盤」という装置を製造している会社だが、作業場を出て建物の2階へ上がると…

ココ調取材班:
えっ、ゲームしてますよ!

業務時間中にゲームをしている人を発見。実は彼、この会社のeスポーツ実業団「KYANOS(キュアノス)SC 」に所属するプロのeスポーツ選手、井上克洋さん。

つまり、ゲームをするのも立派な仕事。井上さんは、日本に2人しかいないサッカーゲームウイニングイレブンの日本代表選手なのだ。

その実力を見せてもらうべく、ココ調取材班のスタッフと対戦していただくことに。

メッシ選手のキャラクターを操作し、ボールを持つ井上選手。ココ調スタッフが動かすキャラクターたちを華麗に抜き去り、見事ゴールを決めた。

ココ調取材班:
わあっ!なんですか今の!?

KYANOS SC 井上克洋選手:
今のは僕の得意技の「井上45度」です。

大会でも観客を沸かせるという、ゴール斜め45度前からシュートを打つ「井上45度」を披露。

会社に来ると午前中はゲームをするという井上さんだが、午後になると…

KYANOS SC 井上克洋選手:
お待たせしました。

ココ調取材班:
あれ、服変わりました?

作業着に着替えた井上さんが向かったのは、作業場。

KYANOS SC 井上克洋選手:
今からここで作業します。

ココ調取材班:
作業するんですか?もうゲームはしないんですか?

KYANOS SC 井上克洋選手:
今日はもう終わりです

井上さんは、出社後の午前はeスポーツのトレーニング、午後は会社の製造業務をこなしている。

KYANOS SC 井上克洋選手:
社会人としての経験をさせていただくことで、社会と繋がっているというのも実感できますし、とてもありがたいと思っています。

eスポーツの選手を雇用するメリットとは?

三笠製作所 石田繁樹代表:
eスポーツだけではなかなか生活が苦しいので、実業団という仕組みで彼らを雇用させてもらって、一緒に仕事をしていくことで、彼らも生活が安定する。会社面としても、かなりの宣伝効果があったのではないかと実感しています。

eスポーツを取り入れる企業には、選手の生活が安定し、会社には宣伝効果がある、WinWinな関係があった。

60代超の「シルバーeスポーツ協会」指を動かすことで健康に

最後に訪ねたのは、埼玉県さいたま市の市民活動サポートセンター。こちらで行われていたのは…

藤井弘輝アナウンサー:
お年寄りの方がゲームをしています!プレイ中にすみません。これはどういったものなんですか?

高齢男性:
eスポーツをやりながら、楽しい人生を送ろうっていう会です。

そう、こちらは60代以上のお年寄りの方を中心としたeスポーツチーム。その名も「シルバーeスポーツ協会」。

高齢女性A:
「やったー!行けー!」というような、子供や孫がテレビゲームに熱中するのはいかがなものかなと思っていましたけど、実際やってみると確かに面白いと思います。

とここで、藤井弘輝アナウンサーが、年の差56歳の協会会長・森田孝さん(84)と対決することに。

高齢男性B:
撃て!

高齢女性A:
撃て!

と会場もヒートアップ。そして、ついに決着の時が…

藤井弘輝アナウンサー:
あ~っ負けた!会長生き残ったー!

見事、会長の勝利。

ゲームをプレイしたり応援したりと楽しんでいる様子のみなさんは、eスポーツを通して体感していることがあるという。

高齢女性B:
指先を使って運動することが、かなり良いと私は思います。

高齢男性C:
5年くらい前に脳梗塞やったんですよ。それで右手がちょっと不自由だった。でも今は、ちゃんと書けるようになったりして。指を使うじゃないですか。脳の活性化ですよね。すごく体に良いんじゃないかなと思ってます。

まだまだ可能性を秘めているeスポーツ。これからも新しい活用法が出てくるかもしれない。

(「めざましテレビ」『ココ調』1月31日放送分より)